新井素子おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】新井素子おすすめの本ランキングTOP7

親しみやすい文体で書かれているので、読むことが苦にならない。漫画を読んでいるように、場面を想像しながら一気に読める。SFなのにリアリティーがあって、今ここで起こっていることのように感じる。描写が詩的で素敵。新井素子さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.新井素子「ひとめあなたに・・・」

新井素子「ひとめあなたに・・・」がおすすめの理由

地球が滅亡する最後の日に、彼に会いに行くという話ですが、その中に登場する、一見すると普通で、でも狂気を秘めているという描写が、自分にも当てはなりそうで、ドキッとする。普通という顔に隠されている狂気は、誰もが持ちうるもの、それを、通常は隠しているけど、地球最後の日までの期限が切られたという状況になったら、本当の望みが、常識人の奥から顔を出して、何を起こすかわからない、というストーリーが、恐ろしいけど、自分ならどうなんだろう?と考えさせる。他の話のスピンオフ作品なのだけど、それが分かるあとがきも秀逸。あとがきを読んだら、本編も読みたくなる、という作者の心憎い演出も、この話の好きなポイントの一つ。さて、私は、あと1週間で地球が消滅するとわかったら、その日をどうやって迎えるだろうか?そして、この日本はどうなるんだろうか?そう考えると、他人事に思えない話。

 

 

第6位.新井素子「ラビリンスー迷宮ー」

新井素子「ラビリンスー迷宮ー」がおすすめの理由

神の生贄として二人の少女が神が住む迷宮へと投げ込まれる。神を殺すか、逃げ延びると命は助かるが、逃げだせた者はいない迷宮へと入っていく少女と、神が、いよいよ対峙する。命というものの考え方や、人間という存在の愚かさを感じる内容。この作者の作品としては珍しく、三人称で書かれていて、そのためか、あまり知名度の高くない作品。しかし、中身は大変面白く、十分に成熟した大人が読んでも面白い。多感な高校生の時に読んでいるが、30年以上経った今でも、なお、面白さ感じる作品。この作品の神は、ただの恐ろしい存在ではなく、悲しみを抱えている存在。それでも生きなければならない。命と真正面から向き合うこの作品は、作者の考えの原点でもあるのかもしれないと思わせる。新井素子の文体が苦手な人でも、これは十分読み応えがあるものと思う。

 

 

第5位.新井素子「ネプチューン」

新井素子「ネプチューン」がおすすめの理由

今はもういないあたしへ…という文庫に収められている、短編小説。三人の男女が汚れた海で女の子を拾う。記憶がない、まるで赤ちゃんのようなその少女にネプチューンと名付け、奇妙な生活が始まる。ネプチューンは実は、偶然に開いたタイムトンネルを通ってカンブリア紀の海からやってきた、ヒトの祖先。ネプチューンの「想い」が、爆発的な進化を促す、という、壮大なストーリー。
人はどこから来たのか、ということは、一度は疑問に思ったことではないだろうか。それが、大きなストーリーの元になっているのだと思うと、想像を掻き立てられる。植物プランクトンから動物への進化は、爆発的な何かが起こった。それが、人に会いたい、人を愛する気持ちだというのが、とてもロマンがあると思う。私たちの想いの基本が「誰かを愛する」ということなら、どんなに素敵なことか、と、思わせてくれる作品。

 

 

第4位.新井素子「星へ行く船シリーズ2通りすがりのレイディ」

新井素子「星へ行く船シリーズ2通りすがりのレイディ」がおすすめの理由

星へ行く船シリーズ(全5巻)の2巻目。主人公の働く探偵事務所のエースで、謎めいた過去がある主人公の恋人。彼の元カノが登場する。美人で有能で、さらに強くて優しい元カノに、主人公は「レイディ」とあだ名をつけて、次第に親しくなっていく。この後のシリーズの大事な伏線となるこの1冊は、それぞれの登場人物のキャラクターが明確になって、なぜ、この主人公なのかが、だんだんとはっきりしていく。ストーリーの輪郭として、とても重要な話。特に取り柄がない主人公のあゆみに、なぜレイディが接触してきたのか、明らかになるのは最終話なのだが、そこに向けての伏線も幾重にも織り込まれていて、最終話にたどり着いたら、もう一度最初から読み返したくなるシリーズ。その中でも、強くて、意思がはっきりしている女性が活躍するこの話は、爽快で面白い。

 

 

第3位.新井素子「星へ行く船シリーズ1 星へ行く船」

新井素子「星へ行く船シリーズ1 星へ行く船」がおすすめの理由

星へ行く船シリーズの第1巻。ここから、主人公あゆみの思いがけない冒険人生がスタートする。まず、火星に人が住んでいるという設定が、夢のよう。地球にいることが特権階級で、他の星に行く移民は、地球上の国別に都市を作っているなど、細かい設定がいかにもありそうで、火星に住むのもありだなぁ、と感じさせる。家出して地球から飛び出し、火星に向かうというのは、今に照らし合わせると、日本から出て海外に家出するような感覚なんだろうな、と想像させるので、今、まさに火星に人が住んでいるかのような感覚で読める。違和感なく物語の中に引き込まれていくのが、主人公の一人称で書かれていることによるものなのか?とても不思議。自分が主人公になったような感覚で、スラスラ読み進められるところがいい。新井素子らしさが、存分に出ている作品と思う。

 

 

第2位.新井素子「グリーンレクイエム」

新井素子「グリーンレクイエム」がおすすめの理由

植物が知能を持ち、自らの意思で動く星からきて、地球に不時着した宇宙船に乗っていた生き残りの生命体を、とある科学者が秘密裏に地球でいくられるように人型に改造し、それを隠しながら生活している彼らと、それを暴こうとしている存在との駆け引きが見どころ。知能は持っているが、元いた星の記憶や、自分の出生の記憶がないままに、言われたことを守っている主人公と、彼女に恋した人間の青年、その青年の周囲には、彼らが改造人間ではないかと探りをいれる研究者がいて、複雑な心理戦が繰り広げられる。バレやしないかとドキドキすることも多いし、植物だって生きている、ということを突きつけられたような気持ちになるこの本は、生きるとは、人を愛するとは?と考えさせられる。人間関係の間では、愛は、時に残酷なことも引き起こすのだなぁ、と思った記憶がある。

 

 

第1位.新井素子「チグリスとユーフラテス」

新井素子「チグリスとユーフラテス」がおすすめの理由

新井素子の作品では、これが本当にオススメ。超大作なので、手に取るのは勇気がいると思うけど、その価値はある。地球から遠く離れた星への移民。その末裔は生殖能力が極端に低くなり、ついに最後の子供が生まれる。最後の子供「ルナ」は、未来に望みを託して冷凍睡眠している人を次々に起こし、自分の置かれている状況が改善するのかを試す。最後に、移民の母、レイディ・アカリを起すのだが…命とは何か、愛すること、愛されることとは何かを、直球で考えさせられる話。カウントダウンが始まっているのは、日本も同じかもしれない。では、我々は、何を残していくことができるのか?何をつないでいくのだろうか?腹の底から考えさせられた。SF作品だが、哲学的な内容で、文体の軽さに対してテーマが重く、それがかえって心に深く印象付けられる。子供を産まなかった私にとっては、何か救われたように感じた1冊。

 

 

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