【2019年】森絵都おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】森絵都おすすめの本ランキングTOP7

児童文学も書いており、学校の図書室にあったのを読んで好きになりました。思春期の少女が主人公の作品が多く、女性に共感しやすい作品が多いです。また、短編の執筆も得意で、これまでにいくつか短編集が刊行されています。森絵都さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.森絵都「永遠の出口」

森絵都「永遠の出口」がおすすめの理由

少女・紀子の小学校4年生から高校卒業までの9年間を描いた物語です。読んでいて共感できる内容が多く、昔はそうだったなぁとしみじみ懐かしむことができました。友達との誕生日会が最大のイベントだった小学校時代。皆が反感を持つ黒魔女のような担任教師との戦い。前髪やファッションばかり気にかけていた中学校時代。初めてできた彼氏との距離感が分からず戸惑ったり、取り繕ったりした高校時代。バイト先での人間関係の移り変わり、両親の離婚の危機などなど。実際にありそうな思い出が綴られていました。これを読んだ当時、まだ中学生だったのですが、小中学校の出来事はとても共感でき、高校生になったらこんな出来事があるのかと思って興味深く読んでいました。誰もが経験する思春期の出来事を、この本を読んでいたら思い出すのではないでしょうか。

 

 

第6位.森絵都「リズム」

森絵都「リズム」がおすすめの理由

中学一年のさゆきが主人公で、その年頃に読んだので、いろいろと共感できる部分が多かったです。さゆきは、近所に住むいとこの真と幼い頃から仲が良く、兄のように慕っていました。真は高校にもいかず、髪を金髪に染め、ロックバンドのドラマーとして活動しており、周りからの評判はあまりよくありませんでした。しかし、さゆきにとって真は昔から変わらない存在であり、そのことにさゆきは安心感を得ていました。そんなある日、さゆきは真の両親が離婚するかもしれないという噂を耳にします。変化を恐れるさゆきは、そのことに不安を感じます。しかし、真がそんなさゆきにこうアドバイスをします。「自分だけのリズムを見つけるんだ」特段スリリングな展開も、ときめく色恋沙汰もない作品ですが、平凡ながらも中学一年の少女の心境を見事に描いた作品です。

 

 

第5位.森絵都「ラン」

森絵都「ラン」がおすすめの理由

中学の頃に家族を失い、天涯孤独の身となった22歳の夏目環がランニングを通して自分を変えていく物語です。自転車屋の紺野と仲良くなり、ロードバイクを貰います。ある日、嫌な出来事があり、闇雲にロードバイクを走らせていると、見たことのない街にたどり着きます。実はそこは冥界で、環は死んでしまった家族と再会します。死者と会えることを知った環は、ロードバイクの持ち主となるはずだった紺野の息子に会い、ロードバイクを渡すことを決意します。しかし、そのためにはロードバイクを手放した後、40kmの道のりを自力で戻る必要があるのでした。こうして、環のランニング生活が幕を開けます。死者と会えるというファンタジー要素とランニングを掛け合わせた面白い設定の作品でした。ランニングを通して成長していく環を見ているのが楽しいです。

 

 

第4位.森絵都「カラフル」

森絵都「カラフル」がおすすめの理由

死んでしまったはずが、天使のプラプラに生き返る抽選に当たったと言われ、小林真という少年の体に乗り移り、しばらく魂のホームステイをすることになったぼくの話です。正式に生き返るには、自分がなぜ死んだのかを思い出す必要があるとのことで、小林真として暮らしながら死んだ理由を思い出そうとします。最初は気軽に構えていたのですが、やがて小林真を取り巻く人間のことを徐々に知るに連れ、嫌気が差してきます。不祥事で会社の上司が逮捕されたことに喜ぶ父親、フラミンゴ教室の先生と不倫をしていた母親、そして実は売春をしていた好意を寄せていた女の子。人間の汚い部分に触れ、絶望する彼が、死んだ理由を思い出すことができるのかが見どころです。森絵都にしては珍しく、少年が主人公です。他の作品では圧倒的に女性の主人公が多いので、新鮮でした。

 

 

第3位.森絵都「風に舞いあがるビニールシート」

森絵都「風に舞いあがるビニールシート」がおすすめの理由

直木賞受賞作品です。短編集であり、以下の6作品が収録されています。天才的なケーキ職人である上司に心酔し仕える女が、ケーキに合う食器を探してこいという命令の元、器探しに奔走する話、「器を探して」。殺処分される犬を引き取るボランティア活動に勤しむ主婦が、犬の散歩中に起きた出来事を綴った話、「犬の散歩」。社会人大学生がレポートの代筆を頼むため、伝説として語り継がれている先輩学生を探す話、「守護神」。仏像修復の職人が主人公の、仏像の修復にかける情熱や厳しい親方との確執を描いた話、「鐘の音」。中堅社員と若手社員の世代間のジェネレーションギャップを描いた話、「ジェネレーションX」。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に勤める里佳とその恋人であり後に夫となるエドの物語、「風に舞い上がるビニールシート」。どの話にも信念を持った人が登場し、考えさせられる物語です。

 

 

第2位.森絵都「DIVE!!」

森絵都「DIVE!!」がおすすめの理由

水泳の飛び込み競技に情熱を注ぐ男子高校生のスポ根小説です。主人公の坂井知季が通うスイミングスクールに突如現れた新しい女コーチ麻木夏陽子。彼女は、スイミングスクールの経営難を救うため、オリンピックの代表選手を出すと宣言します。平凡な選手だった知季は、麻木コーチの指導の元、動体視力の良さと二重関節という身体特徴を活かし、飛び込みの才能を開花させていきます。両親が元飛び込み選手であるサラブレッドの富士谷要一、崖の上から海への飛び込みを行ってきた沖津飛沫といった魅力的なキャラクターも登場します。ライバルたちに囲まれ、切磋琢磨していく様子が熱い青春小説でした。読んでいて直射日光の暑さや、プールの塩素の匂い、セミの声が聞こえてくるような夏を感じられる作品です。実写映画化やアニメ化などのメディア展開もされています。

 

 

第1位.森絵都「つきのふね」

森絵都「つきのふね」がおすすめの理由

中学生のさくらには、梨利という親友がいました。二人は同年代の女子による万引きグループに所属していたのですが、ある出来事を境に絶縁状態に。さくらと絶交した梨利は、薬物や売春斡旋など、どんどん不良行為に走っていきます。梨利のことが好きなクラスメイトの勝田は、そんな二人を心配し、復縁を試みますが、なかなか上手くいきません。また、ある出来事のときに知り合った智という年上の男性の元に通うようになるさくら。しかし智も心に闇を抱えており、徐々に精神を病んでいくのでした。なんとも暗い救われない物語に見えますが、終盤の展開がとても良く、読了感は最高です。中学時代の女子特有の、ちょっとしたことで友人関係が上手くいかなくなる感じや、未来が分からず進路を決めかねる感じ、年上の男性に憧れを感じるところなど、共感できる部分が多い作品でした。

 

 

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