松本清張おすすめ作品ランキング
5位タイ.松本清張「けものみち」(3票)
松本清張「けものみち」がおすすめの理由
主人公民子が不幸で貧乏な生活から抜け出すチャンスを得て夫を殺しす心情や怖さがよく伝わり、フィクサーの愛人として政治的に巻き込まれていく様もハラハラしました。結局けものみちを上手く通って来たつもりでも通りきれなかった甘さなど世の中の裏表の怖さが伝わる大作でした。(40代女性)
とにかく人間の悪をとことん書いているところが面白いです。欲望を満たすためなら人殺しだって厭わない、お金のためなら何だってする、そんな人の心のどこかに少しは潜んでいそうな悪を書いた作品です。読んでいて、なぜかかえって清々しくなります。(40代女性)
松本清張さんの作品はいくつもテレビドラマ化されています。つまりテレビドラマ化するほど本の内容がドラマチックで面白いという事です。このけものみちという本もテレビドラマになったものの原作の本です。松本清張さんの作品は悪女が沢山出てきます。この作品にも悪女が出てくるのですが、女である私も何故か憧れてしまうほどのびっくりするような悪女が出てきたりします。米倉涼子さんの主演のテレビドラマのけものみちを観たことがあって原作も読んでみたいな、という方は読んでみてはいかがでしょうか。(30代女性)
5位タイ.松本清張「鬼畜」(3票)
松本清張「鬼畜」がおすすめの理由
1970年代に製作された映画を、テレビの再放送でみたのが、この短編小説を読むきっかけでした。岩下志摩の演じるお梅がとても怖いだけでなく、実の子達をおいてでていった実母やら、お梅の主人やらの何とも腹立たしい無責任さが、短編小説ではさらりと書いてあり、少しものたりなかったものの、あとになってその深さに気づいたのをおぼえています。実話をもとにした小説ということもあるのか、なまなましいのです、登場人物が。(50代女性)
映画を見てから小説を読みましたが、人間の自己中心的な汚い心の部分が存分に出ていて、松本清張節を感じる1冊だと思います。 下手なホラー小説よりも怖いです。子供たちに手をかけていきますが、子供たちが自分が殺されると分かった上での純粋な反応もまたリアルで、どんな霊よりも人間が一番怖いと思い知らされる一冊です。(20代女性)
妻の機嫌をとるために、前妻との間にできた子供たち3人を次々と手にかける男が主人公です。まさに鬼畜なのですが、現代社会において子殺しは頻発しており、ありそうな話だなという感じで読めます。何度もドラマ化されているので、ドラマを見てから読むのもいいでしょう。(40代女性)
5位タイ.松本清張「疑惑」(3票)
松本清張「疑惑」がおすすめの理由
年の差夫婦の夫が死に、妻が生き残る。そして夫には多額の保険金が掛けられている。 どう考えても保険金殺人だと思える疑惑の女性が、実は無罪であったという事を証明する裁判の判決までを描いた作品。 妻の怪しい行動ばかり出てくるが、実は無罪であるという証明がされるラストまでが、読んでいて楽しい1冊です。(30代女性)
球磨子と福太郎の乗った乗用車が海に転落し、球磨子だけが乗用車から脱出して一命をとりとめる。球磨子には夫である福太郎の保険金目当ての事故を装ったのではないかと疑惑がかけられー。そもそもは、浅野ゆう子さん主演の同名舞台が京都の南座で上演されていて、3年くらい前に知人にチケットをもらって見に行ったのが、この作品を知るきっかけでした。舞台と原作では違うところも多々ありますが、原作のラストはハラハラしました。松本清張作品は何度となく実写化されてますね、この作品もなかなか面白いですよ。(30代女性)
この人ならいかにもやりそうだ、こんな人間ならこんな酷いこともやりかねないだろう、そんな決めつけを逆手にとった作品です。ラストはぎゃふんとさせられます。誰しも持っている心の底にある固定観念を巧みに描いて、最後に読者を驚かせます。(40代女性)
4位.松本清張「ゼロの焦点」(7票)
松本清張「ゼロの焦点」がおすすめの理由
お見合い結婚をした新婚夫婦が物語の中心です。新婚旅行後に夫が謎の失踪を遂げ、妻はまだあまりよく知らない夫に繋がる糸を手繰り寄せるように一人捜索を始めます。そこから見えてくる様々な秘密、人間、謎が解き明かされた時のなんとも言えない気持ちを体感してください。(30代女性)
単なる犯人捜しではなく、時代背景も絡めた登場人物の生き方にスポットを当て、考えさせられるので面白いです。松本清張といえば、有名作家でよく映画化・ドラマ化されていますが、原作を読んで比べてみるというのも面白いと思います。(40代女性)
数え切れないほど映像化された名作中の名作ですが、一番好きです。 能登の断崖の寒くて寂しい風景が目に浮かびます。 街娼に身を落とした過去を持つ名流夫人の、殺人の動機が切なく、悲しい。 全てが露見して荒れた海へ小舟で漕ぎ出した犯人の描写に、胸が苦しくなります。 心理描写をあえて控えめにしているのも、読者の想像力を掻き立て、 多くのクリエイター達に映像化したい、と切望される所以ではないでしょうか。(30代女性)
清張作品で時々発表されてきた、戦後混乱期を物語の中心とするミステリー作品で、時代を感じさせてくれます。舞台が北陸でかつ戦後ということもあり、時代背景がわかってないとイメージが湧きづらいかもしれませんが、描写が丁寧なのでストーリーに入り込みやすいです。(30代男性)
戦後間もない暗さを持った雰囲気と登場する女性の闇が、何とも独特な戦後の闇となって漂っています。事件から事件へと主人公が動く先で起こる出来事で、読者が世界に引き込まれるあたりはミステリーの王道なんですが、この作品がその原型といえるような気がします。(50代男性)
戦後間もない日本で起きた事件として、本当に物語が嘘っぽくなく最後には泣けてしまった作品です。普通の推理小説とは違い、小説に出てくる全ての人物が重要な鍵を握っている事とどうしてこんな事になってしまったんだろうと涙する作品だからです。(40代女性)
お見合い結婚をして、わずか一週間で夫が失踪してしまうという衝撃的な始まりですが、読めば読むほど夫のいろいろな秘密に直面させられる主人公に読者もつきあう格好になります。感情移入がしやすく、一気に読んでしまいます。(40代女性)
2位タイ.松本清張「砂の器」(17票)
松本清張「砂の器」がおすすめの理由
1960年代に執筆された作品です。映画化もドラマ化もされていますが、活字だからこそ深く考えさせられる内容になっています。殺人者である犯人は憎むべき存在ですが、そこに隠された殺害理由に胸が締め付けられます。(30代女性)
膨大な数の秀逸な推理小説を発表し続けた著者の魅力は、推理小説としての面白さと同時に、社会と人間のありよう、人間の生きる姿や心の動きの生々しい描写にあると思います。「砂の器」もハンセン氏病に対する非科学的な不理解と前近代的な差別を背景に、その中で悲しく歪んで行く主人公の姿、子を思う親の姿が胸に迫ります。推理小説としての面白みを存分に堪能しつつ、時代や人間の生き方について考えることを迫る一冊です。(50代女性)
今風のような刑事が出てくるのではなく、どちらかというと昭和の刑事で刑事の鬼とも言われる、「平塚八兵衛」のような刑事がでてくる昭和らしい推理小説です。 蒲田駅の周辺で見つかる変死体、被害者は東北訛りの「カマタ」というネームがたった1つの手がかり、そのネームを元に、ベテラン刑事今西は事件を追ってくごとに貴重な真実が判明しはじめていくという、謎多き推理で普通の殺人事件とは少し違ったストーリーです。(30代女性)
とにかく面白い!けっこう前の作品だけれども、ちっとも古びていません。殺人事件をモチーフに人間というものを描き切った傑作。コンプレックスや自意識が、いかに人を追い詰めるかが、とてもよく描写されています。(30代女性)
推理小説だが、物語の流れが自然で違和感がなかった。 登場人物の心情や性格が一人ひとり描写されていたり、感情移入もできる。 刑事目線で書かれているが、ドラマなどで犯人を知っている人でもまた違った目線と雰囲気の作品になっているので面白く読めると思う。(30代女性)
王道ですが砂の器はやっぱり面白く読めます。殺人事件の捜査の中で明らかになってくる犯人の生い立ちや人生についつい感情移入してしまいます。松本清張作品には過去の秘密を取り扱ったものも多くありますが、一番物悲しく、せつない作品だと思っています。(40代女性)
迷宮入りかと思われた殺人事件の背景には、戦前から戦後への激しい社会の変動の中で必死に生き抜いてきた少年が存在していた。松本清張はこの小説の中で、持たざる者が空虚な人生を作り上げるチャンスを得て成功し、それを守もろうとして過去をすべて捨て去ろうとした人物を描いています。殺人者の不幸な過去はその犯罪の冷酷性とは裏腹に、弱い立場の人間の生に対する恐ろしいほどの執念があり、殺人者として断罪できるのかという問いを読者に投げかけてくるところが面白いところだと思います。辛い境遇を克服しようとして、新たな闇を背負み、平然と生きようとする人を描き、人間のもつ業の深さにより物語に深い味わいを持たせる以外にも、いくつもの謎を仕掛ける松本清張の独特な小説手法の代表作だと言ってよいと思います。(40代男性)
ある朝男の死体が発見された。警察の聞き込みにより男が東北の出身とわかる。殺された夜男は誰かと会っていた。刑事の今西と吉村は音楽家の和賀英良にたどり着いた。調べて行くうち和賀の本当が本浦秀夫とわかる。秀夫は自分の戸籍が火事で焼失したのに乗じて赤の他人の和賀に成りかわる。がその事がバレた為東北の男を殺した。だが警察の捜査で逮捕の手が迫る。(40代女性)
まず、映画版から入りすごく面白かったので小説を読みました。ドキドキハラハラ飽きさせない展開で、すぐに読み終わりました。ドラマ版もあるようなので、見てみたいです。面白くて人に進める時この作品を紹介してます。(30代女性)
多くの方が清張作品の中で最高傑作として選ばれ、ミステリー小説の中でもトップレベルの面白さがある小説です。物語の鍵となるのは方言という、ある種限定的なものなので馴染みにくいと思わせながら、それをうまく利用させた物語展開は他より秀でていると思います。「砂の器」のイメージをどう捉えるか、それも楽しみの一つです。(30代男性)
駅で見つかった、男性の遺体。 都会によくある殺人事件かと思われたが、捜査はなかなか進まず。 やがて、被害者が若い男と話していたという情報が。 「カメダ」という言葉の謎とは?刑事二人が真実を追う。 映画化、ドラマ化もされた有名な作品。 犯人がなぜ罪を犯したのか、そうせざるをえなかったのか。 その理由が本当に辛いです。 単なるミステリーの範囲にとどまらない、傑作。(40代女性)
私がこの本を押すすめするのは、ドラマで知りそれから原作を知ったからです。まずは、方言から犯人をがして行くという独特の切り口の推理とハンセン病などのリアルな社会的な事柄を内容に取り入れて読む人を本のとりこにする松本清張はすごいと思います。(30代男性)
重厚なミステリーとしての読み応えは圧倒的ですが、それに加えて忘れてはならないのは、ハンセン病に対して日本社会がどう対峙してきたかについて書かれている点だと思います。近年ドラマ化されましたが、物語の核心であるこのテーマについては描かれませんでした。ぜひ原作にも触れてほしいと思います。(30代女性)
主人公の父がハンセン病で部落から差別を受け幸薄い幼少期を過ごした部分はデリケートな社会問題でなかなか表現出来ないのに本当の姿はこんな感じだったのではないかと思いました。主人公ひでおは過去を捨て他人になりすまし成功をおさめるがひた隠してきた辛い過去が彼を犯罪者にしてしまった、とても切なく考えさせられた作品でした。(40代女性)
これまでの自分の人生を振り返り、自己総括するための要素が含まれていると思うからです。私の解釈ですが著者は”過去は変えられない”ということを伝えたかったのではないかと思います。過去の経験や体験の積み重ねで現在の存在があり、過去を否定することは今を否定することになると感じました。(30代男性)
「砂の器」というと、野村芳太郎の映画が有名でその印象が強く残っている人が多いでしょう。映画版では、加藤剛が演じるピアニスト・作曲家のコンサート会場での演奏がクライマックスの一つとなっています。この音楽、クラシックです。しかし、原作でのその役は、前衛作曲家で電子音響楽器の研究家という設定になっています。電子音響楽器というのは、今でいうシンセサイザー。小説は1961年の発行ですから、あのビートルズがデビューする一年前。そんな時代に電子音響楽器を取り上げていたことに驚かされます。それがものがりの中でどう使われているかは、ネタバレになるので。そのほかにもハンセン氏病を扱うなど、社会性にも富んでいます。松本清張ならではの重厚なストーリーを堪能できる一冊です。(50代男性)
松本清張といえば、というくらい代表作で私が松本清張にハマったきっかけになった本だからです。老練な刑事と若手の刑事が活躍するというパターンもこの作品から定番になったかもしれません。少ない「カメダ」という言葉だけの少ない手がかりから二人が次第に犯人に近づいていくところが面白いです。(40代女性)
2位タイ.松本清張「点と線」(17票)
松本清張「点と線」がおすすめの理由
高校生の時に、担任の先生に勧められ読んでみました。有名な作品と、”時刻表トリック”ではありますが、そのトリックの背景に垣間見える感情が生々しく、文学としてとても重みのある作品でした。作品当時を思い描きながら、読んでみると味わい深い作品です。(20代女性)
言わずと知れた名作。中編くらいの長さですし、ミステリー好きなら読んで損はありません。作品そのものが楽しめるのはもちろん、今日まで多くの作家に影響を与え、様々な推理小説でオマージュや言及がなされている作品です。一度読んでおけば世界が広がります。(20代女性)
1度今から20年以上まえに読んだのですが、今再び読み返してみても「点と線」というタイトルの意味が分かった瞬間の驚きが新鮮で、決して諦めず、丹念に捜査を続ける刑事たちの執念に、心を鷲づかみにされました。(50代男性)
この松本清張氏の「点と線」は一見単なる心中事件と思われた男女の死が実はトリックによるものであり、その犯人の鉄壁のアリバイ崩しがメインとなっている作品です。この作品の最大の見どころは福岡署の刑事鳥飼重太郎と警視庁捜査二課の警部補三原紀一の推理です。特に被害者の男性がおひとり様のレシートを持っていた事から情死ではないのではないか?という疑問を持った鳥飼刑事がいなければこの事件は単なる情死として片付けられていたかもしれないのです。用心深い犯人はこの死亡した2人の情死を納得できるものにするためにわずか4分間の時間を利用して知人に2人の姿を目撃させているのですが実際に何の関係もなかった2人だったためにおひとり様のレシートまではどうすることもできなかったというところでしょう。この後物語は犯人の鉄壁のアリバイ崩しになっていき、読者はそれを楽しむことができます。とにかく非常に用心深い犯人との知恵比べが最大限楽しめる作品です。(40代男性)
日本のミステリー文学の古典と言ってもいいのではないでしょうか。 所謂「時刻表トリック」もので、今となっては目新しさは感じませんが、それでもラストシーンは白眉です。 未読の方は是非、読んで「点」と「線」をつなげてみてください。(30代男性)
あまりにもい有名すぎる一冊であるが、読んだことがない人も多いのではないだろうか。話の結末を知らない人ならば、じっくりとトリックに向き合えるミステリである。トリックも気になるが、登場人物は少ないながら、その人物たちの動きや心理を想像するのが難しい。だからこそ、面白く読める一冊だと思う。(20代女性)
読み始めてから読み終わるまでの緊張感がたまらない。人の心の動きやトリックが巧妙で面白い。主人公が東京から福岡へと移動するたびにこちらも一緒に旅をしているような気分になる。昭和30年代から40年代当時の世相がよく伝わってきて勉強になる。(30代女性)
想定されなかったアリバイが最後には解き明かされる推理小説ですが、当時の東京駅の巧みなダイヤトリックをうまく利用した犯行。緊迫しながらもアリバイが崩れていく推理小説の楽しさを堪能できる秀作であると思います。(50代男性)
時刻表を使ったトリックが面白く、容疑者のアリバイは完璧でありさらに捜査を進めるとそのアリバイがますます完璧になるという、そんな状況で捜査を続け完璧なアリバイを一つ一つ崩していく推理の過程は時間を忘れて読みふけってしまうほど、とても面白かったです。 当時24時間到発のあった東京駅にて、たった4分間だけ13番ホームから15番ホームを見渡せたという内容と繰り広げられる巧妙なトリックは、今でも強く自分の記憶に残っています。(30代男性)
途中、一気に謎が解けるシーンがあり、そこからは入り込むように一気に読んでしまいました。サスペンスやドンデン返しが好きなので、わたしにはぴったりな作品でした。松本清張と同じ出身地ですし、興味深い作者です。(30代女性)
いまでこそ当たり前になったノベルスも、昔は光文社のカッパノベルスが代名詞でした。 ですからまだ新書版の小説レーベルをカッパと呼ぶ人もわずかですがいます。 そのカッパノベルスのベストセラーが松本清張『点と線』。もともと雑誌「旅」に連載されていたものです。 1957年から58年にかけての連載です。 トラベルミステリのはしりがこの作品です。 東京駅の13番線プラットフォームから15番線プラットフォームが見通せるというわずかな時間をてがかりに、アリバイ崩しに挑む警察。東京と九州という遠くはなれた二ヶ所を結ぶ点と線。 今読んでもよくできた推理小説だと感心します。 日本でトラベルミステリが成立したのは鉄道ダイヤの正確さによるものですが、ただそれだけでは読み物としてつまらない。 日本の地方色や方言、風土、気候などがあって、トラベルミステリは面白い。 『点と線』は古い小説ですから、風俗的な部分は古びているものの、ミステリとしての面白さは現在もまだしっかり通用します。(50代男性)
ミステリー作品を多く出している松本清張作品の中でも、特に時間トリックに驚きがあった小説の一つだからです。時刻表と地図がトリックを解く鍵となるのはありきたりですが、その仕掛けが他の作品に比べても秀逸で、読み返したくなるほど見事な仕掛けだからです。描写もリアルなので、お勧めします。(30代男性)
高3の時に読みましたが非常に新鮮なインパクトを受けたことを今でもよく覚えています。題名のつけ方も内容にピッタリでこれも、うまいな~と感じ入りました。物語が展開される昭和年代の風景や雰囲気がかなり精確に再現されており自分が過ごしてきた青春時代に違和感なくオーバーラップさせることが出来て3日で詠み終えました。(40代女性)
表題からは何のことだから分からぬまま話が始まりながら、読み進めて物語が煮詰まると、いっきに本題へ向かって文字通りに繋がっていく様が読み手の度肝を射抜く名作だと思います。小説の良し悪しが読後感で決まるのだとすれば、この作品は間違いなく名作だと思います。(40代男性)
鉄道トリックの先駆け的なこの作品は、電車に乗っての旅が好きな人なら誰でも好きになると思います。鉄道や時刻表、路線図というとても日常的な材料で本格的な推理小説が書かれているのは斬新です。状況が頭に浮かびやすいのも特徴です。(40代女性)
社会派推理小説の頂点に立つ松本清張の長編小説です。私が最初に読んだのは中学生の時、推理小説に熱中し乱歩やドイルの探偵小説を乱読していた時、名探偵と呼ばれる主人公は出てこないが、一つ一つを読み解くストーリーに魅入ってしまいました。心中に見せかけた男女の死の裏に官僚汚職の実態が隠されていた内容は、現在読んでも全く時代にマッチした作品に作者の深い読みを感じます。(60代男性)
ベテラン刑事の直感的な感が、事件の真相を少しずつ解明していく推理小説ですが、松本清張独特の物悲しい世界観がとても上手に表現された代表作に感じます。ベテラン刑事の心の動きがとても興味深い作品です。 原作は200ページ以上ありますが、あっという間に読み切ってしまうほど面白い作品です。(50代男性)
1位.松本清張「黒革の手帖」(19票)
松本清張「黒革の手帖」がおすすめの理由
ドラマ化も何度かされたが、やはり原作で読むドキドキ感はとても良かったです。お金の魅力と魔力を感じます。主人公の元子が変貌していく中でもどこか健気で一生懸命なところは憎めないなぁと感じます。女性は自分の力を武器に戦っているのに男性は権力とお金にものを言わせてくる感じがして女性陣の味方をしたくなります。色んな濃いドラマに手に汗握る一冊なのでおススメです。(40代女性)
何度もドラマ化されている傑作です。地味なOL・原口元子が、銀行から横領した大金を元手に銀座のクラブママとなります。決して良い終わりかたではありませんが、最後の最後まで『元子』という強かな女に引き込まれてしまいます。(30代女性)
主人公の元子が銀行員としての立場を利用し横領や恐喝などの行為を行っている点には共感出来ないが、強い意志を持って目標に向かって突き進む姿には、同じ女性として惹きつけられる魅力があった。夜の銀座という一般人にはなかなか馴染の無い世界の話であるが、ただ煌びやかなだけではない、多くの人々の深く黒い人間関係や思惑が渦巻く様子に、恐ろしく感じつつも引き込まれた。(30代女性)
松本清張の代表作品の一つで、映像化も多々されている本ですが、やはり文章で読みたくなるストーリーです。夜の街を中心に、人間の欲望やお金をめぐる人間関係の生々しさが如実に読み取れる、ある種グロテスクな小説でお勧めしたいです。(30代男性)
何度もドラマ化されている原作本で、ドラマのように男性たちを手玉にとって、金を手に入れる元女性銀行員の話です。 銀座で日本一の女になるためとはいえお金を取る方法は違法な気がしますが、女性が日本一になるために、のし上がっていく姿は応援したくなります。(30代女性)
何度かテレビドラマでも放映されている「黒革の手帖」です。しがないOLだった主人公がある手帖を手にしたときに、一気に銀座の華やかな世界でホステス、そしてクラブのママになります。しかし因果応報というか、正当な方法でのし上がったわけではないのでいろんな人に恨みを買い、信じていた最愛の人には裏切られ・・・。栄枯盛衰をそのまま表した本なので、結末は内緒ですが展開にとてもはらはらどきどきできるからおすすめです(20代女性)
何度もドラマ化された名作ですが、やはり原作が一番面白いです。特に面白いのは、登場人物が全員悪人なことです。ドラマ版では安島富夫がいい人な事が多いですが、原作では元子への愛はなく、野心だけ。元子は、魑魅魍魎の世界で女一人で生きていくのに、体を使わず知略だけでのしあがっていくところが格好いいです。(30代女性)
10年以上前にドラマ化されたからです。米倉涼子が主人公を演じてました。米倉涼子が出てるドラマはほとんど大ヒットです。ハマりました。少々米倉涼子は怖かったです。でも視聴しゃさんを魅力させるような作品です。(20代女性)
私がこの作品を選んだ理由は単純に夜の世界で生きる女性への憧れがあるからです。何度もドラマなどでリメイクされている本作品ですが、やはり原作には劣ります。とても有名な作品ですので、是非原作を読んで頂きたいです。(20代男性)
初めは銀行に勤めていた主人公がだんだんと悪の方向へと進んでいくさまが丁寧に書かれていて、引き込まれます。しかも、一つ一つのできごとは現実離れした感じがなくて、身の回りでも起こりそうなことです。こういったふうに悪女は作られるんだなと興味深いです。ラストのどんでん返しにもゾクゾクしました。(30代女性)
何回もドラマ化されていますし、話の展開が面白く、松本清張さんの本は難しい。と思っていた私も、ドラマを見てから原作本を読むと、俳優さんや女優さんがどの役をやっているのか想像しながら、読めますので、楽しく読み進めることが出来ると思います。(40代女性)
銀座のホステスさんたちの女同士の凄絶な闘い。誰が上まで登り詰めるのか息もつかずにページをめくる。兎に角松本ワールドに入り込んでしまいます。女の武器を駆使して戦う姿はある意味神のようにも思える。スリルとサスペンスワクワクする一冊です。(60代女性)
何度もドラマ化されるほど人気の名作ですが、ドラマでは描き切れていない人物描写や心理描写が本では読むことができるのでオススメです。 随分昔に書かれたとは思えないほど、今見てもかなり引き込まれる面白さのある作品です。(30代女性)
米倉涼子のときの黒革の手帳のドラマを見て、そのあと小説を図書館で読みました。主人公本人もお金を横領してお店のオーナーになるわけですが、お水の方や政治家の欲望がうずまき悪事がばれるスリル感は、自分の日常生活では味わえない世界だなと思いました。(30代女性)
巧妙な手管、そしてラストのどんでん返しにひたすらはらはらさせられます。人はこれほど黒いものかと、少し暗い気持ちになりますが、それ以上に早く先を読みたいという気持ちでたまらなくなります。文章構成にも、発想力にも脱帽です。(20代女性)
2度もドラマ化されるほどの松本清張の代表作です。ドラマとはまた少し違ったストーリーですが、ドラマを見た人もドラマ以上に楽しめる一冊。毎度毎度起こる事件の情景は全て本当にあったことの様に目に浮かびます。(30代女性)
非日常的でスリリングな展開がドキドキして面白いです。主人公のお金への執着と野望によって成り上がっていく様が見ていて面白いです。ドラマも見ましたが非常に面白くてワクワクしながら見ていました。銀座の裏社会をえがいてるところも面白いです。(20代女性)
今まで何回と映像化されていますが、それだけの価値があると思います。 主人公が一般の会社員から銀行の不祥事を逆手に、男性たちを利用し、成り上がっていく姿は圧巻です。 私には到底不可能ですが、知識や経験は無駄にならないんだということを実感できます。(30代女性)
女性がひとりで生きていく上での世知辛さやしたたかさが表現されている。実際にはあってはならない話ですが、山崎豊子の登場人物の描写の細かさと話の展開が面白く、自分には出来ないことをやってのける主人公への思いが読むほどに深くなる感覚がありました。あまり本を読むのが好きでなくても楽しく読めました。(50代女性)
1票入った松本清張おすすめの作品も紹介
松本清張「絢爛たる流離」
松本清張「絢爛たる流離」がおすすめの理由
絢爛なダイヤモンドを巡り、世代を継いで所有者や関係者に降りかかる奇妙な運命のオムニバス。清張の作品に出てくる女性達として、やはり幸せで円満な運命にはならない。しかしその儚い切なさが読み手を引き付ける。(30代女性)
松本清張「或る「小倉日記」伝」
松本清張「或る「小倉日記」伝」がおすすめの理由
一番の理由は、この作品が第28回芥川賞を受賞していることです。二つめは、主人公が小倉に実在していた人物だという、清張作品では異色なところです。病を抱えながらも森鴎外の調査に没頭する主人公に、私も病気がちなので勇気をもらいました。(40代女性)
松本清張「一年半待て」
松本清張「一年半待て」がおすすめの理由
最後の展開に感嘆の声をあげざるを得ない、巧妙な短編です。主人公の評論家がとる行動は、社会的には非常に共感を得られやすい「正義」の行動です。私もすっかり感情移入して読んでいたので、最後に出来事の別の側面を知り何か重苦しいものを背負った気分になりました。この展開が印象深くて忘れられない作品の1つです。(40代女性)
松本清張「影の地帯」
松本清張「影の地帯」がおすすめの理由
推理ものとしての出来の良し悪しとか、テンポの良し悪しとかはさておいても、遺体の処理法がとてもインパクトがあり、且つ非現実的でなく現実に実行できそうに感じられるものであったところが恐ろしく、強く印象に残る一冊と思ったためおすすめいたします。(50代女性)
松本清張「駅路」
松本清張「駅路」がおすすめの理由
定年を迎える男性が迎えるはずだった第二の人生は順調には叶えられず、驚きの結末に。男性の悲哀がとても切なく、彼のような人は実際には周りにいないのだが、何故か妙に人間臭くてリアルな感じが伝わってくる。闇と夕暮れの間にあるような哀愁ある話。(30代女性)
松本清張「危険な斜面」
松本清張「危険な斜面」がおすすめの理由
短編集です。6編入っています。表題作もミステリとしてよかったですが、『二階』という作品が衝撃的でした。体を壊した夫が家の二階で療養することになり看護婦を雇ったのですがその夫と看護婦に心がざわついてしまう妻。派手な展開ではまったくないのですが女性の心理の怖さと深い愛情、嫉妬がしんしんとせまってくるような作品です。高校生の頃に読みましたが20年たっても忘れられない作品です。(40代女性)
松本清張「高校殺人事件」
松本清張「高校殺人事件」がおすすめの理由
清張作品では大変珍しい学園ものだからです。私は清張はほとんど読み尽くしていますが、高校が舞台の作品は恐らくこの作品のみです。男女仲良しグループが殺害された教師の謎を追います。高校生の知恵の出し合いが面白いです。(40代女性)
松本清張「黒い画集」
松本清張「黒い画集」がおすすめの理由
これまで松本清張に抱いていた「社会派」「難しそう」というイメージが覆された1冊。男女の禁断の恋がもたらす悲劇がスリリングに書かれた短編集で、どの内容も面白く読めた。またトリックの扱いについても技巧が凝らされており、ミステリーとしてもたいへん楽しめる。(30代女性)
松本清張「黒い福音」
松本清張「黒い福音」がおすすめの理由
実際にあった未解決のCA殺人事件を松本清張さんの推理を含めて書かれているミステリーです。 ドラマ化もされていていろいろなサイトにも載っている有名な事件なので時間はかかりますが、リサーチしながら読むとさらにミステリー度が増します。(40代女性)
松本清張「砂漠の塩」
松本清張「砂漠の塩」がおすすめの理由
松本清張の小説の中ではミステリーというよりどちらかというと恋愛小説に近い小説です。中東を舞台に繰り広げられ、いろいろな文化、景色、地理などとてもよく書かれています。そこに男女の恋愛が絡められて男と女の機微が丹念に描かれています。(40代女性)
松本清張「死の発送」
松本清張「死の発送」がおすすめの理由
清張は競馬好きで、しばしば小説に馬を登場させますが、馬に詳しくない人が読んでもかなり面白い推理小説です。トリックが絶妙です。競馬に詳しい人や馬主さんならもっと楽しめる作品かもしれません。最後に全てがつながった時、思わず声が出ます。(40代女性)
松本清張「時間の習俗」
松本清張「時間の習俗」がおすすめの理由
決定的なトリックが面白い。交通機関を巧みに使って時間を操る全体的なトリックも面白い。地方の行事が冒頭に出てくるが、その描写がとても緻密で臨場感に溢れている。時間がキーワードなので、流れよく読み進められる爽快感がある。(30代女性)
松本清張「十万分の一の偶然」
松本清張「十万分の一の偶然」がおすすめの理由
これはカメラを使ったトリックです。清張自身、カメラが趣味で、しばしばカメラが小説に出てきます。私もカメラが好きなので楽しく読めましたが、カメラや写真に詳しくない人でも充分おすすめできます。人間の欲求と復讐心を描いた作品です。(40代女性)
松本清張「西郷札」
松本清張「西郷札」がおすすめの理由
松本清張のデビュー作。西南戦争時に発行され戦後は通用しなくなった紙幣を政府が買い上げるという話を信じた男の欲望を描く。人間の業や情報の信用性などインターネット時代にも当てはまる話だと思います。短編ですので清張を初めて読むという方にもお勧めです。(40代男性)
松本清張「渡された場面」
松本清張「渡された場面」がおすすめの理由
小説の始まり方からすると、「有名作家の未発表の小説を盗作した未熟な作家の転落劇」のように思いますが、それだけでは終わらないのがこの小説の面白さです。 有名作家が漁港近くの宿で書いた小説は、下書きをゴミ箱に捨てて未発表のまま、作家は急死してしまいます。それを拾った女中が小説家志望の恋人に、清書して渡します。恋人は盗作して同人誌に投稿し、それが中央から認められる、というところまでは良くある流れのようですが、その中にも細かく伏線があり、後の展開へとつながっていきます。 まったく違い場所で起きた殺人事件が、その盗作した小説の一部に殺人事件の現場が書かれていることに読書好きの刑事が気が付いたところから、話はがぜん面白くなっていきます。そして、原稿を渡した哀れな女中の末路は、ぐっと胸に迫りました。 松本清張のすごさを堪能できる小説です。(50代女性)
松本清張「徳川家康」
松本清張「徳川家康」がおすすめの理由
子供でも読み親しめる伝記の中でも非常に読みやすい。子供のころ読んだ時には作者のことなど知らなかったが、それでも抜群に読みやすく、大人になってから作者が有名な松本清張であることを知って非常に驚きました。(20代男性)
松本清張「日本の黒い霧」
松本清張「日本の黒い霧」がおすすめの理由
戦後の混乱期に起きた未解決事件についての考察が、読んでいて、ワクワクします。資料や証言がありながらも、あくまで作者の考察に留めざる得ない点が、自身の知識欲が刺激され、扱っている事件の他の本も読みたくなります。(20代男性)
松本清張「北の詩人」
松本清張「北の詩人」がおすすめの理由
朝鮮半島が植民地から解放されて間もないころ双方に力を持つ共産主義を信奉する人たちがいました。 北は今でも話題に上る金日成で、南側は朴憲永でした。 当時は朴憲永の人気のほうが高かったようで、側近の一人に物語の主人公であるプロレタリア作家同盟の林和がいました。 南側は当時の李承晩とアメリカの影響でレットパージ旋風により居場所を失った朴憲永と林和は北に逃れます。 しかしその後朝鮮戦争終了後、スパイの汚名を着せられ処刑されます。 その当時の朝鮮半島の情勢と北でおきた権力闘争は悲しい歴史でもあり、今に続く流れを読み解くことができ興味深いです。(60代男性)
松本清張「霧の旗」
松本清張「霧の旗」がおすすめの理由
推理ものというよりは、復讐ものです。復讐に燃える若い女性が主人公で、感情移入しやすく読みやすい作品です。強い女性というのは同性としてはやはり憧れます。最後に相手を奈落の底に突き落とすシーンは何度読んでも痛快です。(40代女性)
松本清張「夜光の階段」
松本清張「夜光の階段」がおすすめの理由
藤木直人さん主演でドラマにもなっていた作品です。ドラマが面白かったので一度原作も読んでみたいと思って読み始めました。男女の駆け引きが面白く書かれていて、今も昔も女はやっぱり強かだなとクスッとしました。(30代女性)
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