【2019年】村上春樹おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】村上春樹おすすめの本ランキングTOP7

村上春樹の作品は解決や収束ではなくて、日常の中の幻想、音楽や歴史や芸術の知識が散りばめられています。1ページ1ページの雰囲気、会話のテンポ、言葉の選び方がたまらなく良い。文字と言葉の持つ影響力の大きさに衝撃を受けて以来、村上春樹さんの虜です。村上春樹さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.村上春樹「風の歌を聴け」

村上春樹「風の歌を聴け」がおすすめの理由

村上春樹のデビュー作。夏になると読みたくなるけど、夏を思い出したいときにも読みたくなる作品です。独特の言い回しと、淡々と過ぎていく描写が特徴的。とても大学生とは思えない大人っぽさに、まるで海外を舞台にしたような世界観です。学生時代の有り余った時間を楽しく過ごした思い出と、なんだかスッキリしない気分で過ごした思い出が蘇るような、輝いているけど切なくなるような小説だと思います。この小説がきっかけで、カリフォルニアガールを聞いて、ビーチボーイズを聞くようになりました。最初の作品から、自分自身もストーリーがどこに行き着くのか分からない、本筋と関係はなさそうだけど水脈で繋がっていそうな話を随所に挿れる、という村上春樹さんのスタンスが色濃く現れていました。ここが原点と分かった上で他の作品を読めば、また印象が変わりそうな気がします。

 

 

第6位.村上春樹「レキシントンの幽霊」

村上春樹「レキシントンの幽霊」がおすすめの理由

表題のレキシントンの幽霊は高校の教科書に載っています。これだけの人気作家、少し読んでみたいけど長編はしんどい…という方はこういう短編集からどうぞ。短編は実験的タネとしての試みにもなっているのかもしれません。長編に比べて物語に重厚感はありませんが、その分歯切れがとてもよく長編で時々感じる冗長さを全く感じないのも楽しいです。本作は孤独や心の奥底にある恐怖がテーマになっているように思えました。淡々と、静かに、美しい日本語で、目には見えない恐怖に引きずりこまれるような感覚。目には見える恐怖よりも、例えば罪の意識だとか、過去の思い込みだとか、そういった目には見えない恐怖の方がずっと恐ろしい。心の世界へ迷い込んだり、そこからやってくれるものたちを上手く描いていると感じました。小説は言葉で説明しきれないものを伝えることができるんだということをひしひしと感じさせてくれます。

 

 

第5位.村上春樹「海辺のカフカ」

村上春樹「海辺のカフカ」がおすすめの理由

象徴的なセリフや出来事がたくさん起こります。一読して意味はよくわからないけど引き込まれるのはさすがです。この作品では何人かの人物が死を求めて、然るべきときに死ぬ。そのことに対して、生きている人は思い出すこと、記憶をもつことで、死んだ人を自分の一部として抱えておく。生きていく意味のひとつに、死者の記憶を紡いでいくことが役割としてあるのではないかなと思いました。少年カフカの物語と、ナカタさんの物語は重なりあうことはないけれど、共通点と相違点が多く、比べて読むことでテーマ性というのが浮き上がってきそう。結論がつかずに終わるところに、まだカフカの物語は続くのだと思わせる余韻がありました。普通の物語に飽き飽きしている人にはとても刺激的で挑戦的、それでいて癒されます。喪失と再生、そして人との繋がりに温かみを感じることができる作品です。

 

 

第4位.村上春樹「騎士団長殺し」

村上春樹「騎士団長殺し」がおすすめの理由

先の読めないストーリー展開と、登場人物の理知的会話、英文を翻訳したような文と、村上春樹さんの魅力がつまった本でした。村上春樹さんにしか描けない世界観と、文体と、ストーリーだと思います。虚構と、虚構を感じる力は、人間にしか備わっていない力で、それが確かにあると信じることで、とても力強く生きていけるのではないかと、そんなことも感じさせます。従来の村上作品は、記憶とは主人公を苦しめる存在であることが多かったように思えます。しかし本作では、まさに記憶こそが苦難を乗り越える原動力となります。妹の手の温かさの記憶が蘇ってくるシーンは屈指の名場面ではないでしょうか。近頃、きちんとした起承転結があり、派手で、わかりやすい言動が、並び立てられている映画や小説が多いように感じますが、この小説は全く先が読めないし、何を意味するのかを能動的に受け取る必要があります。こういったものを描けるのはやっぱり村上春樹しかいないなと思います。

 

 

第3位.村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」がおすすめの理由

高校を卒業したてのころは、法律的にも大人とみなされて、自分自身もやっと大人になったと思う年頃。でも、精神的には簡単ではなくて、やりきれない思いをどうしたら解消、解決できるのかも分からない。そして、大学や就職といった新しい環境の中で抱える葛藤。高校の頃のように朝から晩まで同じ対等な立場の人間と一緒にいないし、そういった心の支えがいなくなることはこんなにも人を脆くしてしまうのでしょうか。少なくともこの時期から、私たちは一生懸命120パーセントの力を出して生き延びなければならないんだ。多崎つくるの心の葛藤と生き方を見ました。未舗装で障害物だらけの人生を乗り越え、途中で座り込まずに歩んでいるつくるはしっかりと自分の色を持っているはず。丁寧な日本語で、比喩がとても綺麗でした。忘れたくない言葉がいっぱいありました。

 

 

第2位.村上春樹「ノルウェイの森」

村上春樹「ノルウェイの森」がおすすめの理由

学生の時にこの本に出会い、とても衝撃を受けたのを覚えています。ずんぶん経ってからまた読み返してみて、作者の言いたいことが何かと聞かれたらやっぱりわからないままだけど、でもこの作品が特別であるということはわかります。わからないけど、なんだか惹かれる、そんな作品。登場人物がそれぞれに色んな事情を抱えていますが、ワタナベくんが、直子と緑という全く対照的な女性に惹かれていくなかで感じる苦悩や葛藤の描写が良いです。私が感じたことは、直子は死に向かっていて、緑は生に向かって歩いている、そんな気がしました。そして、身近な人の死は、どんな慰めも真理も決して役には立たないという言葉が胸に響きました。人の命、愛について考えさせられた本です。「わたしのお願いをふたつ聞いてくれる?」「みっつ聞くよ」このやり取りが好き。やっぱりワタナベくんは魅力的。

 

 

第1位.村上春樹「1Q84」

村上春樹「1Q84」がおすすめの理由

面白くて夢中になって読みました。これを読んでいる間は、その時間だけ別空間にいた気がしました。読み進めれば進むほど、謎が深まり、ぐいぐい引き込まれます。新興宗教とかSF的要素とか親子関係とか色々出てきますが、結局これは「恋愛小説」で、しかも天吾と青豆のこの世の色んな秩序や時空を超えた純愛がメインテーマだったんだなと読み終わって思いました。BOOK3は余計だったという酷評も見たことありますが、素直に面白かったです。あの牛河が天吾、青豆に次ぐ主役になるとは思いませんでしたが、謎の人物であった牛河の過去が垣間見えたのは良かったです。その薄気味悪さと執拗さに嫌気がさしたが、彼がタマルによって説得されてみると、いかにも気の毒な気がしたから、人の気持ちとか個人が考える善悪・正邪なんて当てにならないものだと改めて思いました。とてもとても長い物語の中で、読み取れたメッセージよりも、味わったシナリオの方が多かったように思います。

 

 

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