【2019年】中山七里おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】中山七里おすすめの本ランキングTOP7

このミステリーがすごい、で中山さんを知って以来、全作品を読んでいます。文体は読みやすく、だけど文章から音が聞こえてくるような表現力と、よく練られたストーリー、そしてどんでん返しの帝王という名前のごとく、毎回毎回あっと驚く仕掛けが、読んでいてとても面白いです。中山七里さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.中山七里「護られなかった者たちへ」

中山七里「護られなかった者たちへ」がおすすめの理由

護られなかった人たちを護りたかった人がいた。これが福祉制度の現状なんだなぁと虚しくてめちゃくちゃ救われないのですが、個人的には、それこそが救いになったようや不思議な読後感。生活保護のケースワーカーはいい人?嫌な人?という問いかけがたくさん出てきますが、それを考えながらのラストのメッセージは強烈。最後は福祉に携わる、というより、法律や制度と現実の狭間で悩むすべての公務員に読んでほしいです。欲を言えばその立場から脱した人たちにも。日々感じる苦しみ、悲しみ、無力感、使命感、怒りは決して無駄じゃない。これからもきっと苦しい立場であり続けると思うけど、そこで諦めないことが何より大事だと思いました。貧困と格差問題を問いかけられます。考えさせられる重い問題を提起しながらも、極上の社会派ミステリーエンタメに仕上がっています。心揺さぶられました。

 

 

第6位.中山七里「さよならドビュッシー」

中山七里「さよならドビュッシー」がおすすめの理由

読み終えて思わず唸りました。音楽×根性×謎解きかと高を括っていたら、見事に足元をすくわれました。大好きな人たちと待ち込まれた火災から、ただ一人生かされた彼女が背負ったものは、思いもよらない望まないものでした。けれど、それが彼女のたったひとつの生きるために残された道でした。例えそれが修羅の道だとしても。常に一人称視点の文章で、個人的にはそういう文章は単調に感じて飽きやすいのですけど、全然そんなこともなく、むしろ文章が心が掴んで離さない感覚になりました。特にピアノの描写は素晴らしいです。音楽が生々しくそこに蘇ってくるよう。脳内には音楽が鳴り響き、その世界に没頭しました。そして事件の真相解明は鮮やかの一言に尽きます。ミステリーは毎回犯人を予想しながら読むのですが、当たってしまうとやっぱりかとがっかりするところ、今回良い意味で裏切られました。まさかのどんでん返し、さすがです。

 

 

第5位.中山七里「おやすみラフマニノフ」

中山七里「おやすみラフマニノフ」がおすすめの理由

岬洋介氏が活躍する音楽ミステリー第2弾。前回のドビュッシーはピアノ独奏だったけど、今回はオーケストラ。音楽って苦しい。そして孤独だ。けれど、この上なく美しくて、一つになる快感を与えてくれるものなんだと思いました。第一弾よりかはミステリー要素は少なめで、音楽の方に重点を置いている印象を受けました。音楽の描写は前回同様素晴らしく、ラフマニノフの曲を聴きたくなります。曲を聴きながら読むことによって臨場感を味わえますし、より作品世界に没頭できます。このシリーズはむしろ音楽を聴かないと物足りなく感じてしまうから不思議です。人の心情や音楽に生きる人たちの想いに焦点をおいていますが、ちゃんと謎解きされ犯人に近づいていくから不思議。表現力に吸い込まれて感動が増幅しました。さすがです。クラシックに興味のある人も、ない人にも読んでほしい一冊です。

 

 

第4位.中山七里「いつまでもショパン」

中山七里「いつまでもショパン」がおすすめの理由

天才的ピアニスト、岬洋介のシリーズものですが、今回の舞台はポーランド。ショパンコンクールに出場する主人公のヤンは、幼い頃から父親からピアノの英才教育を受けてきました。コンクールに出場するライバルたちの技術に心揺さぶられ、ライバルたちと触れ合い成長する姿と頻発するテロ、殺人事件の犯人探しが平行して進むミステリー。今回も音楽シーン満載で、本職のピアニストの方の解説も関心することしかり。いったい中山七里さんはどうやしてこうした素晴らしい表現ができるのかただただ感心です。音楽の力だけでテロはなくならない。そんなことはわかっているけれど、音楽には人間の心を取り戻す力があることは信じていたいです。また、最後の主人公のヤンと岬洋介の別れのシーンでは涙が出ました。「おやすみラフマニノフ」ともリンクしていて、ファンにはたまらないも思います。

 

 

第3位.中山七里「連続殺人鬼カエル男」

中山七里「連続殺人鬼カエル男」がおすすめの理由

マンションの13階からフックでぶらさかった女性の死体が発見される。そばには子供が書いたような声明文があり、そこには女性をカエルに見立てた内容が…。読む前から残虐な内容なんだろうなぁとは思っていたのですが、やはりかなり猟奇的な内容。しかしそれを味わわせるように描いた中山さんの筆力は流石、素晴らしいです。それだけではなく、この小説は障害者の犯罪について、人間の恐怖心について描かれていて、こういうテーマのものを読むとやはり自分の子供なり身内がそうなってしまったらと考えさせられます。身近な人が精神的な病にかかり加害者になる場合だってあり得るんだと。いろんな恐怖心をもって読みました。追い込んで追い込んで、緊張がとれず。最後の一行に驚くとともに、因果応報の言葉を噛み締めました。テーマ性より、圧倒的なリーダビリティで大満足な一冊です。

 

 

第2位.中山七里「追憶の夜想曲」

中山七里「追憶の夜想曲」がおすすめの理由

さすがは中山七里という感じ。衝撃的な導入部から一気に引き込まれ、最後まで集中して一気に読んでしまいました。夫殺害の罪で一審で妻が有罪となった裁判。その裁判の担当弁護を無理矢理奪い取る悪徳弁護士御子柴。犯人を想像しながら読みましたが、宣伝のためだと言って担当についたこの裁判がまさか御子柴の過去の事件とつながっていたとは、衝撃のラストでした。自分の過去が暴かれた瞬間、動揺すら見せずにさっと法廷を去る御子柴の姿がなんとも…覚悟の上でこの裁判を担当したんだなと切なくなりました。そして、岬恭平との対決は手に汗握ります。優秀な頭脳から繰り出される華麗なる攻撃、あるいは守備。蜂のように刺し、蝶のように舞う。途中、先が読めるようなあからさまな伏線もありますが、それを踏まえた上でもなお驚かされる最後の展開。大どんでん返しのラスト10ページでした。

 

 

第1位.中山七里「贖罪の奏鳴曲」

中山七里「贖罪の奏鳴曲」がおすすめの理由

被告に多額の報酬を要求する弁護士、御子柴礼司。死体遺棄のシーンから始まり、出だしから衝撃的でペースを乱されましたが、それがまんまと思惑通りに読み進めていたとは。勝ち目のない裁判をなぜ自ら引き受けたのか。事件の真相解明と平行して進む彼の数奇な過去にも、注目が集まります。日常でリアルにありそうでかつ奇抜な人間造形と人間関係。そして複雑なプロットと構成。構成を複雑にすると読み手が混乱することがあるけれど、本作ではそのあたりの配慮はきちんとなされ、更に高い筆力で読ませる展開になっています。御子柴が弁護士になるという選択肢にたどり着くまでの物語は痛々しい。悲しくて重い真相ですが御子柴の贖罪は続くのだと思います。完全なヒーローじゃないところがこの作品の魅力だと思います。人間のドロドロした業があるからこそ、償おうとする姿が美しく見えます。

 

 

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