- 社会小説おすすめ
- 1.朝井リョウ「何者」
- 2.薬丸岳「Aではない君と」
- 3.百田 尚樹「永遠の0」
- 4.バルガス・リョサ「緑の家」
- 5.ジョージ・オーウェル「1984年」
- 6.柴田 哲孝「GEQ」
- 7.西加奈子「i」
- 8.本多孝好「MOMENT」
- 9.金原ひとみ「マザーズ」
- 10.湊かなえ「Nのために」
- 11.小松成美「YOSHIKI 佳樹」
- 12.ダニエルキイス「アルジャーノンに花束を」
- 13.早見和真「イノセントデイズ」
- 14.奥田英朗「イン・ザ・プール」
- 15.奥田英朗「オリンピックの身代金」
- 16.百田尚樹「カエルの楽園」
- 17.吉本ばなな「キッチン」
- 18.オクタビオ・パス「くもり空」
- 19.誉田哲也「ケモノの城」
- 20.西加奈子「サラバ」
- 21.重松清「その日のまえに」
- 22.吉田篤弘「それからは、スープのことばかり考えて暮らした」
- 23.V.E.フランクル「それでも人生にイエスと言う」
- 24.加藤シゲアキ「チュベローズで待ってるAGE22」
- 25.北川恵海「ちょっと今から仕事やめてくる」
- 26.小川糸「ツバキ文具」
- 27.岡井祟「デザイナーベイビー」
- 28.山本甲士「どろ」
- 29.東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
- 30.垣谷美雨「ニュータウンは黄昏れて」
- 31.北川恵海「ヒーローズ(株)!!!」
- 32.森絵都「みかづき」
- 33.本城雅人「ミッドナイト・ジャーナル」
- 34.羽田圭介「メタモルフォシス」
- 35.高村薫「リヴィエラを撃て」
- 36.清智英「リベンジgirl」
- 37.アイザック・アシモフ「われはロボット」
- 38.有吉佐和子「悪女について」
- 39.ジョージ・オーウェル「一九八四年」
- 40.山崎豊子「運命の人」
- 41.沼田真佑「影裏」
- 42.西川美和「永い言い訳」
- 43.落合信彦「王たちの行進」
- 44.池井戸潤「オレたちバブル入行組」
- 45.又吉直樹「火花」
- 46.宮部みゆき「火車」
- 47.三浦しをん「格闘する者に○」
- 48.村上龍「希望の国のエクソダス」
- 49.筒井康隆「巨船ベラス・レトラス」
- 50.三島由紀夫「金閣寺」
- 51.奥田英朗「空中ブランコ」
- 52.池井戸潤「空飛ぶタイヤ」
- 53.沢木耕太郎「血の味」
- 54.サマーセット・モーム「月と六ペンス」
- 55.渡辺 淳一「孤舟」
- 56.青木祐子「幸せ戦争」
- 57.山口瞳「江分利満氏の華麗な生活」
- 58.大沢在昌「鮫島の貌」
- 59.有川浩「三匹のおっさん」
- 60.池井戸潤「七つの会議」
- 61.東野圭吾「手紙」
- 62.有栖川有栖「狩人の悪夢」
- 63.内館牧子「終わった人」
- 64.綿矢りさ「蹴りたい背中」
- 65.フランツ・カフカ「城」
- 66.沢木耕太郎「深夜特急」
- 67.夏川草介「神様のカルテ」
- 68.大崎善生「聖の青春」
- 69.筒井康隆「聖痕」
- 70.重松清「青い鳥」
- 71.浅田次郎「蒼穹の昴」
- 72.江上剛「退職歓奨」
- 73.山崎豊子「大地の子」
- 74.太宰治「津軽」
- 75.東野圭吾「天空の蜂」
- 76.フランツ・カフカ「田舎医者」
- 77.吉村昭「冬の鷹」
- 78.角田光代「八月の蝉」
- 79.池井戸潤「飛ぶタイヤ」
- 80.藤田孝典「貧困世代」
- 81.池井戸潤「不祥事」
- 82.山崎豊子「不毛地帯」
- 83.荻原浩「明日の記憶」
- 84.薬丸岳「友罪」
- 85.宇江佐真理「憂き世店 松前藩士物語」
- 86.東野圭吾「容疑者Xの献身」
- 87.貫井徳郎「乱反射」
- 88.池井戸潤「陸王」
- 89.トルーマン・カポーティ「冷血」
- 90.貫井徳郎「慟哭」
- 91.塩川武士「騙し絵の牙」
社会小説おすすめ
1.朝井リョウ「何者」
社会小説朝井リョウ「何者」がおすすめの理由
現代の就職活動の様子をリアルに表した小説です。まじめにやった人や優秀な人が内定をもらえるとは限らない就活。周りと比べ、ついひがんでしまう気持ちをSNSで呟いて消化する主人公。その言葉にしにくいモヤモヤを、見事に表現してくれています。もがいている人にこそおススメです。(20代女性)
大学生の就職活動をテーマにした青春小説と思って普通に読むと、ラスト、激しく感情を揺さぶられます。まるで、読み手側であるこちらにナイフを突きつけられたような感覚に陥ります。人間の本性があぶり出される、とても面白い作品です。作品自体は5年ほど前に発表されていて、2013年直木賞受賞作です。ツイッターなどで情報発信するのが日常的な、今どきの若者たちを、生き生きとした会話で個性豊かに描いています。就職活動に対する葛藤は痛いほど伝わり、自分って何なのかと、問いかけている作品だと思います。(30代女性)
この小説は、悩み苦しむ大学生たちの姿を描く、就活をテーマにした小説です。登場人物たちは、表面上仲良く接し、面接では内定をもらうために背伸びし、演じている一方で、それぞれ暗い一面を抱えています。それぞれの悩みや、人には言えないけど抱えている闇に、ゾッとするほど共感することのできる小説です。(20代女性)
2.薬丸岳「Aではない君と」
社会小説薬丸岳「Aではない君と」がおすすめの理由
ある日、自分の子供が殺人者になってしまった父親の心の葛藤を描いた作品です。離婚して離れていてもいつも心に止めていた息子かある日人を殺したと警察から連絡が入り、それまでの順調だった生活が一変していく父親の苦しみや周りの人たちの態度が描かれてグイグイ引き込まれる作品です。(50代女性)
自分が主人公なら、自分が主人公の親だったら、自分が加害者の親ならばどの立場に立って読んでも胸が痛くなる。 自分と遠いところの話のようで、とっても近い所の話になってもおかしくない。読んでる間ハラハラし通しで、暗い話だけど目がそらせない。 読み終わった後もとても考えさせられる、そんな小説です。(40代女性)
3.百田 尚樹「永遠の0」
社会小説百田 尚樹「永遠の0」がおすすめの理由
太平洋戦争時のゼロ戦パイロットが主人公の物語で、当時は命を捨てて戦うというのがパイロットたちの常識だったにもかかわらず。 主人公は命を大事にして、周りから反感をかいつつも、自分の、命を大切にするという信念を貫き通すという話です。 ドラマチックでもあり、感涙ものの物語です。(30代男性)
日本人の誇り、また先人の人たちがどのように日本を守ろうとしていたかがわかる。また、彼たちの人生での葛藤、何のために自分の命を投げ出すのかなど色々考えさせられるものが多くある。現在の日本がそんな先人たちのおかげで存在することがひしひしと伝わる。(20代男性)
4.バルガス・リョサ「緑の家」
社会小説バルガス・リョサ「緑の家」がおすすめの理由
5つの独立した話が並行して進みますが、やがてそれらが混ざり合い、1本に収束する長編です。各話がいずれも本流そのものを構成しているので展開を追うのに苦慮しますが、一方では接点が明かされる度に疑問点が少しずつ解決してゆく流れが巧妙でした。(30代男性)
複雑なパズル要素のある長編小説です。冒頭ではおおむね4~5編の異なる話が同時進行するのですが、話が進むに連れてそれらの話が互いに混ざり合い、1つの壮大なストーリーにまとまる様は、難解ですが読み応えのある規模でした。(30代男性)
5.ジョージ・オーウェル「1984年」
社会小説ジョージ・オーウェル「1984年」がおすすめの理由
この小説はディストピア小説で、旧ソ連の社会主義体制を思わせる全体主義の蔓延した社会が舞台になっています。個人の全ての行動や発言、思想が監視され、政府の意向に背いたりするような個人は排除される世界です。今世界でインターネットが生活のあらゆる分野に浸透し、個人個人の距離が狭くなり、さらに全体主義的な社会に向かっているような政治状況がみられるなかで、この作品から様々なメッセージを受け取ることができます。(20代男性)
6.柴田 哲孝「GEQ」
社会小説柴田 哲孝「GEQ」がおすすめの理由
我々の記憶に新しい神戸の震災やアメリカの9.11事件を題材に、想像もしていなかった隠された陰謀を 綿密に書き込んでおり、これが事実なのか、と思ってしまうような迫力があった。 また、政治家に対しての見方や評価もなるほどと思わせるものがあり、一気に小説の世界に引き込まれる。(60代男性)
7.西加奈子「i」
社会小説西加奈子「i」がおすすめの理由
存在が遠い「死」を身近な話に置き換えてわかりやすく読者に訴えかけている。 死は世界中にあり、普通は目を背けてしまう出来事だけど、常に考えることによって自分がなぜ生きているのか、どうやって生きていきたいのかが理解できると思う。 西加奈子さんのこの小説はそういう物語を悲しさだけじゃなく、前向きな読後感を持って読者に投げかける。 とても読みごたえがあり、また深く心に残る小説の1つです。(40代男性)
8.本多孝好「MOMENT」
社会小説本多孝好「MOMENT」がおすすめの理由
死と向き合う場所である病院での短編で、読みやすく、最初は推理小説?恋愛?なに?という気持ちだったけど、読み終わった後にあたたかい気持ちになります。人を思う気持ちって、振り返ってみるとシンプルなものだなと気づけたので、他の人にもお勧めしたいです。(20代女性)
9.金原ひとみ「マザーズ」
社会小説金原ひとみ「マザーズ」がおすすめの理由
主人公が出産を経て子供の父親に対して、子供自身に対して自分の気持ちのコントロールの難しさを感じながら生きていく様が描かれています。自分の教育方針と周りの教育との違いに怒りを感じながら、主人公なりに子供に愛情をかけていきます。人に対して嫌悪感が拭えない時に読み返しています。(30代女性)
10.湊かなえ「Nのために」
社会小説湊かなえ「Nのために」がおすすめの理由
わりと簡単なストーリーで小説が嫌いな人でも読みやすいと思います。中盤から犯人は誰なのだろうと思い始めると、本にハマって一気に読むことができます。登場人物の生い立ちが丁寧に書かれていて、どっぷりと彼らの心情に入り込めます。わりと暗い過去を背負った若者たちの話ですが、暗くて悲しいだけでは無く、たまにユーモアが入った場面もあり気軽に読めると思います。(30代女性)
11.小松成美「YOSHIKI 佳樹」
社会小説小松成美「YOSHIKI 佳樹」がおすすめの理由
自分が好きなアーティストだから。 結成から休止までたくさんのってて、知れていいです。 エッセ系や、ノンフィクション系も良く読みますが そういう方が面白くて好きです。 歩んできた道が乗っていて、すごく為になったり しれたりできるので良かったです。 楽しかった頃、hideさんが亡くなって沢山の人が亡くなって、その中でどう止めたかとかも書いていて 何度でも読んでいます。最後の方には一部歌詞ものっていて、大好きです!(20代男性)
12.ダニエルキイス「アルジャーノンに花束を」
社会小説ダニエルキイス「アルジャーノンに花束を」がおすすめの理由
仕事で昇進した時に同僚からの態度が変わった。缶コーヒーを買ってきてくれたりお世辞が増えた。人間てそんなもんだよなあ。パン屋で働いていたチャーリーも、知能向上の手術を受けてから、周囲の態度が変わり苦悩する。人間の悪の部分がひしひしと伝わってきた作品だった。(30代女性)
13.早見和真「イノセントデイズ」
社会小説早見和真「イノセントデイズ」がおすすめの理由
最後まで読み終えた時にこんなにも寂しくかなしい思いになったことは初めてでした。人の一生は、こんなにも不運でこんなにも悪いことが続くのであろうかと自分の人生をも考えさせられるくらい深い話でした。展開も早く、あっという間にこの本の世界観にはまりこみました。(40代女性)
14.奥田英朗「イン・ザ・プール」
社会小説奥田英朗「イン・ザ・プール」がおすすめの理由
私自身が20年以上うつ病と戦っているので、主人公の破天荒な診察が羨ましいし、絶対友達になりたい人柄だから好きです。診察してもらった患者さんは必ず病気と向き合い完治しているからです。勇気が貰える作品です。(40代女性)
15.奥田英朗「オリンピックの身代金」
社会小説奥田英朗「オリンピックの身代金」がおすすめの理由
舞台は東京オリンピックが間近に迫った東京です。地方の貧しい家から東京に出てきた学生がオリンピックを身代金に、テロリストになる物語です。地方との格差を目の当たりにした学生の固い決意、テロはもちろん悪いことですが、なぜか応援したくなります。(40代女性)
16.百田尚樹「カエルの楽園」
社会小説百田尚樹「カエルの楽園」がおすすめの理由
現在の日本の置かれている世界情勢をカエルの世界感で描いている点です。ある日一匹のカエルが旅にでます。そこではさまざまな出来事が待っています。今の日本は北のミサイル問題などの安全保障問題を抱えています。カエルは安全な楽園を求めて旅をするのです。つまり日本人をカエルに見立て書いた作品です。とても美味しいです。(30代男性)
17.吉本ばなな「キッチン」
社会小説吉本ばなな「キッチン」がおすすめの理由
大切な人を失う喪失感から少しずつ少しずつ立ち直る姿に勇気付けられます。孤独で良いんだと学びました。孤独だからこそ優しさに気づくし、愛せるのだと感じました。きれいな優しい世界観に引き込まれて癒されます。(30代女性)
18.オクタビオ・パス「くもり空」
社会小説オクタビオ・パス「くもり空」がおすすめの理由
軍事政権に支配されていた時代のアルゼンチンを舞台に設定して、ひと組の男女の運命に迫っていきます。反体制派の運動家たちがいつの間にか姿を消していく不穏な雰囲気の中で、お互いを信じたカップルの生きざまには胸を打たれました。(30代男性)
19.誉田哲也「ケモノの城」
社会小説誉田哲也「ケモノの城」がおすすめの理由
北九州監禁事件をモデルにしたフィクションですが、小説なので登場人物の心情などが描かれてグロテスクだけではない切ない部分が垣間見える作品でした。犯罪を犯す側と受ける側のハラハラする謎の期間や最後にすべてが明らかになった時は脱力でした。(40代女性)
20.西加奈子「サラバ」
社会小説西加奈子「サラバ」がおすすめの理由
舞台がテヘランということもあり、社会情勢も組み込まれた難しい話や非日常要素の多い話が、進んでいくと思っていたのですが、主人公の人間らしさや、どんなに特殊な人生を送ってきても心の持ちようでは、普通の人間と何ら変わりない、むしろ小さな悩みで破滅してしまう人生に、なってしまうような幸せとは何かと思うような作品でした。(30代女性)
21.重松清「その日のまえに」
社会小説重松清「その日のまえに」がおすすめの理由
短編の物語がいくつかでできている小説です。 ひとつひとつの物語が涙をそそる話で、人間の弱い部分や強い部分が上手く表現できているお話です。 ただ泣けるだけではなく、読み終わった後とてもあったかい気持ちになれます。(30代女性)
22.吉田篤弘「それからは、スープのことばかり考えて暮らした」
社会小説吉田篤弘「それからは、スープのことばかり考えて暮らした」がおすすめの理由
大事件も、奇跡も、感動もない。よい意味で何も起こらない。普通の毎日が普通に続いていくことが、スープからふわりとたちのぼる湯気のようにありふれていて温かい。いつものコタツでも、通勤電車の中でも、どこで読んでも心を平坦にならしてくれる。決して読みにくいわけではないが、あまり読み進まない。つまらないのではなく、少しずつ読めばいいと思わせてくれる。金平糖を一粒ずつ摘まんでは口の中で転がすような感覚だ。ゆっくりでいい。のんびりでいい。自分の読みたいように読ませてくれる小説だ。(20代女性)
23.V.E.フランクル「それでも人生にイエスと言う」
社会小説V.E.フランクル「それでも人生にイエスと言う」がおすすめの理由
これは、小説というより、学術論文。しかし、アウシュビッツを生き抜いた、博士の、鬼気迫る名著「夜と霧」とは、また、ちがう、なんだか、さえないすぎるとき、読むと、不思議になんだか力の湧いてくる、魂の名著です。(50代女性)
24.加藤シゲアキ「チュベローズで待ってるAGE22」
社会小説加藤シゲアキ「チュベローズで待ってるAGE22」がおすすめの理由
とにかく読みだしたら止まらない‼ 読み止める事が出来ない‼ そして読んで損は無い‼ 就職に失敗して、成り行きでホストになって家系を支える。そんな設定だけを見たらなんだそれ!?と思う人がほとんどだと思う。 しかし、人間関係、事件、最後の伏線回収、真実。 そして物語は近未来設定のAGE32に続く。 総て読み終わった時、やられた感満載。(30代女性)
25.北川恵海「ちょっと今から仕事やめてくる」
社会小説北川恵海「ちょっと今から仕事やめてくる」がおすすめの理由
当時ブラック企業について何かととりあげられていた頃に出版され、本作もブラック企業に勤める主人公が様々な人と出会い自分の身のあり方を考えるものです。 私も同じ頃に就職や転職をした身なので、主人公の不安やどうすれば良いかわからない苛立ちはとても共感出来ました。 主人公が絵に描いたようなブラック企業をやめるシーンは本当に心がスカッとしました。(20代男性)
26.小川糸「ツバキ文具」
社会小説小川糸「ツバキ文具」がおすすめの理由
鎌倉を舞台に、代書屋を営む若い女性が主人公。代書屋という商売が、メールやSNS全盛期の現代には目新しく感じ、また手紙の持つ表現力を改めて感じさせる奇特な小説だと思います。舞台になっている鎌倉の描写も素晴らしいです。行ってみたくなります。(40代男性)
27.岡井祟「デザイナーベイビー」
社会小説岡井祟「デザイナーベイビー」がおすすめの理由
まるで物語のように表現されているが、すでに現在に起こりつつある操作された出産。体外受精も不妊治療も何も悪い事ではないが、一歩、人間の欲望を履き違えると恐ろしい人類の操作になるなと思う小説。果たして子どもが生まれる事を操作して良いのか、と考える。(40代女性)
28.山本甲士「どろ」
社会小説山本甲士「どろ」がおすすめの理由
「どろ」では家庭を持つ成人男性が主人公で、それぞれの視点で物語が進みます。 2人は隣人同士でお互いに良い印象を持っていませんでしたが、ふとしたきっかけで隣人トラブルに発展します。 最初は飼っている犬の糞を隣の玄関前に投げることから始まり、怒った隣人は隣の家の花壇の荒らします。 2人は社会人男性の抱える仕事のストレスや家庭崩壊によって嫌がらせは次々にエスカレートし……っという内容になります。 人間の汚い部分が見えてくる小説で私はとても引き込まれました。 隣人トラブルは決して他人事ではないので、意地とプライドを優先するとこの小説のようになってしまうのは本当に怖いです。(30代男性)
29.東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
社会小説東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」がおすすめの理由
普段ミステリー小説が多い東野圭吾ですが、いつもと一味違った心温まる作品です。物語は非行気味な現代の少年達が昔のまま時が止まった雑貨店にたまたま入りそこで過去の様々な人達と関わっていくのですが、実はその人達は見えないところでリレーのように人生が繋がっていきます。人との関かわりが少くなっている現代で人との繋がりを改めて感じる作品です。(20代女性)
30.垣谷美雨「ニュータウンは黄昏れて」
社会小説垣谷美雨「ニュータウンは黄昏れて」がおすすめの理由
東京西部のニュータウン育ちです。実家であるニュータウンに帰省のつど 実感する老朽化と高齢化、また耳にする建て替えやリノベーションの話題、 とてもリアルで共感できました。 ニュータウン当事者としては、ホームタウンとしての「ニュータウン」の 発見といえるジブリ作品の「耳をすませば」だったのですが、時代も過ぎ ましたし、小説では、ニュータウンの今が描かれている、この作品です。 女性が主人公ですが、パートナーと住宅、男性にとっても人生の大事である ことは共通です。 作中の人物のそれぞれが選択した何かをみて、自分にとって何が幸せなんだ ろうと、切なく考えてしまいましたね。(50代男性)
31.北川恵海「ヒーローズ(株)!!!」
社会小説北川恵海「ヒーローズ(株)!!!」がおすすめの理由
作品の中には優しさが流れています。 作中の一文を借りて言えば「廻りと同じなのが正しいもの」とか 「人間は考えることを放棄した瞬間、人間ではなくなる」ような環境に 置かれることでもたらされる疲労感や厭世感に効く優しさです。きっと。 読後は、世の中捨てたものじゃないのかも、自分も、誰かもしくは自分が、 歩み出すための一歩や勇気になれるかもしれないなと、少しだけ笑顔を作って、 晴れ上がった空の下に、もう一度出て行ってみよう、堂々とね、 という気分になります。(50代男性)
32.森絵都「みかづき」
社会小説森絵都「みかづき」がおすすめの理由
子供ができて、教育とは何かを考えるようになった。ある昭和を生きた家族、教育への向き合い方がとても勉強になった。家族といっても、三世代も離れると考え方がかなり変わる。妥協しながら塾や家庭を築いていく姿に感動した。(30代女性)
33.本城雅人「ミッドナイト・ジャーナル」
社会小説本城雅人「ミッドナイト・ジャーナル」がおすすめの理由
主人公をはじめ、登場人物が仕事に対して熱い気持ちを持ってる点です。インターネットの発達もあってか新聞の購読者数は減っていますが、そんな新聞にも確固たる信念を持って一日中走り回る姿に自分も仕事をもっと頑張ろうという気持ちにさせられます。(20代女性)
34.羽田圭介「メタモルフォシス」
社会小説羽田圭介「メタモルフォシス」がおすすめの理由
この小説のおすすめは、たくさんの奴隷がとうじょうし各々の変態性を感じられるところです。小説自体の内容はあまり印象にないのですが、SM倶楽部の女王様と奴隷との複雑な関係性がとてもきょうみをひきました。おすすめです。(30代男性)
35.高村薫「リヴィエラを撃て」
社会小説高村薫「リヴィエラを撃て」がおすすめの理由
アイルランドから始まり東京に舞台を移した海外エージェント、音楽家、政府機関関係者との戦いが硬派な筆致によって書かれたスケールの大きい小説です。上下2巻ですがあっという間に読めました。登場人物も美しく、是非とも映画化してほしいくらいです。(40代女性)
36.清智英「リベンジgirl」
社会小説清智英「リベンジgirl」がおすすめの理由
政治家は私利私欲のために動く。宝石美輝もどちらかというとそのタイプ。性格に問題アリで友達にはしたくない。周囲の人に助けられながら変わっていく彼女をみて、人は変われるんだ、応援したいと思えるようになった。(30代女性)
37.アイザック・アシモフ「われはロボット」
社会小説アイザック・アシモフ「われはロボット」がおすすめの理由
ロボット三原則の提唱者が描いた作品であり、もしロボットが人間と同じように振る舞うことができた世界設定となっており非常にリアルで本当に未来がこうなってしまうのではないかと錯覚する描写だから。また、群像劇となっており読み進めるごとに違ったストーリーが楽しめて飽きることがないから。(20代男性)
38.有吉佐和子「悪女について」
社会小説有吉佐和子「悪女について」がおすすめの理由
謎が多い女性実業家の人生を、死彼女の死後、その関係者のインタビューという形で掘り下げていく話だが、人によって彼女が使い分けていた仮面や、ありたい自分と現実の自分とで苦しんだ背景や貫く一種の強さなど、考えさせられることが多かった。一概に語れない人間の様々な心理が見えて、はらはらしながら次が気になって一気に読んでしまった。複数回読んでも楽しめる作品だと思う。複雑な人間関係にとにかくはらはらさせられる。(30代女性)
39.ジョージ・オーウェル「一九八四年」
社会小説ジョージ・オーウェル「一九八四年」がおすすめの理由
ひとりの独裁者によって全ての言論・思想がコントロールされている、近未来の世界が描かれている作品になります。最悪の未来を予想していくことによって、今現在の社会が抱えている問題点や矛盾について考えさせられました。(30代男性)
40.山崎豊子「運命の人」
社会小説山崎豊子「運命の人」がおすすめの理由
このタイトルを検索すると、外務省機密文書漏洩事件のことばかりがクローズアップされがちですが、私が読んだ印象では、作者は沖縄の戦後のアメリカ軍基地問題を本土、沖縄以外の人間に対して問いたかったのでは、と感じるのです。(40代女性)
41.沼田真佑「影裏」
社会小説沼田真佑「影裏」がおすすめの理由
短いせいもあり、話しは少しわかりずらいが、情景描写の美しさ にホッとします。亡くなったと思われる一人の人物の生活や その付き合いを丁寧に描き出すことによって、その人物と同じ時に、 いっときに亡くなった多くの人にも同様に生活や思いが存在したこと を間接的に思わせ、いえ、偲ばせます。 失ったものは、かけがえのない大きなものとの思いが伝わってきます。 美しい情景に反して、作品中に漂う、どこか曇天のようなすっきり しない空気感が、人心か何かが、瓦解したまま回復しないでいる不安を 感じさせる作品です。 (私は、阪神の震災を経験していますが、東北の震災については、 人々の心のありようや、社会的なケアのされかたに「何か」違い を感じております、その「何か」を明らかにしようとする感じを この作品に見て社会小説にしました。)(50代男性)
42.西川美和「永い言い訳」
社会小説西川美和「永い言い訳」がおすすめの理由
妻を亡くした夫が、価値観の違う人間に出会い、どう変わっていくのかが見どころです。どこか弱い部分を持って生きている幸夫。妻とは無理でしたが、理解し合える存在と出会えたら良いです。誰でも愛する人を失った経験はあるはずで、人はそれでも生きていくんだ。当たり前だけど。(30代女性)
43.落合信彦「王たちの行進」
社会小説落合信彦「王たちの行進」がおすすめの理由
経済の本では何部か著作がございます。この小説は有能ビジネスマンがいきなり会社を首にされたことから始まります。失意の中から這い上がり、そこからのし上がるサクセスストーリーは王道ではありますが、著者らしい小説となっていますので、この小説をおすすめします。(20代女性)
44.池井戸潤「オレたちバブル入行組」
社会小説池井戸潤「オレたちバブル入行組」がおすすめの理由
自分が生まれた時にはもう過ぎ去っていたバブル期に銀行員として入行し仕事をしており、知らぬまにバブル経済が崩壊しその被害者でもあるのに巻き込まれ懸命に仕事している姿やすごい理不尽な事にも挑んでいく姿勢をみて、もしこの先に同じことが起こった時に自分は同じようにできるのかとても考えさせられると同時にありえないだろうと思う出来事の連続でバブルを知らない世代もバブルを過ごした世代もおもしろく読んでいただける本だと思います。(20代女性)
45.又吉直樹「火花」
社会小説又吉直樹「火花」がおすすめの理由
お笑い芸人が主人公ですが、その主人公の心情や人間性がわかりやすく書かれていて、共感や感情移入がしやすかったからです。また、芥川賞にも選ばれた小説なので信頼できると思います。お笑い芸人の主人公の小説は珍しいのでおすすめです。(20代男性)
46.宮部みゆき「火車」
社会小説宮部みゆき「火車」がおすすめの理由
人生の失敗は本当に日常のグラデーションの中に存在しているのだと思い知らされる小説で、普通に生きているはずの真面目な人間こそが転落していく様がリアルに描かれていて、大きな衝撃を受けたし、記憶に鮮明に残る一作です。(30代女性)
47.三浦しをん「格闘する者に○」
社会小説三浦しをん「格闘する者に○」がおすすめの理由
就活生を描いた小説ですが主人公(女性)と初老の恋愛や、友人のホモセクシャル疑惑事件、政治絡みのお家騒動などコミカルなネタが満載で読みやすく面白い作品です。学生の頃に初めて読みましたが何度読み直しても飽きません。(30代女性)
48.村上龍「希望の国のエクソダス」
社会小説村上龍「希望の国のエクソダス」がおすすめの理由
すこし前の出版年ではありますが、いまでこそ読み返したい本格的な社会小説です。不登校の中学生たちが社会を変えようと思い付き、思い付くだけでなくインターネットやテクノロジーを駆使して実際に壮大なスケールで社会を変えていきます。詳細になされた社会考察を厚みとともに楽しめる小説です。(20代女性)
49.筒井康隆「巨船ベラス・レトラス」
社会小説筒井康隆「巨船ベラス・レトラス」がおすすめの理由
豪華客船を舞台にした人情劇なのですが、どこまでが現実でどこからが夢かがあいまいで、著者によるエッセイを兼ねているようでした。登場人物たちが夢と現実の境を見失って困っていると著者が助けに出るなど、輻輳的な小説となっています。(30代男性)
50.三島由紀夫「金閣寺」
社会小説三島由紀夫「金閣寺」がおすすめの理由
実際に起きた事件をテーマにした小説ですが、 事実は小説より奇なりということ、お坊さんがやけになり金閣寺を燃やしてしまうというお話ですが三島由紀夫独特の比喩表現がきれいにまとめられており、個人の情熱を感じることができながらも儚さと美しさを同時に感じる事が出来る一冊です。(30代男性)
51.奥田英朗「空中ブランコ」
社会小説奥田英朗「空中ブランコ」がおすすめの理由
これと前作の「イン・ザ・プール」を読みましたが、自分が現代社会を生きていく上で、無理に我慢とかをしなくてもいいんだな感じさせられました。どちらの作品も基本的にある程度人生がうまくいっている人が、あるおかしな病にかかっていくというストーリーなのですが、それは基本的に彼らの生活にどこかに無理があったり、社会にとらわれているからなっているわけであって、その常識や社会から逸脱した考えを持つことによって、本来の自分を見出していけるのだと感じました。自分ももっと気楽に生きていけたらなと思います!(20代男性)
52.池井戸潤「空飛ぶタイヤ」
社会小説池井戸潤「空飛ぶタイヤ」がおすすめの理由
池井戸潤といえば半沢直樹シリーズや下町ロケットのように勧善懲悪で、主人公がいろいろ追い詰められるものの最後にはスカッとさせてくれるものが多いですが、この作品も同じように爽快感を読み手に与えてくれます。 三菱のリコール隠し事件がモデルとなっているようで、大変なボリュームがある作品ですが、事件を取り巻く人間模様が良く記されており、読みきると大変スッキリする内容でした。池井戸作品の中でも名作の一つ挙げられるのではないでしょうか。(40代男性)
53.沢木耕太郎「血の味」
社会小説沢木耕太郎「血の味」がおすすめの理由
高校生の時、この作品を読んだ私はしばらくその場から立ち上がることができませんでした。単に脱力したとか感動したからというわけではなくさまざまな感情を抑えることができなかったからだと思います。ゲイの青年に出会ったことでこれまでさまざま感情を抑えきれなかったこの作品の主人公のように。今でも真っ赤な夕日を見るたびに思い出す作品です。(30代男性)
54.サマーセット・モーム「月と六ペンス」
社会小説サマーセット・モーム「月と六ペンス」がおすすめの理由
家庭を持って幸せな生活をしていた銀行員が、突如として芸術性に目覚めて家庭を捨てて、自分の求める新しい生活に飛び込んでいく物語です。主人公の生き方には一回しかない人生をいかにして過ごしていくのかという強烈な精神力に感銘を受けます。実際私などには考えられない人生を過ごしていく主人公の姿には自分勝手な面も伺われますが、自分が納得できる人生を過ごしていく姿と彼の周りの人達の生き方を見ると素晴らしい人生を過ごした主人公に拍手を送りたい気持です。是非一読をおススメしたいと思います。(70代男性)
55.渡辺 淳一「孤舟」
社会小説渡辺 淳一「孤舟」がおすすめの理由
主人公は大手企業の役員まで務めた男性で定年退職を迎えたところから物語がはじまります。 現役時代に思い描いていたリタイア生活と現実との大きなギャップがあり、さまざまな出来事に主人公は翻弄されていきます。 誰もが(特に働いている男性は)将来起こりうることをテーマにしていて、色々と考えさせられます。(40代男性)
56.青木祐子「幸せ戦争」
社会小説青木祐子「幸せ戦争」がおすすめの理由
人との距離感ましてや家族と家族の距離感って、いまだもって 全く難しい。その距離を探るかのような隣近所の付き合い、 近所の他人が、幸せの満足と不足を見比べてる暮らし、 いやになっても住居があるだけに逃げ出せない。 目に入る都度、他人の暮らしに思いをめぐらす環境の中で 興味が濃縮されていく様が、とても他人ごととは思えない 気分になります。 この作品のタイトルのとおり、幸せの尺度違うから、 競ったり、装ったり、探ったり、戦争なんですよね。 「自分は自分」・「他人に期待しない」と割り切りで 過ごすことができればいいなという思う原因を、意外にも 整理してくれる作品です。(50代男性)
57.山口瞳「江分利満氏の華麗な生活」
社会小説山口瞳「江分利満氏の華麗な生活」がおすすめの理由
社宅暮らしの平凡なサラリーマンである、江分利満氏の日常生活の風景をユーモアセンスたっぷりとしたタッチで描いている作品になります。勤め人から小説家へと転身した著者らしく、全ての働く人への優しいメッセージが込められていました。(30代男性)
58.大沢在昌「鮫島の貌」
社会小説大沢在昌「鮫島の貌」がおすすめの理由
この本は「新宿鮫シリーズ」の短編集ですが、シリーズを読んでいなくても楽しめました。どの話もすっと読めました。 「シティハンター」の潦と香が出てくる話や、「こち亀」の両さんが出てくるのやら、ちょっと驚くこともできました。(30代女性)
59.有川浩「三匹のおっさん」
社会小説有川浩「三匹のおっさん」がおすすめの理由
色々考えさせられる作品だと思ったからです。 視点がかちょくちょく変わるところもこの作品の良いところだと思います。 自分の一番好きなシーンはノリが自作のスタンガンを自慢げに話しているところです。 なんとなくそのシーンは強く印象として残っています。(10代男性)
60.池井戸潤「七つの会議」
社会小説池井戸潤「七つの会議」がおすすめの理由
会社で起こったある事から続くスリリングな物語が面白かったです。人物が色々と登場しますが、読みやすいので混乱しません。どの立場の人物に共感するかで、何度も読み返すことができます。自分でドラマを作るとしたら、と俳優さんを自分で配役しながら読書しました。ドラマ化されたのも納得できます。(40代女性)
61.東野圭吾「手紙」
社会小説東野圭吾「手紙」がおすすめの理由
犯罪被害者やその家族の苦難や悲哀は、想像するにあまりある。 だが、犯罪加害者家族にも苦しみや悲しみがあるとしたら、自分は何も罪を犯していないのに後ろ指を指され続けるとしたら。 『手紙』はそんな犯罪加害者家族の苦しみを描いた作品だ。私はこの小説を読んで初めて、犯罪加害者の苦しみに想いを馳せるようになった。1度読んでみると、価値観が変わるかもしれない1冊だ。(20代女性)
62.有栖川有栖「狩人の悪夢」
社会小説有栖川有栖「狩人の悪夢」がおすすめの理由
ドラマ「火村英世の推理」の原作シリーズ。ドラマの影響で原作本を読むようになったのですが、とても面白いです。特にこの狩人の悪夢は火村が抱えていた悪夢の謎について記述されていたり、火村と有栖の会話もドラマに出てきそうな会話で(以前はもっと事務的なものしか話してなかった気が)今回のトリックも面白かったし、最後の有栖もかっこよかった。どうせならドラマを見てから本作を見るとより面白くなると思います。(20代女性)
63.内館牧子「終わった人」
社会小説内館牧子「終わった人」がおすすめの理由
若手・中堅の頃には、会社での昇進と出世が生きがいで、 実は他人からの評価を、自分に対するに価値に置き換えて いたことに気付くきっかけになります。 会社から離れると誰も、わかりやすい評価はしてくれない。 評価して欲しい、認められたいという気持ちは、たぶん、 自分にも残り続けそうな気がします。 定年後、看板・肩書きなし皆同じになる前に、自分の価値 を自分自身の評価のもとで見つけておきたい、そのための こころの準備やこれからの働き方を、考えさせられる作品 です。(50代男性)
64.綿矢りさ「蹴りたい背中」
社会小説綿矢りさ「蹴りたい背中」がおすすめの理由
ひとつの恋愛を通して男性の思考女性の思考、片方がうまくいけば片方が苦しむ片想いの苦さがあります。最後にタイトルの意味が明らかになります。全員幸せになろうとしているのに苦しい描写が幸せに関して考えさせられます。(30代女性)
65.フランツ・カフカ「城」
社会小説フランツ・カフカ「城」がおすすめの理由
作中の「城」は、神の領域を表すとも、複雑な行政機構を表すとも言われます。しかし宗教や政治の視点で読むと視野が狭くなるので、もっと広く解釈すべきでしょう。つまり、色々億劫になっても生き続けなければいけない「面倒臭い世の中」を表していると読みたいものです。(30代男性)
66.沢木耕太郎「深夜特急」
社会小説沢木耕太郎「深夜特急」がおすすめの理由
言わずもがな紀行小説の定番作品です。数多くの若者がこの作品に触れバックパックを背に旅することに夢を膨らませ憧れを抱き海外に旅立って行ったと思います。かくいう私もその一人です。旅の楽しさが観光やショッピングだけでなく何気ない現地の人々の生活を垣間見ることにあることに気づかされる作品です。(30代男性)
67.夏川草介「神様のカルテ」
社会小説夏川草介「神様のカルテ」がおすすめの理由
実写化で映画になっているため、登場人物の想像がしやすいです。 また、地方の医療現場を実際に経験された方が書かれているため、リアルなのに心が温まる内容になっています。 自分もこんな先生に出会いたい!と思わせてもらえる作品です。(20代女性)
68.大崎善生「聖の青春」
社会小説大崎善生「聖の青春」がおすすめの理由
今、将棋界がブームを迎えていますが、羽生名人が若い頃、実力が拮抗していた村山聡という棋士がいました。ただ、彼が他の棋士と異なっているところは、幼い頃に腎臓に病を抱え、入退院を繰り返していたことです。入院していたベッドの上で、将棋の本に夢中になり、寝るのを忘れるほど読みふけり将棋の魅力にとりつかれてしまいます。やっと奨励会に入り年長の相手にも勝つ実力があるのに、体力がないため長い対局ができない。母親は、丈夫な体に産んでやれなかった自分を責める。父親は彼の望みは何でも叶えてやりたいと奔走する。師匠は彼の実力を知っているからこそ、彼の不遇が悔しい。将棋に短い命をささげた彼の生きざまは、映画にも舞台にもなっていますが、今また読み返してほしい本です。(50代女性)
69.筒井康隆「聖痕」
社会小説筒井康隆「聖痕」がおすすめの理由
幼少期に性犯罪被害に遭った少年を巡る、長編小説。まず、こんなに豊かな日本語の使い方があったのかと驚くほどの、目にすることが少ない語彙が豊富です。また、昭和から平成にかけての時事を扱っており、同じ時代に自分は堂生きたか重ねることもできるのが楽しみでした。(30代男性)
70.重松清「青い鳥」
社会小説重松清「青い鳥」がおすすめの理由
阿部寛さんの大ファンで、映画化された物を見て小説を読みました。吃音の教師が過去いじめがあったクラスに赴任する。いじめから目をそらさず、向き合って行く。生徒や学校がごまかしたり、その場しのぎの言葉と反省の態度でやり過ごすことを許容せず、静かに他者と交わることをせず、淡々と正しいことを貫き通す。過激で残酷な描写がない事が余計に想像力を掻き立てられ、独り静かに戦う教師の姿に涙が止まりませんでした。(30代女性)
71.浅田次郎「蒼穹の昴」
社会小説浅田次郎「蒼穹の昴」がおすすめの理由
浅田次郎は好きで色々読みましたが、最高にして傑作です。 中国の清の時代を独自に切り込んで史実を交えながら創作されています。 虚実の主人公を主体に物語は進みますが、売奴国とされている西大后は本当に売奴国だったのか・・・と進んでいきます。 主人公はいわゆる貧乏な家に生まれそこから宦官として成り上がっていく王道のストーリーですが兄弟愛・国をまとめるべき人としての葛藤が描かれており、涙なくては読めません。 私自身も新幹線の移動中に最後を読みましたが、恥ずかしながらラストでは新幹線の中で嗚咽してしまいました。(30代男性)
72.江上剛「退職歓奨」
社会小説江上剛「退職歓奨」がおすすめの理由
会社のために、一生懸命に生きてきた人たちが描かれた短編集です。 描かれる各お話しは、氏の銀行員の経歴から、銀行そのもの、 その取引先として見てきたであろう(中小)企業の世界が、 多少作り話し感はあっても腑に落ちる描かれ方です。 各作品を読み終えて、それぞれに付けられたタイトルを見返すと あらためて感動します。 会社から離れ家族や夫婦の一員に帰っていく姿、会社から決別して いく姿に、幸せって何だっけ?の回答が見えてきます。 ほのかでありながらも確かな勇気が心の中に沸いてきます。(50代男性)
73.山崎豊子「大地の子」
社会小説山崎豊子「大地の子」がおすすめの理由
日本の敗戦後、大陸に取り残された中国残留孤児にスポットを当てた小説。彼ら、彼女らそしてその家族が、時代のうねりに翻弄されながらも、必死に生き抜く様を描いており、戦争とは、親子・家族とは何なのかなど、普段の生活からは中々省みることがないテーマについて、読者に問いかけてくれる傑作です。(20代男性)
74.太宰治「津軽」
社会小説太宰治「津軽」がおすすめの理由
冒頭では津軽地域の地理や交通やそこに暮らす人々を客観的に描いたドキュメンタリー小説に思えます。しかし次第に特定の主人公からの視点による物語に移り、いつもの太宰らしい自伝小説に落ち着く流れが独特でした。(30代男性)
75.東野圭吾「天空の蜂」
社会小説東野圭吾「天空の蜂」がおすすめの理由
原発の上でヘリコプターをホバリングさせ、要求を呑まなければ落とすという切羽詰まった状況の中で政治家や技術者たちがどう動くか、というストーリーなのだが、登場人物について細かく書かれていて非常に面白い。 突拍子もないような、現実ではあまり考えられないような話ではあるがそこに非現実性を感じさせず、自然な形でストーリーを進めているという点が素人ながら感心できるし、作家の力量を感じさせる。(20代男性)
76.フランツ・カフカ「田舎医者」
社会小説フランツ・カフカ「田舎医者」がおすすめの理由
「人生は大きな流れに翻弄されるのみであり、自分では逆らうことができない」とする著者の姿勢が分かりやすく表れた短編です。難解な短編が多い中でこれは読みやすく、患者に翻弄されっぱなしの主人公である医者の悲哀が伝わってきました。(30代男性)
77.吉村昭「冬の鷹」
社会小説吉村昭「冬の鷹」がおすすめの理由
正月ドラマの「風雲児たち〜蘭学革命篇〜」でテーマになっていた、藩医の前野良沢の実話です。ターヘル・アナトミアの翻訳「解体新書」に深く関わっているのに、自分の名前を出さなかったストーリーが、あのドラマよりも克明に記されていて面白いです。(40代女性)
78.角田光代「八月の蝉」
社会小説角田光代「八月の蝉」がおすすめの理由
不倫相手の赤ちゃんを誘拐してしまう女性の物語です。不倫相手の言葉を信じ、堕胎した女性のやりきれない思いや、誘拐犯を母だと慕い育った娘……。本当に切ないです。警察の捜査の網が迫ってくるほど、はらはらしてとても面白いです。(30代女性)
79.池井戸潤「飛ぶタイヤ」
社会小説池井戸潤「飛ぶタイヤ」がおすすめの理由
企業倫理のあり方を改めて問い直すことに強いメッセージを感じる作品です。利潤の追求のみに固執する大企業の経営陣と冤罪のような形で存亡の危機に立たされる中小企業の経営者、彼らを取り巻く家族やさまざまな思惑。胸をすく思いの結末ですがそれぞれの苦悩に深く引き込まれ、改めて自分自身を問い直すきっかけになりうる作品であると思います。(30代男性)
80.藤田孝典「貧困世代」
社会小説藤田孝典「貧困世代」がおすすめの理由
この小説は、現代を生きる若者たちの貧困をテーマにしており、貧困に苦しむ若者を実際に実例として取り上げており、現代の働き方や生活のあり方を考えさせられる本です。また、日本の奨学金制度の変化などもわかりやすく説明されておりおすすめです。(10代女性)
81.池井戸潤「不祥事」
社会小説池井戸潤「不祥事」がおすすめの理由
銀行内部で起こる様々な事件を主人公が軽快に解決してゆくのだが、銀行内部の複雑な人間関係や銀行同士の派閥など、普通に生活していては決して見ることのできない世界がわかりやすく説明してあり、銀行に精通していない初心者でも楽しめるのが素晴らしい。(40代女性)
82.山崎豊子「不毛地帯」
社会小説山崎豊子「不毛地帯」がおすすめの理由
軍事,商社,恋愛,国際,政治など様々な分野に関する要素が詰め込まれた作品です. 主人公は旧日本陸軍軍人でシベリア抑留から引き揚げてきてから商社マンになるという,全く異分野に挑む物語です. なので,転職しようか迷っている人も勉強になると思います. 大型小説のため,かなり読み応えがあります.(20代男性)
83.荻原浩「明日の記憶」
社会小説荻原浩「明日の記憶」がおすすめの理由
この物語は若年性アルツハイマー病を題材としており、おる男が徐々に記憶が減退していく様が、めちゃくちゃリアルに描かれています。 自身も歳を取って来て記憶力が減退してきている実感があり、物語が自身の延長上にあるとてもリアルなものに感じられました。(40代男性)
84.薬丸岳「友罪」
社会小説薬丸岳「友罪」がおすすめの理由
会社の同僚が実は少年犯罪の加害者だったら、というテーマが軸になっている小説で、重たく暗いテーマでありながら、しっかりと切り込んで丁寧に登場人物の心理が描かれています。加害者が生きることの難しさ、厳しさや、取り巻く人間関係を通じて、何が正しいことなのか、と。読了後もしばらく考えさせられる作品です。(30代女性)
85.宇江佐真理「憂き世店 松前藩士物語」
社会小説宇江佐真理「憂き世店 松前藩士物語」がおすすめの理由
江戸末期、浪人となった松前藩士が主人公です。主家が国替えとなり、禄高を削られた故の、浪人暮らしとなりました。 主家の国替えを元に戻してほしいと願いつつ、日々を暮らしています。 長屋暮らしの日常を余すことなく描き出しています。江戸時代の庶民の暮らしが良く分かる小説です。(60代女性)
86.東野圭吾「容疑者Xの献身」
社会小説東野圭吾「容疑者Xの献身」がおすすめの理由
ドラマガリレオがやっている頃から見た柴崎コウと福山雅治の芝居に感動し映画も観たのですが原作まで見たくなるぐらい難解なストーリーに心惹かれました。実際に読んでみると所々に散りばめられている謎を解決するヒントのようなものがあり最後にはそうなるのかというあっと驚く展開に本当に驚いてしまいました。(50代女性)
87.貫井徳郎「乱反射」
社会小説貫井徳郎「乱反射」がおすすめの理由
温井徳郎は人間心理をするのがとても上手だと感じているが、この作品は人間の悪意ない愚行にすごく衝撃を受ける作品だった。 みんながみんな、想像しうる最低の思考回路を持っていて、そしてそれが当たり前になっている怖さを感じた。(30代女性)
88.池井戸潤「陸王」
社会小説池井戸潤「陸王」がおすすめの理由
2017年の秋冬にドラマ化された、陸王の原作です。この物語は、老舗足袋業者であるこはぜ屋が、会社生存のために新規事業としてランニングシューズの開発に挑戦する物語です。こはぜ屋の伝統と情熱、仲間との絆だけでなく、銀行員のサポートやマラソン選手との出会いによりこの新規事業の行く末が大きく左右していくところが見どころです。王道な展開ですが、それでもとても心が温かくなるようなそんか作品です。(20代女性)
89.トルーマン・カポーティ「冷血」
社会小説トルーマン・カポーティ「冷血」がおすすめの理由
実際に起きた殺人事件からインスパイアされたストーリーになり、ふたりの男たちが凶行に及ぶまでの道のりを克明に描いている作品になります。人間の心の奥底の不確かさが映し出されていくとともに、罪を許した後に訪れる僅かな救いも伝わってきました。(30代男性)
90.貫井徳郎「慟哭」
社会小説貫井徳郎「慟哭」がおすすめの理由
新興宗教が題材の小説ですが、社会の中でのやるせなさなど、かんがえさせられる部分も非常に多かったです。また、貫井徳郎の作品の中でも、全てがひっくり返るような叙述トリックが非常に見事な一作で、これがデビュー作であったということには本当に驚かされます。(30代女性)
91.塩川武士「騙し絵の牙」
社会小説塩川武士「騙し絵の牙」がおすすめの理由
俳優の大泉洋を主人公に当て書きされた新しい小説のパターンだという事が1つの理由です。 読み進めるほど頭の中で大泉洋が暴れまわります。 モノマネなど細かい部分まで大泉洋にぴったり合うように書かれているので、大泉洋ファンの方にもオススメ!(20代女性)
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