新田たつおおすすめの漫画ランキング

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新田たつおおすすめの漫画ランキング

著者の新田たつおは1953年10月25日生まれの大阪府出身になり、コメディータッチの読み切りからシリアスな長編まで幅広いジャンルの作品が魅力的です。反社会的勢力の構成員や犯罪者を主人公にすることが多いながらも、決して暴力を賛美することのない思想に共感できます。新田たつおさんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第5位.新田たつお「こちら凡人組」

新田たつお「こちら凡人組」がおすすめの理由

「こちら凡人組」は、実業之日本社から全8巻で単行本化されています。同じ著者の代表作「静かなるドン」が北は仙台から南は博多まで全国各地を舞台にしているのに対して、このマンガは新宿に小さな事務所を構える任侠集団の親分・凡野平太郎が主人公です。争い事を好まないその従来の性格と、秘めたる統率力が魅力的なキャラクターでした。対立する組織とのバトルや盃外交ばかりでなく、地元の人たちとの交流や人間ドラマも見どころ満載になります。凡野の妻や娘との日常生活の風景も、違和感なく挿入されていて心温まるものがありました。かつては弱きを助け強きを挫くがモットーだった、17世紀半ばの幡随院長兵衛に遡るほどの任侠道の奥深さも感じます。今の時代ではすっかり義理人情が失われていき、拝金主義に捉われていることへの強い批判も随所に散りばめられていました。反社会的勢力に所属する主人公が、堅気の世界で生きることに憧れている設定が何とも皮肉です。任侠映画やコミックがお好きな皆さんから、講談や幕末物に造詣が深い方まで是非とも手に取ってみて下さい。

 

 

第4位.新田たつお「サラ忍マン」

新田たつお「サラ忍マン」がおすすめの理由

「サラ忍マン」は1996年から1997年にかけてビッグコミックスペリオールに連載されていた作品で、小学館から全4巻で単行本化されています。あらゆる暗殺術を叩き込まれた忍者・影(シャドウ)が、本作品の主人公です。圧倒的な力を手に入れながらも、時折見せる寂しげな表情や後ろ姿には一抹の哀愁が漂っていました。暗殺者としての重い責任感から解放されて、愛する人と自由気ままな暮らしを送ることへの憧れも垣間見えます。ある日突然に全てを放り出して、組織を脱走してしまう展開が驚きです。中堅クラスの建設会社ある「覇王建設」で働いていたサラリーマン、田中一郎との出会いがドラマティックでした。田中が交通事故によってこの世を去ってしまったことによって、影が整形術を使って彼になり替わる羽目になってしまいます。日常と非日常を華麗に行き来する影からは、誰しもが多かれ少なかれ心の奥底で抱えているはずの変身願望を擽られるはずです。オフィスでのルーティンワークや代わり映えのしない日々の繰り返しに飽き飽きしている方たちには、是非とも読んでみて下さい。

 

 

第3位.新田たつお「ビッグ・マグナム 黒岩先生」

新田たつお「ビッグ・マグナム 黒岩先生」がおすすめの理由

「ビッグ・マグナム 黒岩先生」は別冊漫画アクションに1982年から連載されていた作品で、双葉社から全7巻で単行本化されています。破天荒かつ謎多き教師・黒岩鉄夫が、生徒たちと真正面から向き合っていく姿が痛快無比です。文部省によって拳銃保持のライセンスを受けているという有り得ない設定も、何時しか違和感なく受け入れられるようになってしまいました。ある世代以上の皆さんがこのマンガを読むと、高校に校内暴力が吹き荒れていた1980年代当時の世相を懐かしく思い出すことでしょう。確かに大人たちによって「不良少年」の烙印を押された子供たちは粗暴ですが、その一方では身近な人の愛情に飢えているいじらしい一面も伝わってきます。普段はマグナムを片手に大暴れを繰り広げている主人公の黒岩が、時折生徒に対して見せる優しさが微笑ましかったです。荒唐無稽なストーリーながらも、今の時代に教育現場が抱えている問題を鋭く捉えてみました。現在教職に就いている方や、将来的に教育学部への進学を考えている皆さんは是非とも本作品を手に取ってみて下さい。

 

 

第2位.新田たつお「隊務スリップ」

新田たつお「隊務スリップ」がおすすめの理由

「隊務スリップ」は小学館のビッグコミックスから全6巻で刊行されている、徴兵制度が復活した近未来の日本を描いたSFタッチの作品です。主人公の青乃盾が働いている、昔ながらの和菓子屋さんが印象的でした。職人が精魂込めて手作りする、饅頭も実に美味しそうです。平凡ながらも幸せな人生を歩んでいたはずの青乃たちが、ある日突然に厳しい軍事訓練を強要されてしまうシーンには胸が痛みます。いつの間にか若者たちが戦場へと送り込まれてしまう展開には、安保法案の成立や戦闘地域への自衛隊派遣を推し進めている現政権への痛烈なメッセージが込められていました。和菓子屋の主人と軍の上層部との間に、密かに取引が交わされていたことが明かされていく場面も衝撃的です。政治家と大企業との癒着や警察上層部と犯罪組織との馴れ合いを始めとするタイムリーな話題や社会問題も盛り込まれていて考えさせられます。「人類最弱」と揶揄されながらも予想外の活躍と隠された特殊能力を発揮していく青乃の姿には、戦争へと向かっていくこの国に残された最後の希望を感じました。

 

 

第1位.新田たつお「静かなるドン」

新田たつお「静かなるドン」がおすすめの理由

「静かなるドン」は、2013年度日本漫画家協会賞の大賞受賞作品です。表向きには下着会社「プリティー」のデザイン部に勤めているごく普通のサラリーマン・近藤静也の、会社の同僚たちには決して打ち明けることが出来ない余りにも大きな秘密に引き込まれていきました。抗争によってこの世を去った父親の跡目を継いで、10000人の子分を有する組織・新鮮組の総長へと変身するシーンが格好いいです。敵対勢力との抗争ばかりではなくクーデターを目論み跡目を狙う幹部との、人間関係も事細かに描かれています。会社員としての無味乾燥な事務作業と、極道社会の熾烈な縄張り争いが交互に映し出されていて面白かったです。一見するとまるっきり両極端なはずのふたつの世界の中にも、時折不思議な共通点を垣間見ることが出来ます。いざという時に社員を見殺しにしてしまう今時の社長さんもいれば、末端の子分を救出するために身体を張って敵陣へと乗り込んでいく昔気質な親分もいます。夜は次から次へと押し寄せてくる強敵たちをはね除けつつ、昼間はデザイナーとしてもささやかな成長を遂げていく主人公に励まされました。

 

 

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