【2019年】桜庭一樹おすすめの本ランキングTOP7

スポンサーリンク
スポンサーリンク

【2019年】桜庭一樹おすすめの本ランキングTOP7

少女を主人公とした作品が多く、少女の時期ならではのアンバランスさを見事に描いています。元々ライトノベルやゲームシナリオを書いていた作家でしたが、一般文学にも進出し、「私の男」では直木賞を受賞しています。桜庭一樹さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.桜庭一樹「赤×ピンク」

桜庭一樹「赤×ピンク」がおすすめの理由

六本木の廃小学校を舞台に繰り広げられる女たちの非合法格闘技「ガールズ・ブラット」。そこで働く3人の女の物語を見事に描いています。第1話がまゆの話。ベビーフェイスが売りの彼女は、14歳に見えますが、実は21歳の元OL。幼少期、檻の中に閉じ込められていた過去があり、檻の中で繰り広げられる非合法格闘技に惹かれてガールズ・ブラットに入ります。第2話はSM女優のミーコの話。「女王様」という名前でガールズ・ブラットに君臨していますが、実はSMの趣味はなく、観客へのサービスとしてパフォーマンスしています。第3話は皐月の話。ボーイッシュな見た目で特に女性からの支持が高い彼女ですが、実は女性恐怖症。そんな彼女の前に美しい人妻の千夏が現れます。千夏は夫から酷いDVを受けており、逃げてきたのですが、そこへ再び夫の魔の手が伸びます。

 

 

第6位.桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」がおすすめの理由

田舎街に住む女子中学生の山田なぎさ。彼女は早く大人になりたいと思う少しませた少女でした。ある日、なぎさが通う中学校に海野藻屑という少女が転校してきます。一人称が「僕」で、自らを人魚と名乗る藻屑は、かなりクラスで浮いていたものの、「友達になって」と藻屑がなぎさに歩み寄り、仲良くなっていく2人。しかし、藻屑は父親から虐待されているという悲しい秘密がありました。父親は芸能人であり、かつて「人魚の骨」という歌で一斉を風靡しました。この歌の歌詞には実は3番があり、その内容がなかなかに恐ろしいのでした。現在から過去へと遡っていく構成で、冒頭からショッキングな内容が展開されていました。可愛らしい見た目の表紙とタイトルからは想像もつかないような、グロテスクな描写もあり、そのギャップに驚かされることでしょう。

 

 

第5位.桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」

桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」がおすすめの理由

桜庭一樹の出身地である鳥取県を舞台にした大河小説です。実在はしない架空の村「紅緑村」で代々製鉄業を営む赤朽葉家の歴史が綴られています。第一章は赤朽葉万葉の物語。万葉は置き去りにされてしまった子供で、村の夫婦に引き取られ、育てられました。読み書きができない子供でしたが、不思議な予言をしたり、他の人には見えないものが見えたりしたため、「千里眼」と呼ばれるようになります。そして、赤朽葉家に嫁入りをし、そこから赤朽葉家の伝説が始まります。第二章は万葉の娘の毛毬の物語、第三章は万葉の孫娘の瞳子の物語と続いていきます。特に第3章では、万葉が残した謎の言葉の意味を知ることとなり、驚かされました。3世代もの女の生涯を綴った小説なので、なかなか長いですが、その分読み応えがあります。激動の時代を生きた3人の女の物語をご堪能ください。

 

 

第4位.桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」

桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」がおすすめの理由

街一番の美しさで生まれた少女、川村七竃の物語です。彼女の母親は小学校の教師でしたが、ある朝急に男遊びがしたいと思い立ち、次々と男と関係を持ちます。そうしてできた子供が七竃であり、父親が誰だかは分かりませんでした。七竃を生んだあとも母親の男癖は悪く、育児もろくにしないまま、男遊びに出奔する始末。七竃は趣味の鉄道と、美少年の雪風だけを友とし、孤高の高校生活を送っていました。そんな七竃を取り巻くのは、一癖もニ癖もあるかわいそうな大人たち。我こそは実の父親だと主張する東堂や、七竃を芸能界にスカウトする芸能マネージャーの梅木など、個性的なキャラクターが登場します。そうして、七竃と雪風の関係にも変化が生まれていきます。旭川を舞台に繰り広げられる、少女七竃とかわいそうな大人たちの物語をぜひご一読ください。

 

 

第3位.桜庭一樹「荒野」

桜庭一樹「荒野」がおすすめの理由

元々ライトノベルとして刊行されていたものを加筆修正し、一般文芸として再出版したものです。12歳の女子中学生である山野内荒野の恋と成長を描いた瑞々しい文学です。恋愛小説家の父親と再婚することになった女性の息子の神無月悠也が、荒野が一目惚れした男の子だった、という少女漫画のような展開です。同じ屋根の下で、意中の人と暮らすというなんとも奇妙な生活が始まります。悠也もまんざらではないようで、2人の恋がどう進展するのか、ワクワクしました。とても読みやすく、荒野のピュアな恋愛を楽しめました。初めて友達だけで服を買うことにときめきを感じたり、セックスに対する嫌悪感など、女子中学生ならではの感覚の描写で、女性は特に共感しやすい内容になっているのではないかと思います。守られる少女から、誰かを守る女へと成長していく荒野の姿も作品の見どころの一つです。

 

 

第2位.桜庭一樹「ほんとうの花を見せにきた」

桜庭一樹「ほんとうの花を見せにきた」がおすすめの理由

ヤクザに家族を殺された少年が吸血鬼に拾われ、育てられるお話。吸血鬼というと西洋のドラキュラを思い浮かべますが、この小説の吸血鬼は「バンブー」と呼ばれ、竹から生まれた植物性吸血鬼です。彼らは人間界で人に紛れ、ひっそりと暮らしていました。彼らには厳しい掟があり、そこには人間と関わってはいけないという規則が含まれていました。しかし、その規則を破ってまでバンブーは仲間と共に孤児となった少年を育てていきます。絆を深め合う2人ですが、やがて別れの時が訪れます。生きる時間も世界も異なる種族同士の絆が描かれた切ない物語です。別れのシーンがとても良く描かれています。物語の後半では、バンブーの過去の物語が語られます。なぜ人間と関わることを禁じたのか、かつてバンブーが栄華を極めていた時代に起きた悲しい出来事がそこに綴られています。

 

 

第1位.桜庭一樹「私の男」

桜庭一樹「私の男」がおすすめの理由

見事直木賞を受賞した作品です。震災により家族を失った主人公の花は、親戚である腐野淳悟に引き取られます。実は淳悟と花は血の繋がった親子であり、花が9歳になってから再会したのでした。2人はやがて性的な関係を結ぶようになります。一度、この秘密を知られたことがあり、花は秘密を握る人物を殺害。そして淳悟と花は逃げるように北海道から東京へ移り住みます。淳悟とは絶対に離れないと心に決めていた花ですが、成長と共に心境に変化が現れ始めます。この小説の面白いところは、現在から過去へと遡って物語が進んでいくところです。新婚旅行から戻ってきた第一章と、震災により家族を失い、淳悟に引き取られるまでを描いた最終章の終わりが対照的に描かれており、そこに切なさを感じます。親子でありながら体の関係を持つという不器用な愛し方しかできなかった2人のなんとも切ない物語です。

 

 

タイトルとURLをコピーしました