【2019年】田辺聖子おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】田辺聖子おすすめの本ランキングTOP7

大阪の風情が文章から感じられます。文章自体は柔らかいのに時に鋭い指摘、環境は違えど共感できる女性特有の悩みや思いが描かれています。恋愛をあつかった作品も多いですが、くっついた別れただけでなく、感情の機微というか、二人の関係性のあわいが表現されているようで、いくつの人でもジンとくる作品です。田辺聖子さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.田辺聖子「花衣ぬぐやまつわる」

田辺聖子「花衣ぬぐやまつわる」がおすすめの理由

完全なるフィクションではなく、杉田久女の生涯を伝記風にまとめた小説です。俳人として数々の作品を残した久女さんの俳句への真摯な姿勢に胸打たれる内容です。苦しみの中で生み出された俳句。ライバルの女流俳人への嫉妬。家庭と制作活動との板挟みになりながらそれでも俳句を作り続けることをやめなかった久女さんの執念が表現されています。俳句をつくる吟行の場面では美しい自然描写に自分でも思わず句が作れるような気がしました。タイトルにもなっている、「花衣脱ぐやまつわる紐いろいろ」の句は着物を脱いだ時の一瞬を切り取った美しい句です。この本を読んで初めて知った句です。幅広い作風の聖子さんならでは、まったく俳句に興味のない人にも杉田久女という女性の人生を通して、俳句に興味を持たせる書きっぷりです。俳句の知識が深められました。

 

 

第6位.田辺聖子「春情蛸の足」

田辺聖子「春情蛸の足」がおすすめの理由

大阪の豊かな食文化を味わえる短編集です。酒と肴と男と女といった感じで、食をからめての男女の色々な思惑が面白くも美味しそうです。高価じゃなくても、気取ったものじゃなくても、作品に出てくる食は、作るのに手間ヒマがかかるものばかり。妻にそれを求めてもかなわぬご時世。夫たちはそれでも大阪の家庭の味を求めて奮闘しています。男性目線での作品が多く、食にかける男性陣の思いが綴られていて、ペーソスあふれる一冊です。匂いや味までも感じられる食の風景に元気をもらえます。今すぐ大阪に出かけて、コロ(クジラ)を食べに出かけたくなること請け合いです。関西に旅行する際は、ガイドブック代わりに持っていくのもいいかもしれません。美味しいと思えるものがあること、美味しいものを一緒に食べられる相手がいること、そんな幸せに気づかせてくれる作品群です。

 

 

第5位.田辺聖子「孤独な夜のココア」

田辺聖子「孤独な夜のココア」がおすすめの理由

ココアというちょっと甘くてビターなキーワードのとおり、この小説に出てくる恋愛模様は幸せの中にも悲しさや寂しさも感じさせます。美しくない女性を書かせても田辺聖子さんは秀逸。この短編の中の作品には、少し意地悪な女性の視点、今でいうマウンテングなのか、女性は自分よりも下の者、見下せる相手を見つけて安心したい生き物かもしれません。そんな意地の悪さがチャーミングに書かれています。仕事があって充実していても、それだけでは寂しい、そんな女性の日常にちょっとしたいろどりを添えてくれる恋心とまでいかないトキメキ、日常の中で起こるときめく瞬間を切り取ったお話が収められています。トキメキの結末はさまざま。うまくいく場合ばかりでもなく、若い美しい女性ばかりでもありませんが、リアルな日常。寂しさや悲しさを感じながらも、ほっこりふんわりと優しい気分になれる小説です。

 

 

第4位.田辺聖子「私的生活」

田辺聖子「私的生活」がおすすめの理由

ノリコシリーズの2作目。お金持ちでゴージャスな暮らしとその窮屈さをかいまみられる物語。いわゆる玉の輿に乗ったノリコが味わう(これまでの)フツーの世界観の喪失が描かれています。対等であった関係が崩れてしまうこと、自分に求められる役割への葛藤。お金持ちと結婚することを夢見る人にこそ読んでほしい一冊です。玉の輿は玉の輿で大変ですが、でもそれにより得られるゴージャスな世界も、それはそれは魅力的に映し出されています。象徴的に使われているアイテムが、デパートの外商から届くシャボン。かなりの値段の香りのいい石鹸を惜しみなく使える身分を手に入れたノリコ。しかし、一方で、大切なものを失っていったことに気づきます。価値観、育った境遇の違いを超えることの難しさ、幸せとは?、お金とは?女性だったらいろんなことを考えちゃう小説です。

 

 

第3位.田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」

田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」がおすすめの理由

映画にもなったので、知っている方も多いと思います。ぜひ本も読んでいただきたいです。障がい者を題材とする作品は珍しいと思いますが、障がい者を可哀そうな者として描いていないところが素晴らしい。わがままで魅力的な女の子としてジョゼを描いています。目をそらされがちな性描写も美しく、ジョゼの恋愛を純粋に、障がい者ということを全く意識せずにさらりと受け止めることができます。こんな風に、社会がタブー視して切り込まない題材を、さらりと何の誇張も違和感も、お涙頂戴もなく扱える作家さんはあまりいないと思います。映像も素晴らしいと思いますが、文章のみでじっくりとゆっくりと不思議な世界観に浸っていただきたい。ラストは幸せなようでいて、その幸せのはかなさもろさを予感させるように感じます。短編ですのですぐに読めますが、余韻は深いです。

 

 

第2位.田辺聖子「苺をつぶしながら」

田辺聖子「苺をつぶしながら」がおすすめの理由

ノリコシリーズの3作目。2作目で別れてしまった二人のその後を描いた作品です。結婚には向かなかったけど、やっぱり二人の関係は、ベストパートナー。環境が違ったことですれ違ってしまった二人が、夫婦という関係が壊れたことで、対等の関係を取り戻している様子が、ノリコファンにはとてもうれしいと思います。前半は、完全に自由で、毎日を楽しんでいるノリコと、ノリコへの未練がありありの剛の一抹の寂しさが男性と女性の違いを描いています。後半は、同じように自由を謳歌してきた女友達の異変に際し、一人で生きていくことへの恐怖、一人ではなくそばにいてくれる人のいるありがたさに気づくノリコの様子が描かれています。人生を考える要素の入ったシリーズ最終作。最終作といわず、ぜひこの先のノリコを読んでみたいと思っています。3作品刊行順に読むのがおすすめです。

 

 

第1位.田辺聖子「言い寄る」

田辺聖子「言い寄る」がおすすめの理由

ノリコシリーズの1作目。イケメンのお坊ちゃまと自由なイラストレーター、ノリコの恋愛模様。奔放に恋愛を楽しむノリコと、お坊ちゃんでイケメンという立場を十分に意識した剛とは相性ピッタリなようでいて、ちょっとすれ違ったり、嫉妬したり、を繰り返して過ごす二人に釘付けになりました。自分には起こらないシチュエーションながら、共感できる点がおすすめです。大阪の日常や、避暑地での過ごし方など、街の様子が目に浮かぶような描写も楽しいです。これを読んで、大阪の街で暮らしてみたくなりました。二人の関係がこの後どのように進展していくのか、ノリコと一緒に結婚までのストーリを夢見てしまう作品です。今、恋愛している人も、全然恋愛から遠ざかっている人もトキメキたい人はぜひ読んでいただきたいです。直接的でなくても、色っぽいシーンを描けるのが田辺聖子さんのすごいところです。

 

 

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