デヴィッド・フィンチャー監督おすすめの映画ランキングTOP5

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デヴィッド・フィンチャー監督おすすめの映画ランキングTOP5

デビュー作「エイリアン3」こそそれまでのシリーズの出来の良さから不評も買いましたが、2作目の「セブン」以降は誰もが次回作に注目する、名監督になりました。それでも「セブン」の後の「ゲーム」、「ファイト・クラブ」の後の「パニック・ルーム」がもうひとつの評価だったこともあり、「傑作と凡作を交互に作る監督」とも言われていましたが、近年はそんなこともなくなったかな?と思わせる好調ぶりです。これからも、新作のたびに「水準以上」を期待してしまう監督の一人です。

 

 

第5位.デヴィッド・フィンチャー「エイリアン3」

デヴィッド・フィンチャー「エイリアン3」がおすすめの理由

フィンチャー作品では「ゾディアック」やリメイク「ドラゴン・タトゥー」なども捨てがたいのですが、ここはあえてデビュー作である本作を。リドリー・スコットの、SFホラーにおけるエポック・メイキングだったと言えるオリジナルのパート1、ジェームズ・キャメロンがバトル要素を持ち込んで白熱のエンターテイメント作に仕上げたパート2を受けての「3作目」を監督することは、相当にプレッシャーがかかったのではないかと思います。脚本の段階で何人もの脚本家が起用されては降ろされ、監督候補も次々に入れ替わる中で、デビュー作でここまでの作品に仕上げた力量は評価すべきではないかと思います。パート2でリプリーと共に生き残った少女が死んでいるという幕開けには唖然とさせられるものの、「誕生と死」のコントラストを描き出すオープニングは出色です。ダークなディストピア的雰囲気が漂う「刑務所の惑星」という舞台設定もスリリングですし、確かに「1」や「2」と比べて劣るとは思いますが、これはこれで、それほど悪くないのでは・・・と、思います!

 

 

第4位.デヴィッド・フィンチャー「ゴーン・ガール」

デヴィッド・フィンチャー「ゴーン・ガール」がおすすめの理由

実際に起きた事件を基に映画化された作品ですが、サスペンスフルな展開を緊張感あふれる映像がつむぎ、ラストまで目が離せないサスペンス・スリラーの傑作になっています。結婚5年目を迎えた「傍目から見ると幸せそうな若夫婦」の奥さんが、突如行方不明になってしまい、捜査を進めるうちに徐々に旦那の怪しい言動が発覚し始め、旦那は警察からもマスコミからも追われることになる・・・という物語で、果たして真相は?という種明かしがもちろん一番の見どころではあります。しかし、真相がどちらに転んでもおかしくないような「不可解な言動」を取る旦那だけでなく、行方不明になった奥さんにも疑わしい部分があり、真相が明らかになってからも、予想通りに進まないストーリーに目を見張ることになります。奥さん役のロザリンド・パイクは本作が完全に「ハマり役」と言える名演で、観賞後に背筋がヒンヤリするような後味を残してくれます。翻弄される夫役のベン・アフレックもまた疑わしさバツグンの名演技で、これは本当に「ネタバレなし」で見ることをお勧めします!

 

 

第3位.デヴィッド・フィンチャー「ソーシャル・ネットワーク」

デヴィッド・フィンチャー「ソーシャル・ネットワーク」がおすすめの理由

今や全世界を繋ぐネットワークとなったSNSの代表格、フェイスブックの創設者であるザッカーバーグの半生を追った作品です。もちろん映画化に際しある程度の脚色はあるにせよ、きわめて個人的理由からフェイスブックの元になるSNSを立ち上げたザッカーバーグの、そのナイーブというより神経質、そして他人と接するのが苦手という人物像がリアルかつ現代的で、フェイスブックを巡る若者たちの、優れた青春群像劇にもなっています。観賞前に予想していたよりも、思ったほどフェイスブックというツールそのものには触れず、これを巡っての愛憎劇という構成になっているのは、監督のフィンチャーがあまりフェイスブックやSNSに興味を持っていないのかもしれません。フェイスブックの価値が拡大し「金になる」ことがわかってからの仲間とのあつれきは、ザッカーバーグに対する「元友人」たちをわかりやすい悪役として描いたのに対し、ザッカーバーグは感情を表に出さず、何か平然としているようにも感じます。フィンチャーは、そんな「現代の若者像」を描きたかったのではないでしょうか。無表情のまま「更新」キーを押し続けるザッカーバーグをとらえて終わるラストにも、それを感じました。

 

 

第2位.デヴィッド・フィンチャー「ファイト・クラブ」

デヴィッド・フィンチャー「ファイト・クラブ」がおすすめの理由

「セブン」に続き、フィンチャーが病んだ現代の闇の部分を、えぐり出すように浮き彫りにした衝撃作です。地下で密かに行われる、己の拳だけが存在価値だといわんばかりの「ファイト・クラブ」設立が作品のメインテーマかと思ったら、物語はどんどんあらぬ方向へ暴走していきます。人の脂肪分を集めて石鹸を売り始めた時はどうなることかと思いましたが、これが実際に「テロ行為」にまで発展するに至り、いったいこの映画はどうなってしまうのか、どう決着をつける気なのか?と心配になったほどです。これが、主人公と対照的な人物、タイラー・ダーデンの「意外な真相」が明らかになり、主人公のフラッシュバックが描かれる場面では鳥肌が立ちました。ブラッド・ピットの野生的な魅力が存分に発揮された映画ですが、それ以上にエドワード・ノートンという役者がまさに「天才」だということを認識させられました。そして迎えるラスト、明らかな「崩壊」シーンなのに、なぜかそれは、たまらなく美しい。映画史上に残る、名ラストシーンではないかと思います。

 

 

第1位.デヴィッド・フィンチャー「セブン」

デヴィッド・フィンチャー「セブン」がおすすめの理由

「羊たちの沈黙」と並んで、1990年代から急激に製作されるようになった「サイコスリラー」「サイコサスペンス」というジャンルに、今もなお影響を与え続けている、このジャンルにおける「聖書」とも言える傑作です。本作で、監督・デビッド・フィンチャーの名は一気に世界的に広まりました。雨の降りしきる町の情景は「ブレードランナー」を思わせますが、ここから始まる猟奇犯罪の手口や、犯行後の死体をアートのように装飾するところなど、ダークファンタジーの世界に引きずりこまれてしまったかのような錯覚を覚えるほどです。痩せこけた被害者が実はまだ生きていた、というシーンでは思わず声が出ました。この頃はまだ「馴染みのある顔」ではなく、まさに観客にとっても「ジョン・ドウ=名無しの権兵衛」であったケヴィン・スペイシーの狂気の演技も見ものです。そして迎えるラストシーン、これ以上ない最悪の結末を迎えて、映画は幕を閉じます。ブラピももちろんですが、残されたモーガン・フリーマンも「生きていくさ」としか言えない、一生抱えていくであろう重荷を背負ってしまったことでしょう。ハッピーエンドがお好きな方にはお勧め出来ませんが、私のような悪趣味映画好きには、「最高の贈り物」と言える大傑作です。

 

 

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