黒澤明監督おすすめの映画ランキングTOP5

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黒澤明監督おすすめの映画ランキングTOP5

黒澤明監督の映画は時代もあって白黒の作品も多いのですが、とにかく面白いのです。白黒映画に少し抵抗のあった昔の私は黒澤明監督の映画を通して白黒映画への抵抗が全く無くなりました。昔の作品であるにも関わらず、それを感じさせないほどシンプルな面白さが氏の映画にはあります。

 

 

第5位.黒澤明「七人の侍」

黒澤明「七人の侍」がおすすめの理由

七人の侍の素晴らしい点は何の予備知識もなく、フラットな気持ちで鑑賞してもいきなり楽しめる点だと思います。戦乱の時代に武士から村を守るために農民が7人それぞれ腕っ節の強い個性的な用心棒たちを雇うというストーリーなのですが、もうそのあらすじが既に面白いですよね。どんどん強い仲間を増やしていくというワクワクする設定は現代でこそ少年マンガやテレビゲームで多く見られますが、この映画はその元祖になっているといっても過言ではありません。もちろん設定だけでも面白いのですが、黒澤明さんの力量が撮影や演出に全面的に出ていて物語のリアリティや迫力がまた凄いことになっているんです。その効果もあって7人の侍たちはマンガのキャラクター顔負けの個性と威厳を持つことになって、視聴者は自然と彼らの事を好きになってそれぞれお気に入りの侍が出来ることでしょう。海外の映画通にも大人気で、日本でもいま現代なお語り継がれる名作は伊達ではありません。ぜひこの映画から黒澤明ワールドを体験してみて下さい。

 

 

第4位.黒澤明「生きる」

黒澤明「生きる」がおすすめの理由

黒澤明さんが天才と呼ばれる所以がこの映画にあります。七人の侍や椿三十郎などサムライが沢山登場するいわゆる時代劇で有名な黒澤明さんですが、この映画では打って変わって1人の平凡な人間の人生を深い視点で描かれています。この映画には時代劇のようなド派手なカメラワークや演出は登場しませんが、ジワリジワリと踏みしめるように積み上げられていくストーリーが黒澤明さんなりの人生観を提示してくれます。主人公は市役所に勤め日々ダラダラとお役所仕事をこなす毎日を過ごしていました。しかしそんな主人公はある時胃がんに罹ってしまいます。これまでの無気力な人生の過ごし方を見つめ直し、日々変わっていく主人公が世の中に残したもの、残せなかったもの。そんな誰にでも起こりうる範疇の物語が黒澤明さんなりの時点で鋭く撮影されています。日本が舞台で特に目新しいと言える設定もない本作が世界中で未だに名作に数えられているのは、この映画が普遍的でかつ本質的な問題をズバリと射抜いているからこそだと深く思います。

 

 

第3位.黒澤明「隠し砦の三悪人」

黒澤明「隠し砦の三悪人」がおすすめの理由

この作品は七人の侍ほどの知名度はありませんが未だに舞台や映画でリメイクを繰り返されている名作です。壮大なストーリーととっつきやすい面白さが魅力の時代劇になっています。物語のクオリティもさる事ながら、この作品の1番の魅力は登場人物たちの魅力にあると私は思います。隠し砦の三悪人と一口に言うと少し恐ろしい印象もありますが、この映画の主人公たち3人はとてもチャーミングな点と憎めない性格を持っています。これは「主人公たるものキリッと無口で男前であれ」というのが常識であった当時の時代劇から考えるととても斬新なものであったと考えます。今でいう3枚目とも言えるような軽快な掛け合いをする主人公たちはシリアスで重厚なストーリーをとてもいい具合にまとめてくれます。なので主人公たちの送る長い道中も、観客は全く飽きる事なく彼らを見守るような気持ちで観続けることが可能になっています。映画を観終わる頃には主人公たちと別れるのが少し寂しくなることでしょう。

 

 

第2位.黒澤明「用心棒」

黒澤明「用心棒」がおすすめの理由

この映画では名俳優の三船敏郎さんと黒澤明監督のコンビネーションを最高に楽しむことができます。黙ってあぐらをかいているだけで十二分に絵になる三船さんの魅力を最大限に引き出したこの映画は、とにかく主人公がカッコよくて頼りになる渋い一作です。権力争いで村人が大きく二手に分かれた宿場町に流れ着いた流浪の主人公がこの村を大きく変えることになります。物語は基本的にこの村にドッシリと居を構えて展開されるのですが、村で巻き起こる人間ドラマや争いが観るものを全く飽きさせないでいてくれます。完璧主義者でもある黒澤明さんによって確固たる時代考証の上に建ったストーリーは、まさに観るものをタイムスリップさせてくれるほどのリアリティを誇っています。昔もしかしたら本当にこんな事があったのではないか?と感じさせてくれるほどの世界を作り上げている黒澤明さんはやはり名監督だなとしみじみと感じますよね。もちろん、戦闘シーンのリアリティや迫力もとても見応えがある一作です。

 

 

第1位.黒澤明「羅生門」

黒澤明「羅生門」がおすすめの理由

時代劇でありながら人間の本質的な心理描写も表現されている一味違った映画です。
多くの日本人に馴染みの深い芥川龍之介さんの有名な短編小説が下敷きになっている本作ですが、内容はあくまで新しく描かれています。1人の死体を元に、関係者たちの三者三様の食い違った証言が物語の謎でありカギになっています。この映画で主に表現されているのは人間の浅ましい見栄や極限状態に現れる動物的な滑稽な自衛本能です。作中では追い詰められた状況になった2人の男たちが、女を巡って果たし合いをする事になります。すると先ほどまで偉そうな顔をしてドッシリと構えていた男たちは、生死の境を前にすると急にへっぴり腰になってオドオドと動揺し始めます。そして刀という道具があるにも関わらず、まるで猿の喧嘩のように必死の形相で揉みくちゃになって転げ回るような争いまで始めてしまいます。ジリッと睨み合って一太刀で相手を斬り殺すような決闘シーンではなく、この映画ではそのようにとても動物的でリアルな決闘が見られます。そういった点に黒澤明監督なりの羅生門という小説への捉え方が見え隠れしています。

 

 

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