【2019年】乙一おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】乙一おすすめの本ランキングTOP7

初めて乙一の読んだのは高校生の時でした。それは「夏と花火と私の死体」という、タイトルからしてインパクトの強いものでした。読みやすい文章と、面白い視点からの物語に夢中になりました。大学時代にも乙一の作品を度々読むことがあり、その世界観にどっぷりハマってしまいました。一作が長すぎず、読みたい時に読めるというところも魅力だと思います。乙一さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.乙一「しあわせは子猫のかたち」

乙一「しあわせは子猫のかたち」がおすすめの理由

乙一の作品の中でも、胸を締め付けられるような、切ない話の上位に入る話です。主人公が引っ越した家には先住人がいます。それは、小さな子猫と、姿の見えない幽霊でした。幽霊のいる家なんて、普通に考えるとホラーでしかありません。しかし、この話は違います。この幽霊は、とても優しい女性でした。主人公を助け、見守るようなあたたかい存在なのです。初めは幽霊ということで、少し不気味に感じるものはありましたが、一緒に暮らしていくうちに、次第に主人公と幽霊が心を通わせ、かけがえのない存在になっていく流れは、とても心温まるものでした。幽霊の生前の姿を知ることで、さらに心が近くなっていきます。それ故に、最後は涙無くしては読むことができません。思い出しただけで涙が出そうになるのです。こんなに素敵な幽霊なら、一緒に暮らすのも悪くない、そう思わせるお話でした。

 

 

第6位.乙一「失踪HOLIDAY」

乙一「失踪HOLIDAY」がおすすめの理由

主人公は14歳の冬休み、自ら失踪しました。元々母と二人暮らしだったのが、母が再婚し、そこから母が死亡、さらに父がまた再婚し、血の繋がりがない家族の中で、主人公は自分の居場所について疑問をもちます。そんな中、新しい母と些細なことで喧嘩し、主人公は家出をしてしまいました。途中までは、主人公の少女目線に多少コミカルな感じで流れていきます。しかし、そこは乙一です。それだけでは終わりません。いつものように仕掛けがしてあり、楽しく読むことができました。主人公は自分が嫌われているのだと思っていた継母が、ちゃんと主人公のことを心配してくれているところがよかったです。また、主人公の口癖である、「断じて」という言葉が、読んだ後にうつってしまうという現象が起こったのは、きっと私だけではありません。それほど楽しく読める作品です。

 

 

第5位.乙一「死にぞこないの青」

乙一「死にぞこないの青」がおすすめの理由

主人公にしか見えない、傷だらけでボロボロの「アオ」は、肌が真っ青というそのビジュアルもとても不気味なものでした。この話は主人公が巻き込まれてしまった事件に、きちんと立ち向かい、解決するという成長物語となっています。この話に出てくる担任教師は、自分のことしか考えない、教師として、そして人間としてとても未熟な人物でした。そのため、主人公を差別し、いじめの対象とさせるだけでなく、暴力までふるうようになります。「アオ」の力を借りて、主人公はこの教師を排除することで自分を守ります。最後に母から明かされた、主人公が昔入院した時に、皮膚が真っ青になっていたという情報から、どうして「アオ」があのような見た目なのかと判明します。「アオ」は主人公であることは途中でわかっていたものの、皮膚の青さの元がわかり、ぞっとする瞬間でした。

 

 

第4位.乙一「zoo」

乙一「zoo」がおすすめの理由

こちらも映画化されている作品集です。当時映画館に足を運んだのを覚えています。10作品が収録されており、それぞれが短く読みやすいです。1番好きな話は「SEVEN ROOMS」です。何の説明もなく、いきなり部屋に監禁された姉と弟が主人公なのですが、同じような部屋が全部で7つあること、その配置と、目の前にある溝を流れる水。そしてそこを流れてくるモノ。その謎が明らかになっていく過程がとても面白いです。その施設はどうしてできたのか、誰がなんのために、など野暮なことは語られません。この謎解きと、脱出までの恐怖がいいのです。また、この作品以外にも、たくさん収録されていますが、表題作のzooも乙一お得意のぞっとするような、巧妙な仕掛けがしてあります。それは文章を読むと想像して恐ろしいと感じるものもありますが、映画で映像として見ても薄気味悪さを感じました。ぜひこちらも観てみてほしいです。

 

 

第3位.乙一「きみにしか聞こえない」

乙一「きみにしか聞こえない」がおすすめの理由

クラスに馴染めず寂しい思いをしていた主人公が、ある日頭の中に思い浮かべた携帯に、実際に電話がかかってくる、といった不思議な話です。その電話の相手は男の子で、どうやら主人公のいる今とは時間に少しズレがあるようです。そのズレにも重要な意味がありました。相手と話すことで、主人公はいい影響を受け、変わっていきます。だからこそ、ラストの展開は本当に切ないのです。これから死ぬとわかっている相手と、最後の電話を交わすシーンは涙なしには読めません。さすが乙一、だと思いました。この作品は映画にもなっていますが、まだ見たことがないのでいつか見てみたいと思います。また、この話を思い出した時、なんとなくあの有名映画の「君の名は」を連想しました。こっちは入れ替わるわけではないのですが、時間差がある中でのつながりという、切ないテーマは同じだからでしょうか。

 

 

第2位.乙一「夏と花火と私の死体」

乙一「夏と花火と私の死体」がおすすめの理由

乙一の初めての作品がこの「夏と花火と私の死体」です。まずタイトルからしてなかなかのインパクトです。そしてそのタイトル通り、主人公の「私」は死体なのです。その死体目線でこの話は書かれていて、淡々と語る内容に、どこか肌寒くなりました。さらにこの話の見どころは、「私」を殺したのがまだ幼い友人であり、その兄と二人で「私」の死体を隠蔽するという全体の流れです。捜索隊に見つかりかけるも、結局死体は見つかることはありませんでした。こういったテーマの話では、最後にはきちんと発見され、犯人たちも捕まって反省するなどのオチが多い中、そういったスッキリ感はありません。それがいいのです。また、この話が夏のものであり、「私」の体が徐々に腐敗し、臭いがするところも薄気味悪さを感じました。初めて読んだ乙一作品でしたが、そりゃ夢中になるよね、というほど私の好みな作風でした。

 

 

第1位.乙一「GOTH リストカット事件」

乙一「GOTH リストカット事件」がおすすめの理由

この作品は、主人公である「僕」が複数の事件を解決していく短編集です。主人公やヒロインの森野は、お互い心の中に暗黒の面を持っており、そこに惹かれています。しかしその種類は違うというところが、事件に対する反応や態度に出ています。主人公なのに、少年漫画の主人公とは真逆の、まさにダークヒーローなのです。しかもそのヒーローというのは特定の人物にとってのみ、です。そしてこの作品の中で1番の見どころは、1番最後の話です。この話には小説ならではの仕掛けがしてあり、読者はまんまとそれに騙されることとなります。ちなみに漫画バージョンもありますが、そちらもまた上手にこの仕掛けを使っていたと思います。小説でも漫画でも、主人公の暗黒部分は普通ではありません。しかし、事件の犯人たちも、それぞれ自身の暗黒面を持っていて、まともな人物が少なく作品だと感じました。

 

 

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