横溝正史おすすめの本ランキングTOP7

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横溝正史おすすめの本ランキングTOP7

横溝正史が好きな理由としては、まず、小説の作風がとても日本的で耽美的で、何故だかノスタルジックな気持ちにさせてくれるところです。山あいの農村が舞台だったり、海にひっそりと浮かぶ孤島が舞台だったりと、推理小説でありながら古き良き日本の原風景を描いているところも、好きな理由の一要素です。横溝正史さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.横溝正史「犬神家の一族」

横溝正史「犬神家の一族」がおすすめの理由

犬神家の一族が好きな理由としては、まず、おどろおどろしい小説の設定に恐ろしさを感じつつも、読むにつれて次のページ、次のページと知らぬ間にはまってしまうところです。たとえば、戦争に行き顔に怪我を負って、顔がぐちゃぐちゃに変形した登場人物が、白いマスクをかぶって登場する設定、そしてそのマスクをトリックに用いて、犯人と被害者が入れ替わったりする設定、など、作者の並々ならぬ推理小説への飽くなき探究心を感じられ、そんなところには感動すら覚えてしまいます。また、殺された被害者達が、死後、遺体に奇妙な細工をされていく描写などはとても残酷でありながら、殺人の動機に深く絡んでいたりと、ただの残虐シーンになっていない点で、作者の推理小説家としての奥深さを感じ取れる良い例だと思います。可憐な女性のキャラクターの描写もうまく、そんなところも好きな理由です。

 

 

第6位.横溝正史「病院坂の首縊りの家」

横溝正史「病院坂の首縊りの家」がおすすめの理由

病院坂の首縊りの家(びょういんざかのくびくくりのいえ)が好きな理由は、まずあげるとしたら、昭和30年前後くらいの日本国内、特に東京の空気感をとてもうまく描写し、たくましく、そして生々しくその時代を駆け抜けた人達の息吹を感じ取れる点、でしょう。残虐なシーン、たとえば首が切り取られて天井からぶらさがっているシーンなど、おぞましいほどに印象的でショッキングな描写もたくさん出てきます。が、私はそういったところよりも、たとえば登場人物の参加するジャズバンドが夜の盛り場で演奏したりするシーン、主要キャラクターの女性が夜の古ぼけた写真館に出向くシーンなど、そんな時代を感じさせる描写が気になりました。なんというか、その時代の色を文章から感じられる気がするのです。そんなところもこの小説の魅力だと思います。かなりの長編にもかかわらず、最後まで飽きることなく楽しめる点も素晴らしいです。

 

 

第5位.横溝正史「女王蜂」

横溝正史「女王蜂」がおすすめの理由

伊豆の南方の孤島が舞台のこの、女王蜂 が好きな理由は、やはり、壮大な海にぽつんと存在する不思議な形をした「月琴島」の描写が、読むものにミステリアスでノスタルジックな雰囲気を伝えてくれるところ、だと思います。時代設定が昭和7年から26年と長い年月に渡っており、その間の時代の変化なども楽しめる点も良いですね。修善寺のホテルを舞台にした場面などの描写には、徐々に西洋化、近代化がすすんでいく当時の日本の面影を垣間見ることができます。また、昭和の戦前の文化、たとえば、旅役者の一座が島々を巡って巡業をしていたりすること、さらには、ライカと呼ばれる、写真を撮る機械などがよく使われていたこと、などを知ることができ、新鮮な発見として心に残っています。島の屋敷のレトロな雰囲気や、開かずの間などといったミステリアスな設定にも大変興味をそそられました。

 

 

第4位.横溝正史「悪魔の手毬唄」

横溝正史「悪魔の手毬唄」がおすすめの理由

悪魔の手毬唄(てまりうた)が好きな理由は、岡山県の辺鄙(へんぴ)な田舎にある貧しいながらも住民が生き生きと暮らしている寒村が舞台である、という設定がとても好きだから、です。昭和30年くらいの地方の田舎の寒村、農村の、まるで日本の原風景を見せられているかのような、生々しい描写にとても惹きこまれます。鬼首村(おにこべむら)という、舞台の村の名前がとても印象的で、この小説で起こるおどろおどろしい、たくさんの殺人事件をまるで暗示しているかのようなネーミングです。こういった設定も推理小説として、うまいな、と思いますし、この小説が好きな理由でもあります。この土地に古くから伝わる手まり歌が、事件の犯人を特定する鍵になると言う設定などは、とても興味をそそられ、作者の、楽しませようとするサービス精神を強く感じることができます。

 

 

第3位.横溝正史「八墓村」

横溝正史「八墓村」がおすすめの理由

八墓村(やつはかむら)が好きな理由は、なんと言っても源平合戦や落ち武者伝説などの戦国時代の歴史的な要素を、大正時代後期~昭和20年代中ごろに時代設定をした本筋のストーリーに大変うまく絡めているところです。この点は、この小説が推理小説ファンのみならず、戦国時代好き、歴史好きの興味もひいている理由となっていると思います。昭和初期に岡山県で実際に起きた、大量虐殺事件をヒントにして描写されているシーンなどもあり大変ショッキングではありますが、作者のこの小説に対する並々ならぬ情熱、読者に良いものを届けるんだ、という妥協なき精神を感じることができ、心揺さぶられます。後半のクライマックスでは鍾乳洞を暗い迷路のように描写して、スリリングな展開に仕上げているところも、とても気に入っていますし、この小説の人気の理由になっていると思います。

 

 

第2位.横溝正史「獄門島」

横溝正史「獄門島」がおすすめの理由

獄門島(ごくもんとう)を好きな理由は、作者が小説に表現した日本的な美しさへのこだわりを、読者として強く感じられるところです。次々と起こる殺人事件はとても恐ろしく、残酷に描写されているのですが、それだけで終わっていないのがこの小説の凄さだと思います。たとえば、きれいな和装姿の死体を松尾芭蕉の俳句の内容に見立てて、大木から逆さまに吊るした描写、はたまた、またも和装姿の死体を釣鐘の中に隠して放置するような描写など、これらは残酷さの中に、日本的な美、というものをどうにかして表現しようとしています。作者の、このような姿勢、探究心あふれる姿勢は推理小説家として素晴らしいと思います。まさに日本的な耽美主義を体現した小説です。瀬戸内海の孤島が舞台となっており、島の住民はほぼ全員、流刑でこの島に流されてきた犯罪者達の子孫である、という設定などはこの小説の絶妙なアクセントになっていると思います。こんな点も気に入っています。

 

 

第1位.横溝正史「本陣殺人事件」

横溝正史「本陣殺人事件」がおすすめの理由

本陣殺人事件(ほんじんさつじんじけん)を好きな理由は、まず、なんと言っても殺人のトリックが複雑ながら、きわめて日本的な芸術美を追求した描写になっていて、その作者のこだわりをひしひしと感じることが出来る点です。また、最後にあっと驚く犯人像が浮かび上がり、日本的な芸術美などを抜きにしても、単純に推理小説のストーリーとして、とてもクオリティの高いものとなっています。また、岡山県の古くから続く本陣という、江戸時代の参勤交代の際に大名が利用した宿泊施設が殺人の舞台となっている設定は、とても新鮮であり、かつ歴史テイストが小説に混ざることで、絶妙なアクセントになっていると思います。こんな点も好きな理由に数えられます。さらに、殺人のトリックで使われる、琴や日本庭園や離れ、などなど、徹底的に日本文化、日本的な美しさ、日本的なおどろおどろしさを追求しており、作者のこだわりに脱帽です。

 

 

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