ダニー・ボイル監督おすすめ映画ランキング
「トレインスポッティング」で鮮烈な印象を残し、その後「スラムドッグ$ミリオネア」で見事アカデミー賞に輝いた、イギリス映画界の俊英です。「トレインスポッティング」で注目された後は、「28日後・・・」のようなホラーから「クライシス2057」といったSFまで幅広くジャンルを手がける「器用な人」というイメージもありますが、今後もその新作には注目していたい監督の1人です。
第5位.ダニー・ボイル「28日後・・・」
ダニー・ボイル「28日後・・・」がおすすめの理由
ダニー・ボイルがホラー映画、それもゾンビものに挑戦すると聞いて、最初は意外な気持ちもありましたが、やはり他にはないダニー・ボイルならではのセンスで、ゾンビパニックを描いてくれました。意識を失っていた主人公が、目を覚ますとそこはゾンビはびこる世界だった・・・という設定は、人気ゾンビドラマ「ウォーキング・デッド」の先駆けとも言えます。その後は主人公が目にする荒廃した世界を描いていくロードムービー的な展開になっていくのですが、後半に入ると映画のテイストが少し変わり、「極限状態での人間の恐ろしさ」を描き出す展開になっていきます。やっと助かった、「頼れる場所があった」と思ったら、そこはやはり安息の地ではなかった・・・というのはゾンビものだけでなく、こういった「世界の終末」を描いた作品ではよくあるパターンですが、それでも主役をぱっと見腕っぷしが強いとは思えないキリアン・マーフィにしたことで、得も言われぬリアルさを感じさせてくれます。蛇足ですが、ダニー・ボイルが製作総指揮に回った続編の「28週後・・・」も、大好きです!
第4位.ダニー・ボイル「シャロウ・グレイブ」
ダニー・ボイル「シャロウ・グレイブ」がおすすめの理由
ダニー・ボイルの記念すべき劇場用長編第一作ですが、よく言われるように、やはり「処女作に、その作家の全てが込められている」と言っても過言ではないような作品だと思います。「トレインスポッティング」で注目されたことで改めて日の目を見た感もある作品ですが、デビュー作からダニー・ボイルは才気あふれる人だったんだなあ!と実感させてくれます。基本的に主役となる3人の男女が住む家を舞台にしたお話なのですが、思いもしない大金を手にしてしまったことで、3人の関係に微妙な変化が現れるという筋書きがまず興味を持たせます。刻一刻と変わっていく3人の心理状態と、信用出来るものは自分しかいないといったような閉塞間がたまらなく胸に迫り、また大金を手にしたことの「代償」を支払うハメになるというのもお約束ではありますが、主役がごく普通の一般人に過ぎないことが、緊迫感を守り立てます。若き日のユアン・マクレガーの初々しさと、ヒロインであるケリー・フォックスの美しさも強く心に残る名作です。
第3位.ダニー・ボイル「127時間」
ダニー・ボイル「127時間」がおすすめの理由
ダニー・ボイルがアカデミー賞に輝いた「スラムドッグ$ミリオネア」の後に監督した作品です。数々の賞に輝いた作品の後だけに注目されましたが、中盤以降はほぼ主役のジェームズ・フランコの「1人芝居」となるワン・シチュエーションものの作品を、見事にエンターテイメント作品として作り上げた手腕はさすがと言うしかありません。単独で訪れた人里離れた山奥で遭難し、腕を岩に挟まれ身動き出来なくなってしまった主人公の127時間の葛藤を描いた作品ですが、こういったストーリーは小説で読めばじっくりと主人公の心理状態などを読み込めるものの、映像にするのは、それも1本の映画として仕上げるのはかなり難しいテーマではないかと思います。ジェームズ・フランコの熱演ももちろんですが、90分強を映画として成り立たせたダニー・ボイルのセンスはやはり素晴らしいです。それにしても、生き抜くために主人公が取った決断、それを観客もわかっていながら見るわけですが、ここでのリアリティを描ききったのもまたお見事と言うしかないでしょう。
第2位.ダニー・ボイル「スラムドッグ$ミリオネア」
スラムドッグ$ミリオネア/Blu-ray Disc/ZMXY-5042
ダニー・ボイル「スラムドッグ$ミリオネア」がおすすめの理由
アカデミー作品賞・監督賞など数々の映画賞を受賞した、ダニー・ボイルの代表作と言える作品です。日本ではすっかりみのもんたさんの司会で御馴染みになっていた、「クイズミリオネア」を通して、こんな壮絶な人間ドラマが語られるとは思ってもみませんでいた。前半のインドでの悲惨な生活を描くパート、後半のクイズショーでのパートとメリハリを効かせた演出が冴えており、見ていてグイグイと映画の世界に引き込まれていく手腕はさすがダニー・ボイルというところでしょう。また、こういったある人物の「半世紀」を描くドラマは得てして「上映時間2時間半」といった長尺になりがちなのですが、ピッタリ2時間という尺に納めたのも、ダニー・ボイルの映像を綴るセンスと手腕に負うところが大きいのではないかと思います。インドを舞台にした作品で、有名な俳優を使わずに、顔を知られていないインド系の俳優を使ってここまでの成功を納めたのも、特筆すべき成果だと言えます。
第1位.ダニー・ボイル「トレインスポッティング」
ダニー・ボイル「トレインスポッティング」がおすすめの理由
ダニー・ボイルの名前を一躍メジャーに押し上げた、大ヒット作です。映画のテーマ曲となったイギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」も、世界的な大ヒットになりました。今でもイントロの「ダンダンダン、ダンダダンダン♪」というリズムを聞いただけで、条件反射でこの映画のことを思い出してしまうくらいです。同時に、主演のユアン・マクレガーも、この映画で一気にメジャー俳優となりました。この頃は、ユアン・マクレガーがその後「ジェダイの騎士」となってダース・ベイダーの師匠になるなんて、思いもしませんでしたからね!初めて見た時には、センスある監督っていうのはこういう映画を撮れる人のことを言うんだろうなあと、しみじみ思いました。音楽と映像との華麗なコラボ、斬新なカッティング。クスリ中毒になった登場人物たちの幻覚の映像化なども合わせて、まさに「MTV時代」が生んだ、この時代を代表する一作と言える作品ではないかと思います。