中村文則おすすめ作品ランキング
5位タイ.中村文則「王国」(2票)
中村文則「王国」がおすすめの理由
掏摸の姉妹作。掏摸のその先に少し希望を持たせてくれただけでもこの作品の意義を感じた。木崎、裏社会、理不尽。共通点は多々あれど、こちらは再生というテーマが根幹にある。生きることの緊迫を感じるための作品なのだと思いました。(30代女性)
男と女の駆け引き(心理戦)、得体の知れない連中達との騙しあいが面白い。主人公は娼婦の仕事を通して要人の弱味を作る仕事を請け負って いたが、ある日化け物と呼ばれる男に出会う..。 ストーリー的にも分かりやすく読みやすいです。(20代男性)
5位タイ.中村文則「去年の冬、きみと別れ」(2票)
中村文則「去年の冬、きみと別れ」がおすすめの理由
頭の中がぐるぐるしてくるような心理描写のある話で、かつ謎解きができる。色々なことがだんだん繋がって、考えを巡らせたり、登場人物の関係性を頭の中で書きながら読みました。とても面白かったです。それにしても今時なテーマだなと思いました。(30代女性)
内容は重めの恋愛・人間模様という感じですが、文章自体が読みやすいのでさらさらと読めます。好き嫌い別れる作品だと思いますが、雰囲気重視な方、抽象的なテーマについて考えることが好きな方、思考がアーティスティック型な方に特におすすめ。私は好きです。(20代女性)
5位タイ.中村文則「銃」(2票)
中村文則「銃」がおすすめの理由
インパクトがあるようで、淡々と進んでいく文章が印象的でした。「銃」の主人公の生き方が、このあまり考えていないような、でも屈折したものはなんだろうと興味深かったです。誰の心にもある感情とはまた違う何かが言葉にされています。(30代女性)
銃に魅了された人間心理が面白い。銃には機能美や他者への優越感があり持っているだけで強くなったと錯覚してしまう魔力がある。やがてそれは凶行に傾いてく..。葛藤とスリルを求めるもう一人の自分とのせめぎあい。(20代男性)
5位タイ.中村文則「迷宮」(2票)
中村文則「迷宮」がおすすめの理由
迷宮入りの殺人事件。その謎に、猟奇的に被害者に遺児に、魅せられて人生を狂わせる人々。心に「陰」と「暗」を抱えた人々。思わず引き込まれ、さらなる中村文則ワールドを味わいたくなるこの小説自体もひとつの迷宮だと思わずにはいられない。(30代女性)
主人公が知り合った女性は、ある事件の被害者の遺児だったという衝撃的な物語。設定からして陰鬱な印象を持つが、淡々とした日常描写のせいか、恐怖はあまり感じない。主人公の精神の病み具合と未解決事件が迷宮そのものだ。(20代男性)
4位.中村文則「土の中の子供」(3票)
中村文則「土の中の子供」がおすすめの理由
主人公が恐怖というものを求めてしまうという感覚。それは理解しがたいが、虚無感浸ることはあるし、日々を生きていくのにそういった負の要素を抱えてしまうのも理解できる。白湯子にとって主人公は救いで、主人公にとって白湯子はまた救いなのだ。側から見ればダメな二人だけど、そんな二人だから理解できることがあるんだと思う。(30代女性)
「小さい時に受けたつらい経験が、現在の自分を苦しめる」というヘヴィーで、かつどの人間にも普遍的に存在するテーマを、非常に無駄のない文体で淡々と描き出していく様子に、心の深いところを突かれるようなある種の感動があるから。(30代男性)
主人公の病み具合に共感できます。リアルで泥臭い描写が印象的でどんどんどんどん小説の世界に引き込まれていきます。 自分自身の心に闇があると認識している人は、特に感情移入がしやすい作品だと思います。 読んでいる最中は、主人公の錯乱、情緒不安定感に合わせて自分の気分も落ち込みます。(20代女性)
2位タイ.中村文則「何もかも憂鬱な夜に」(5票)
中村文則「何もかも憂鬱な夜に」がおすすめの理由
もう少し早く、中高生のうちに読んでおきたかったなー、と思う小説。刑務官の主人公『僕』の語りは淡々としている。けれど、死刑確定を控えた青年に話す、命についての言葉には、ものすごい熱量がある。罪とは、命とは、生きるとは、という、これ以上なく重いテーマをまっすぐに描きながら、わずかな希望も感じさせてくれた。タイトル通り、『何もかも憂鬱な夜に』おともにしたい一冊。読書感想文の本にもいいかもしれない。(20代女性)
読み出しは夢とも現ともとれない世界観で、主人公を理解する道のりは霧の中のようだった。転機は累犯の末一般病院に入院する佐久間に彼の本質を当てるような心理分析をされたこと。これが彼を狂気の頂点へと追い込む。巧みな描写で、まるで霧が晴れていくような終盤だった。(30代女性)
中村文則さんの本は、この世界の常識や正義などでは割り切ることのできない命、死、殺人などについて、考えさせられるものが多いです。この本もその一つです。殺人を犯した人間が拘置されている刑務所で、犯罪者と刑務官、そしてそれらの人生、背景を通して、人間の存在、命の意味、生きる苦しさなどについて考えさせられるストーリーです。 多少雰囲気が暗く、世界観に浸透するには時間がかかるかもしれませんが、他にない独特の作家さんだと感じます。比較的読みやすいと思うので、中村文則さんが初めての方にもおすすめです。(20代女性)
刑務官をしている主人公が死刑執行と向き合う様子を通して、「生きるとは何だろうか」という問いに対して深く考えられる一冊です。死をリアルに考えたことがない自分は、刑務官の目を通した世界観に圧倒されました。死があるから生がリアルになる。そう感じた作品です。(20代女性)
施設育ちの刑務官の主人公が、死刑執行間近の殺人犯と対峙するというストーリーです。 この設定が、一般人の生活とかけ離れてるにもかかわらず、主人公のダークな混沌とした心情や行動に、なぜか自己投影してしまい共感さえしてしまえる不思議な感覚に陥ります。 憂鬱、モヤモヤ、やるせなさが積もったときに読むと、特に、とても浸透する作品だと思います。(20代女性)
2位タイ.中村文則「掏摸」(5票)
中村文則「掏摸」がおすすめの理由
スリの話。闇の世界と言いますか、自分の人生では体験できないであろう人生を見せてもらいました。駆け引きとか、他人の人生を設計し、すべて自分のシナリオ通りに生きる少年の話は不愉快で不憫でした。初めて著者作を読む人にオススメ。(30代女性)
反社会的な人間達が描かれていますが、その社会でしか生きられない人間達の切実な思い、寄り添って生きようとする儚さ、たくましく生きる強さなども描かれていて生きる気力のようなものを作品から強く感じるからです。(20代女性)
掏摸をする男性、子供の話です。日本に住んでいると、普段自分が掏摸に合うと思っておらず、掏摸のことを考えたことはありませんでしたが、どのような手口で掏摸を行うのか、取ったあとの財布をどのように処理するのか、など自分が知らない世界を垣間見れました。(20代女性)
小説の題名通り、スリの話です。小説自体はそれほど長くない上、読みやすい文体です。主人公がどことなく冷めて淡々としていて、”スリ”という職業があるかのようです。作者自身のあとがきによると、この小説には兄妹編『王国』があるそうで、その後の主人公の生き方が気になるところです。(40代女性)
凄く薄い本なのですが、ハイスピードにテンポよく読んでしまうので、本当にあっという間です。軽いし、かさばらないので通勤時の読書などに凄くおススメです。一度読み出すと、のめり込ませるような雰囲気があって、主人公の運命は最後まで分からないし、最後の最後まで気は抜けず、最後まで裏切られます。(20代女性)
1位.中村文則「教団X」(9票)
中村文則「教団X」がおすすめの理由
二つの宗教団体から始まる、神、宇宙、戦争、国家、経済、人間を基から書いた本です。自分という個とそれを取り巻く世界とを感じて考えることが大切であると訴えられる本です。今この時代だからこそ、読んで考えてみてほしいです。(30代女性)
アメトークかなんかでオードリーの若林さんが紹介していたが、あえておすすめしたい。宗教と科学、この相反するとも言える視点から無限ともいえる宇宙やミクロの宇宙を病的なまでの世界観で表現している。善は悪で、悪は善。人間の隙間に入り込む何かがそのどちらなのか、それとも両方なのか両方ともでもないのか。その答えがこの本にあると思える。(30代男性)
ほの暗い雰囲気のある本を書くのが本当にうまい人だと思う。 生きること人とは何なのか、少し哲学的なところもあって人生について考えさせられるとこともあった。 人ひとりではたいしたことはなくてどうしようもない生き物なんだと思う。 人間は皆どうしようもないことを抱えて生きていくしかないんだと思う。(20代女性)
性的表現もあり、いまいち分からない宗教団体(カルト教団)も興味深いため、興味本位でぐんぐん読むことができました。特に、宗教についてわかりやすい説明があったので知識を深めることもできました。厚みがあるので読み終わった後は達成感もあります。(30代女性)
題名から、ある教団の話とは推測が出来る。しかし、登場人物がそれぞれの動きから教団に関わっている所、その伏線からのどうなって行くのか最後まで引き込まれました。そして、現実教団という存在を自分自身が考えさせられました。(40代女性)
この小説に限らず中村文則氏の書く文章は非常に特殊で、厳格ですがウィットに富んでいるため、じっくり味わいたくなるような文章ばかりです。教団Xで特筆すべきはやはり教祖の言葉の数々でしょう。「運命論」にもこのような解釈の仕方があるのかと脱帽しました。二転三転する物語はとては純文学作家では珍しいのではないでしょうか。純文学やミステリー、エンターテイメント、規制のジャンルでは言いあらわせない作品です。(20代男性)
手塚治虫と似た哲学だなと感じ、「お話」のページはどんどん読み進めることができた。自分の中の元素が動き出すような錯覚を覚え、壁でも通り抜けてやろうかと挑戦したくなる。しかし気持ち悪い描写場面は多いので、そこを乗り切れれば非常に読みごたえもあるし面白いと思った。(30代女性)
カルト集団の世界の話で、登場人物それぞれがどのようにして宗教にのめりこんでいったのか、衝撃的かつ刺激的な内容で描かれています。ノンフィクションだとわかっていても、もしこんなことが実際に行われていたとしたら、と思うと、読んでいて気持ち悪くもなりました。男性作者でないと、ここまで踏み込んで描くことはできないテーマかもしれないと思いました。終盤は展開が二転三転し、エンターテイメントとして一気に読み進められます。少々難しい題材ではありますが、謎に包まれた世界を描いているので、興味深く読み進められると思います。(30代女性)
某テレビ番組で紹介されていたのを見て興味を持ち、初めて中村文則先生の本を読みました。最初は性描写が多くて少しびっくりしましたが、宗教、カルト、テロなど、自分とはかけ離れている内容が書かれていました。どんな人がどの様に宗教、カルト、テロに惹かれ行動していくのか、また一度踏み入れてしまうと抜けることの難しさなども書かれており、子供のころに起こった宗教団体の事件を思い出し、考えさえられることが多く感じました。(30代女性)
1票入った中村文則のおすすめ作品も紹介
中村文則「A」
中村文則「A」がおすすめの理由
ふいてしまうような笑えるものもあれば、これぞ中村文則節と言えるような陰鬱なものまでが詰まった短編集です。不条理というか意味不明というか、読んでいてカフカ的な試みに満ちた小説だなと感じました。自分なりの解釈にたどり着くのが難解。(30代女性)
中村文則「R帝国」
中村文則「R帝国」がおすすめの理由
架空でありながら、現実の近未来を描いた小説。作者の今書かなければいけないと思いが伝わってくる。党に牛耳られる国民も怖いが、HPという機器に操られてしまう国民も怖い。電車の中でふと顔を上げたときにスマホにのめり込んでいる乗客ばかりが目に入りゾッとした。(30代女性)
中村文則「あなたが消えた夜に」
中村文則「あなたが消えた夜に」がおすすめの理由
主人公は警察官で、コートの男という連続通り魔事件を追う刑事。事件を追ううちに、複数の事件が組み合わさり偶然が重なり合い事件になったことがわかり始める。主人公に影があり、なんとなく惹かれる。登場人物の一人一人は隣にいる変人であってもおかしくないリアリティを持っています。(30代女性)
中村文則「悪と仮面のルール」
中村文則「悪と仮面のルール」がおすすめの理由
思春期に感じた純粋なもの。大人になったばかりの虚無感。無意識から支配されることの恐怖。様々な心理描写に引き込まれ、感情移入しまくり。頭がクタクタになりそうだが、読みたくてしょうがなくなるオススメの一冊です。(30代女性)
中村文則「悪意の手記」
中村文則「悪意の手記」がおすすめの理由
人の命を奪った人間としてどう生きていくのかの葛藤。自らを葬るか憎しみを狂気にされ殺されるか。人殺しとしての重みを背負いながら流されていく日々を綴った興味深い一冊。これは悪意でも何でもない誰にでもある感情かと思ってしまう自分がいました。(30代女性)
中村文則「最後の命」
中村文則「最後の命」がおすすめの理由
とてももやもやする。善悪で区切れるならばとても楽なのに、でもそれでいいのかと思ってしまう。しかしそれを少しでも肯定しようとすると自分が荷担しているような気がして、そんなことはないと頭の中で延々と繰り返す。中毒性のある一冊。(30代女性)
中村文則「私の消滅」
中村文則「私の消滅」がおすすめの理由
読み進めていく先にある物語や展開がとても良かった。どんどん物語に引き込まれ、突き放され、また掴まれる。自分と付き合っていくのが大変な人に読んでほしい作品だろうと思います。人生にほんのひとすじでも光が当たることを願うばかりです。(30代女性)
中村文則「遮光」
中村文則「遮光」がおすすめの理由
彼女が交通事故で死んだことを周りに隠し、留学中だと周りに言い続ける主人公。ペラペラ嘘で周りを固める心の無さ不自然さが不気味。狂っているのに、愛する人を失ってしまったらそうなってしまうのだろうと納得というか、感情移入した。(30代女性)
中村文則「世界の果て」
中村文則「世界の果て」がおすすめの理由
中村文則さんの中では一番幻想的。海外での評価が高い短編集です。厚い雲がたれこめた陰鬱な世界。世界に、自分にどこか問題があり歪んでいるのか。非常識と犯罪と悪とか存在する。その存在を肯定するかのように、ときおり見せる滑稽さが救い。(30代女性)
中村文則「惑いの森」
中村文則「惑いの森」がおすすめの理由
ショートストーリー50編。グッとくるもの、こないもの、教団Xに繋がりそうな宗教団体が出てきたり、人であるのないものが主人公になっていたり。色んな視点で楽しめます。あとがきも含めて気軽に楽しめる一冊だと思います。(30代女性)
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