【2019年】黒川博行おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】黒川博行おすすめの本ランキングTOP7

黒川博行さんの「厄病神」シリーズが大好きです。理由としては、「厄病神」シリーズには建設コンサルタントの二宮と暴力団二蝶会の構成員である桑原のコンビが、事件の裏で動く謎や陰謀を解き明かしながら、事の良し悪しは別として、自分達の利益や組の利益の為に暗躍する姿がとても痛快です。フィクションではありますが、現代の社会や時代に即したタイムリーな話題を題材にしており、また黒川さん自身が入念に取材を行ってから作品を書かれる方ですので、単なる謎解き、ミステリーではなく経済小説や社会小説としても非常に勉強になる作品だと思います。黒川博行さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.黒川博行「暗礁」

黒川博行「暗礁」がおすすめの理由

2005年10月に上巻、2007年10月に下巻が発表された、「厄病神」シリーズ第3弾。警察OBの天下り先である運送会社と奈良県警察幹部が癒着して作った裏金にまつわる事件について、ヤクザの桑原と建設コンサルタント二宮がコンビを組んで奔走する話です。お金の臭いのするところには、警察、暴力団、その他諸々の悪いやつがハエのように集るんだと改めて認識させられます。大阪から奈良、そして沖縄まで桑原と二宮が、飯のタネを手に入れる為に縦横無尽に走り回る姿は疾走感もあってあっという間に読み終えてしまいました。実在した事件である東京佐川急便事件をモチーフにしていると思われ、この本を読んだ後に、そちらの事件についても調べてみて、黒川博行さんの取材力の高さに感服致しました。善悪ではなく、お金でしか動かないマル暴の刑事などリアリティ感が半端ない小説になっています。

 

 

第6位.黒川博行「破門」

黒川博行「破門」がおすすめの理由

2014年1月に発表された「厄病神」シリーズ第5弾の作品。こちらの作品は映像化もされており、TVドラマでは北村一輝さんと濱田岳さん、映画では佐々木蔵之介さんと関ジャニの横山裕さんがそれぞれ桑原と二宮を演じています。個人的にはドラマの北村さんがハマリ役で、濱田岳さんも頭の中でイメージしていた二宮にぴったりですごくキャスティングが良かったです。横山さんは二宮にしては格好良すぎます。映画製作に出資した二蝶会だったが、映画プロデューサーが出資金を持って海外に逃走、組のメンツの為に桑原が二宮を伴ってマカオまで追っていくという話です。出資詐欺の黒幕は二蝶会本家筋の暴力団で、揉めた桑原は最終的には二蝶会を破門となってしまいます。暴力団の中での筋の通し方とか、手打ちとかって実際社会の本音と建て前じゃないですけど、そういったものに通じるものがあるなと思いました。痛快な「厄病神」シリーズにおいて、なんとも理不尽で腑に落ちない終わり方をするのですが、この破門状態の桑原が次の話に繋がっていくのでシリーズの中でも重要な作品だと思います。

 

 

第5位.黒川博行「螻蛄」

黒川博行「螻蛄」がおすすめの理由

2009年7月発表の「厄病神」シリーズ第4作目。こちらも北村一輝さん、濱田岳さんコンビでTVドラマとして映像化されています。今回のテーマは宗教法人にまつわるストーリーです。宗派の宝物である絵巻物を巡って桑原と二宮が奔走します。坊主も金儲けのことばかり考えているとは、これは実際の世の中でも感じるところです。正に立場を利用した人間の欲の深さや汚さを非常に上手に反映した作品だと思います。今作からインコのマキちゃんが登場しますが、このキャラがいい!暴力、詐欺、裏金、癒着といった暗い題材や社会問題などを題材にした「厄病神」シリーズにおいて、マキちゃんと従妹の悠紀の登場シーンは数少ない癒されるシーンです。黒川さんは元々美術の先生だそうで、骨董や古美術に造詣が深いことが分かる作品です。相変わらずの桑原、二宮の凸凹コンビの阿吽の呼吸がさらに磨きがかかって本当に面白い一作だと思います。

 

 

第4位.黒川博行「泥濘」

黒川博行「泥濘」がおすすめの理由

2018年6月発表の「厄病神」シリーズ第7作品目で、現在の最新作品。今回の作品は老人介護施設を舞台にした警察OB会の詐欺事件、オレオレ詐欺などを題材にしており、いつもタイムリーな題材をとりあげる黒川さんが今回も切実な社会問題を取り上げています。オレオレ詐欺の組織や役割分担の仕組みなどを事細かに書いた内容は、見様によっては新聞よりもわかりやすいくらいで、黒川さんの取材力と表現力の高さの賜物だと思います。今作から若頭だった嶋田が二蝶会の組長になっていますが、本家との関係性とうを見ていると組長といえ実社会の中間管理職みたいなもので、ヤクザの世界の上下関係などもよくわかります。警察OBの利権、汚職、癒着など汚い一面を見せまくっているので、若干社会不審になって正義とは何ぞや?とも考えさせられる内容になっています。大怪我した桑原のことを中川刑事に話す二宮の思いが、この作品にしては珍しく感動的で、感情移入してしまい、益々2人のことが好きになってしまいました。

 

 

第3位.黒川博行「疫病神」

黒川博行「疫病神」がおすすめの理由

1997年3月発表の「厄病神」シリーズの記念すべき第1弾作品です。産業廃棄物の最終処分場建設について建設コンサルタントの二宮が、大手建設業者、議員、暴力団やその舎弟企業を相手にイケイケなヤクザ桑原とともに立ち回る話となっています。二宮と桑原が初めて出会う話ですが、桑原が初回から強烈!今回の建設関係の前捌きって仕事を知ったところから、建設業界と暴力団対策、総会屋などの関係性などをネットで漁って勉強したりしました。この小説のいいところは、単なる謎解きやバイオレンスアクションではなく、実社会のタイムリーな題材を元にしているので、小説の内容から色々な興味が沸いて、勉強することで、自分の知識や見聞が広がるところにあると思います。最後は、小切手の切り方にまで注文を付ける桑原をみて、経理職に就いたばかりだった私にもとても勉強になる作品でした。

 

 

第2位.黒川博行「喧嘩」

黒川博行「喧嘩」がおすすめの理由

2016年12月発表の「厄病神」シリーズ第6作品目。府議会議員選挙の選挙事務所に投げ込まれた火炎瓶事件に端を発するヤクザの利権争いの話です。実社会での度々話題になる政治と金と暴力団を題材にした作品になっています。政治の世界の汚さや醜さを非常に良く表現した作品だと思います。この作品を読むにつれて、必要悪とでも言いましょうか、世の中は汚いことや悪いことも含めて社会として成り立っているのではなかろうか?ということを考えるようになりました。破門されて組の後ろ盾を失った中でイケイケの桑原が暴力片手に大立ち回りする姿はかっこよかったです。最後は今回も嶋田さんに手打ちしてもらって復帰するあたりが組所属の時と変わらない気がするのですが・・・それでも題材が現実社会でも問題となっている話であり、内容としてもとても面白かったので2位となりました。

 

 

第1位.黒川博行「国境」

黒川博行「国境」がおすすめの理由

2001年11月に上巻、2003年10月に下巻が発表された「厄病神」シリーズ第2弾の作品です。桑原は投資詐欺の被害にあった若頭・嶋田さんの為、二宮は中古重機の斡旋での詐欺被害を被った為、ヤクザをだました犯人を北朝鮮まで追いかけて行く話です。今回の話はめちゃめちゃ面白かった!間違いなく「厄病神」シリーズNo1だと思います。実社会でも謎が多い北朝鮮に潜入して犯人を追いつめていく様が、北朝鮮の内情とともに記載されていますが、フィクションとは思えないぐらいのリアリティさがあって、黒川さんが本当に苦労されて取材・調査して書き上げられた作品なんだと思います。物語の中で、桑原と二宮が密入国で再度北朝鮮に潜入し、最後は命からがら冬の鴨緑江を渡って中国まで戻ってきます。この臨場感とドキドキさ加減は、小説とは思えないほど興奮し、あっという間に読み終えてしまいました。本当に面白くて興奮できる小説です。

 

 

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