高村薫おすすめ作品ランキング
9位タイ.高村薫「空海」(2票)
高村薫「空海」がおすすめの理由
空海、つまり弘法大師が過去に訪れたという全国の名所を、実際に訪問した上で功績を説明するという力の入った著作です。仏教に関する下地の知識がないと読み進めるのが難しいかもしれませんが、信仰の対象となっていた山と一体化した弘法大師の行脚の様子が伺えました。(30代男性)
人間、空海を求める著者の紀行文。天才的な宗教家としての側面は残っているけれど、どんな人なのかを示す資料はそこまで残ってないんだそうです。空海の伝記を書いているようで、実は宗教と現代との関係を問うもので、裏テーマは、宗教と日本人の土着酸素精神との関係で勉強になる。(30代女性)
9位タイ.高村薫「照柿」(2票)
高村薫「照柿」がおすすめの理由
これでもかというくらい重厚な文体。息苦しいまでの熱気。最近の小説には見かけない登場人物の圧倒的な存在感。熱処理の工程の緻密な描写。日常に違和感を抱いた暮らしから、本来の自分に戻るものの最後には崩壊していく人たち。読者を選ぶ作品ですが、何度読んでも面白いです。(30代女性)
一番好きな高村薫作品は、これかもしれないと思う本です。なんといえばいいかまったくわからないんですけど、すごい読後感が残る小説。合田刑事シリーズは皆好きなんですが、最も心にきたのはこの本です。主人公の心のゆらぎがほんとうにダイレクトにつたわってくる話で、のたうつような生々しさでした。(30代女性)
9位タイ.高村薫「神の火」(2票)
高村薫「神の火」がおすすめの理由
原子力発電所がいかにテロ攻撃に対して無防備であるかを語る小説です。昔の小説であり、社会情勢に合わせて一部が改訂されているようですが、大筋は変わらないでしょう。即ち、「原発は、外部からの物理攻撃よりも、内部での電源喪失に弱い」という内容でした。それをミステリー小説で訴えられると、より空恐ろしく感じます。(30代男性)
作中の人物像にとても惹かれました。原発がテーマのサスペンスですが、人の心情など細やかに表現されており、細部へのこだわりを感じました。ひとつひとつの描写が丁寧で読みやすく、それでいて迫力あるシーンもあるので、飽きません。(20代女性)
6位タイ.高村薫「わが手に拳銃を」(3票)
高村薫「わが手に拳銃を」がおすすめの理由
一気に読めて、ドキドキします。背景とか拳銃や機械の描写の細かすぎるところは頭に入ってこない部分も多いが、理解できなくてもそういうところがハードボイルドな感じでいいなと思いました。男同士の絆や愛が感じられる作品です。(30代女性)
「李歐」の前身、本筋はよく似ているし著者がリメイクしたのはよくわかるんですが、こちらはこちらで凄い好きです。読んだのもこちらがさきでした。すごく小説に疾走感があり、ぐいぐいひきこまれる感じがいいです。こっちのリ・オウの格好良さも筆舌に尽くしがたいです。(30代女性)
読み始めは聴きなじみの無い工具や拳銃の名前、それらをどう使うのかという説明が長くて難しかったです。 読み進めるうちに会話文も多くなってきたのと慣れで読みやすくなっていきました。 悪と分かっているのに止められない、拳銃作りに魅了された男とその男によって運命が変わった男のマニアな世界だったなと感じました。 ハードボイルドの作品です。(50代男性)
6位タイ.高村薫「四人組がいた。」(3票)
高村薫「四人組がいた。」がおすすめの理由
村のおじいさん4人組の話なのだが日常描写でもなく、なぜか閻魔大王も登場するファンタジー展開に驚きます。和風ファンタジー小説といったところでしょうか。ただし、高齢者政策や、地獄でも財政再建のために苦行を削減する施策など、社会風刺も込められていました。(30代男性)
高村薫さんのユーモア小説。少々ブラックでファンタジーです。風刺も効いているし、ネットを自在に操るじーさんばーさんが主人公で時々クスリとしてしまう。私にとってユーモア小説ってもっと軽いものかと思ってましたが、色々と詰まっていて、繰り返し読みたい一冊です。(30代女性)
都市と地方の格差やら老人差別やらをテーマに、高村さんらしいシャープで硬派な展開を期待していたら、一言で言えば、ダークなファンタジーです。後半になればなるほどリズムが出てきて、こちらも世界観に慣れて、楽しく読めました。(40代女性)
6位タイ.高村薫「地を這う虫」(3票)
高村薫「地を這う虫」がおすすめの理由
元刑事を主人公として描いた短編集です。刑事とは栄光を浴びることのない仕事、という前提に展開する寂しい雰囲気の話が多い印象でした。推理の鋭さに感動するよりも、細かい証拠を探して収集していく作業に地道な努力を感じさせられます。(30代男性)
元刑事を主人公として描いた短編集です。どれも読みやすく、些細な証拠を元に地を這いずり回るような地道さあるいは陰湿さと、刑事小説ならではの推理の鋭さを味わえます。一方で、栄光を浴びることのない仕事という面には寂しさも感じました。(30代男性)
それぞれの理由で警察を辞めた男たちの、それぞれの物語四編。それぞれの小さな事件をきっかけに、過去に縛られた自分を見て、ひとつ何かを乗り越えていく話。愁訴の花の須永の話は特に泣けます。こういう人が地を這う虫なんだと思いました。(30代女性)
4位タイ.高村薫「黄金を抱いて翔べ」(5票)
高村薫「黄金を抱いて翔べ」がおすすめの理由
さもすれば安っぽく、押し付けがましさもでそうなテーマですが、大人っぽく上品な文体のためか、さらっと読み進めることができました。 もちろん途中の展開には起伏があり、退屈しません。大人っぽいと書きましたが、決して難解な文章ではないので、中高生でも楽しんで読み進めていけると思います。(30代女性)
ついつい熱く硬く息苦しい男たちの世界にのめり込んでしまいます。この色んなものが詰まった犯罪者達に肩入れしてしまいました。高村薫さんならではの相変わらずの世界観。所々分からないところもありましたが、それも飲み込む熱い塊でした。(30代女性)
図書館の新刊コーナーから無造作に手に取って読み始め、寝る時間を削って一気に読んだ覚えがある。 力強く、疾走感にあふれ、こちらまで彼らの体温が伝わってくるような臨場感。 その世界に引き込まれてしまい、現実に帰ってくるのが難しい程だった。 作者はこの本がデビュー、しかも女性? 同じ女として、読後にそれを知って打ちのめされた。 その後の彼女の作品も読んでいるが、入門書として素晴らしかったように思う。(40代女性)
6人の男たちによる金塊強奪が描かれた胸躍る小説です。今となってはちょっと古くなっている記述などもありますが、当時のハイテクを駆使して複雑な計画が実行される様は読んでいてもワクワクしてきます。6人の男それぞれが個性的で魅力的で、感情移入してしまうからこそ最後には様々な意味での涙が出てくるような小説です。(30代女性)
映画にもなりましたが、小説の方が断然面白いと思います。登場人物の細かい心理描写は無いのですが、起こる事象から気持ちを読み取ったり、想像する余地があるので自分なりの解釈を加えながら読み進めることができます。(30代女性)
4位タイ.高村薫「李歐」(5票)
高村薫「李歐」がおすすめの理由
好きで好きで、幾度となく読み返した本です。李欧があまりにも鮮やかすぎて、言葉にならないです。今でも思い出すとドキドキする・・・。主人公吉田一彰の目から見た李欧は本当に昔の日本人が憬れただろう「大陸」そのもののような男なんだな、って気がします。とにかく好きです。(30代女性)
長い年月、小さな約束を胸に激動の生きた二人の男。お互いが磁石のように引き寄せあうような、それでいて常に大きな壁が立ちはだかっているようなもどかしさ。広大な土地を桜吹雪と共に爽やかな風が吹き抜けていくような清々しい余韻を残してくれました。(30代女性)
暴力や夜の世界のアンダーグラウンドな空気、旋盤や銃の構造などの細かく専門的な描写で軽く読むには不向きかと思いますが、主人公と李歐のその先が気になってページをくってしまう本。下書きとされる「我が手に拳銃を」に比べると、人の心情が描かれることが増え全体に華やかになった印象もあり、それが更に2人の行き着く先を豊かにみせてくれて良い。(40代女性)
どこか欠落したような思いを抱えながら生きる主人公と、裏社会とのつながりを持つ妖しく美しい中国人青年・李歐。ほんのひと時交錯する男たちの人生が、その後の主人公に大きな影響を与えていきます。高村薫さんならではの濃厚な文章でつづられていく彼らの人生の物語はとても読みごたえがあり、その上でのラストシーンは本当に美しく胸を打たれるものがあります。(30代女性)
高村さんの本は何冊か読みましたが、もの悲しく胸をつかまれるような作品が多かったです。この作品の主人公は大学生なのですが、李歐という殺し屋に出会い運命を感じます。そのわけは主人公の幼少期なども関係してきます。日本だけに収まらず、大陸にも舞台が広がっていき、月日も流れ、大河ドラマを見ているような感覚の作品です。1999年の作品なのですが、いまだに時々手に取って、読み返す本のなかの一つです。運命のもどかしさや、なげやりに見える主人公のせつなさなどを感じながら読んでいただきたい一冊です。(50代女性)
3位.高村薫「リヴィエラを撃て」(7票)
高村薫「リヴィエラを撃て」がおすすめの理由
国家機密をめぐり、イギリス・アメリカ・日本の思惑が錯綜して、IRAやCIAやイギリス首都警察が暗躍するミステリー小説です。公安やテロ組織が暗躍し、関係者が次々と消されていく壮大な展開でした。登場人物のつながりをつかむのが大変で一回読んだだけでは俯瞰できないかもしれませんが、それだけ著者の視野の広さが伺えます。(30代男性)
国家機密をめぐって各国の警察がせめぎあうという、緊張感あふれるミステリーです。ストーリーが世界的規模に壮大なので人物関係を追うのが複雑ですが、それにめげず何回か読み返せば、登場人物の裏のつながりが見えてくるなど深く楽しめるでしょう。(30代男性)
私が読んだのは文庫でした。あとがきで作者は大幅に加筆と書かれておりましたが、あまりにも読後のスケール感に圧倒され読了から10年経た今でも、心にハードカバーを手にするか否か葛藤を生じさせる作品です。島国日本ではどうしても狭い組織の話になりがちですけど、地球規模で描き且つ人間の儚さを対比が際立ちます。私自身在英の経済学者に私淑しておりましてラストなどはらはら致しました。(50代男性)
スパイをテーマにした作品で、高村薫らしい上質な硬さのある小説。 CIAやMI5、MI6という諜報機関が好きな人にはたまらない。 登場人物がみな魅力的で特にシンクレアという人物が強くて美しく憧れる。 つらい展開もあるが、彼らの人生や生き様をしっかり魅せてくれる重くも素晴らしい作品。(20代女性)
IRAなど国際的な機関が登場するのでとっつきにくい部分もあると思いますが、非情な展開のなかに見え隠れする、作者のエモーショナルな部分に驚きます。この作者に興味を持った方に、まずおすすめしたいです。シリーズものではないし、他の作品と一線を画して毛色が変わっていますが、高村薫のすべての要素が入っていると思うのです。(40代女性)
長編大作です。あまりにも壮大で深すぎる世界観の中に詰め込まれたハードすぎるほどの内容が、読むスピードを緩めさせません。日本冒険小説協会大賞と日本推理作家協会賞長編部門の両方を受賞された傑作スパイ小説です。(30代女性)
海外では政治や宗教の争いが身近に存在する事や、イギリスと北アイルランドの問題を知る切っ掛けになりました。そこに身を置く人達の生き方、見守る人達のやるせなさが伝わります。推理小説としてはボリュームがある内容かもしれませんが大変勉強になりました(30代女性)
2位.高村薫「マークスの山」(8票)
高村薫「マークスの山」がおすすめの理由
推理小説にありがちな「癖のある登場人物」が少ないので、純粋に事件のトリックや動機にだけ注目して読み進めることができます。難解な単語や詳しい説明が長いと感じるかもしれませんが、終盤にかけて一気に解決へ向かう様が爽快でした。(30代男性)
高村薫の代表的な推理小説。刑事の合田が主人公で南アルプスの北岳や奈良田を舞台にした奇怪な事件の推理小説です。ストーリーが刑事の合田を中心に展開され、起きる様々な不思議な事件や合田の推理がとてもよく描かれています。(40代男性)
骨太なハードボイルド作品。謎が謎を呼び、主人公の刑事の焦りが読む者にも伝染して物語にぐいぐい引き込まれます。犯人と思しき人物の抱える闇や、刑事たちの人間描写が細かいなど、群像劇の側面もあって読み応え充分でした。(30代女性)
高村薫さんの小説はあまり読みませんでしたが、マークスの山を読んでみて、殺人事件の犯人のトリックなどにハマりました。あとラストシーンに戦慄を覚えました。犯人が凍りづけになって、山頂か山中で遺体で発見されるというものだったと思います。とにかく、物語の展開に不気味さと疾走感があると思います。おすすめです。(40代女性)
警察小説の中では最高峰のひとつであると思います。主人公の刑事である合田を軸に、南アルプスで起きた殺人事件の捜査から始まりやがてそれは東京で起きる連続殺人につながっていくという物語です。副主人公の殺人者マークス、そして同棲相手の真知子それぞれが織りなす内なるものに潜む葛藤と希望そして喪失感が圧倒的迫力で伝わってきます。余談ですが、この小説は、僕の好きな小説家の一人東野圭吾さんの「白夜行」にも影響を与えたのではないでしょうか?あくまで私見なのであしからず。(50代男性)
合田雄一郎を主人公とする高村薫の大人気シリーズの第一作目がこの「マークスの山」です。個性的でかっこいい男性が多く登場する高村薫の小説の中でも、もっとも魅力的な人物の一人が合田雄一郎でもあります。この「マークスの山」では合田雄一郎の活躍が存分に描かれています。(30代女性)
基本的なストーリーが魅力的なうえに、構成がダイナミックかつ複雑で緻密。 影のあるキャラクターも魅力だし、娯楽作品でありながら純文学のような哲学的な重厚さがある。 根底に流れる悲しい雰囲気も好き。映画化もされているので映像でも楽しめる。(40代女性)
著者である高村薫の作品の真髄と言えば、間違いなくその描写力になると思います。本作品においても、その描写力がいかんなく発揮されており、通常の精神を逸した犯人の人物描写や、思考が生々しく、濃厚に描かれています。また物語終盤から終わりにかけて、一気に駆け抜けるように読み進められるような、物語の展開にも読む価値ありという一作です。(20代男性)
1位.高村薫「レディ・ジョーカー」(9票)
高村薫「レディ・ジョーカー」がおすすめの理由
グリコ・森永事件をモチーフとした三冊の長編小説。企業の闇を上手い具合に絡ませて、一筋縄ではいかないミステリーです。重くて重厚ですが、読み始めたら止まらないです。情景が想像できるようなディテール描写は圧巻でした。(30代女性)
グリコ・森永事件を下敷きにした作品でビール会社社長誘拐事件から起こった脅迫事件について描いているのだが、警察・犯人・報道、それぞれの視点から紡がれる物語の詳細にして重厚な物語に圧倒される。あくまで架空の事件ではあるのだが、実際に起こった事件の最中にも複雑に絡み合った思惑が錯綜していたのだろうと思わされる。 かなりの長編であるが、その筆力に引きこまれて一気に読むことができた。数々のわだかまりを残しつつも辿り着いたラスト部分のエピソードから受ける衝撃とやるせなさは大きく、読み終えてから長く時間が経ったいまでも印象に残っている。 ドラマ化などもされているが、活字で読むと登場人物がそれぞれに綴るエピソードはさらに味わい深いのでぜひとも原作本を多くの人に読んでいただきたいと思う。(30代男性)
上巻だけでお腹一杯になってしまうぐらいの濃密さです。誘拐された大手ビール会社社長。その目的に絡む数々の伏線に目が離せません。上・中・下巻と読み終わった時のなんともいえない気持ちをぜひ実際に味わってみてほしいです。(30代女性)
フィクションでありながら、実在の事件をモデルに緻密なストーリー展開が魅力的な作品です。主人公達の一挙手一投足に一喜一憂しつつ、ひりつくような駆け引きにページを繰る手が止まらなくなること間違いありません。(20代男性)
有吉弘行さんが前にラジオで「俺、グリコ森永事件の本読むの好きなの」とおっしゃっていましたが、有吉さん僕も好きです。この本は設定がかなり変えてありますが、要はグリコ・森永事件の話です。犯人と警察のさぐり合いは読んでいてドキドキしました。早く真実が解明されると良いですね。(20代男性)
グリコ・森永事件を扱っていてフィクションながらノンフィクションのような読み応えがあります。ビール会社のことも扱っていてお酒好きの方もよめるのではないかと。最近は「たくのみ。」というアニメもやってますし。お酒好き、2時間ドラマ好き、映画好きにぜひ。(40代男性)
女性の作家でありながら男性作家のような視点で書かれた作品。ストーリーのおもしろさに加え、人間味あふれる合田刑事の心の描写も読み応えの一つになっています。想像を絶する結末と犯人造に引き込まれ最後まで一気に読みたくなる作品です(50代女性)
高村薫は、非常に緻密な取材と観察力に富んだ作品を書く作家さんだと思います。その中でこのレディージョーカーは、営利目的の誘拐を扱った作品なのですが、様々な人物が絡み合った、かなり濃厚なストーリーとなっている作品です。高村薫の代表作と言えると思います。(40代男性)
1票入った高村薫おすすめ作品も紹介
高村薫「我らが少女A」
我らが少女A
高村薫「我らが少女A」がおすすめの理由
毎日新聞で、連載中のミステリー小説です。 女優志望の女性が、マンションの一室で殺される。 その12年前に起きた、その女性が通う絵画教室の老講師が殺された事件と、複雑な人間模様が絡み合い、ストーリーが展開していく。 それぞれの事件に関わる登場人物たち、家族や男と女の心の闇が赤裸々に描かれた、読み手に人の心とは何かを考えさせる作品です。(30代女性)
高村薫「閑人生生」
高村薫「閑人生生」がおすすめの理由
高村薫といえば「黄金を抱いて翔べ」や「マークスの山」などの硬派なミステリー作品が有名ですが、それらに負けないぐらい硬派なのが彼女のエッセイ。日常で気になったニュースや出来事について鋭い切り口を見せながらも、分かりやすく真摯な言葉でまとめられているため、ネットのコラムよりもよほど有意義な文章体験ができます。 「閑人生生」を読めでからこっち、気になった日常的に言語化する習慣がつき、仕事にも役立っています。(20代男性)
高村薫「新リア王」
高村薫「新リア王」がおすすめの理由
高村薫の小説に出てくる男たちは何らかの宗教が身近にあるけれど、結局宗教なんて救ってくれない、受け入れられるのは怠惰な自分だみたいなやつばかりで無宗教よりタチが悪いのではと思ってしまった。ラスト、今まで息子としていた思い出話が繋がる様は圧巻。(30代女性)
高村薫「晴子情歌」
高村薫「晴子情歌」がおすすめの理由
文章の密度というか、濃度というか、粘度というか、兎にも角にもこんな文章を書けるのは高村薫さんを置いて他にいないだろうなと思いました。風が吹き荒れ、浜辺に立っているかのような、そんな荒涼とした気持ちで読み終えました。(30代女性)
高村薫「土の記」
高村薫「土の記」がおすすめの理由
自然に対して人間は圧倒的に無力で、そのご機嫌を伺うようにして暮らさせてもらうしかない。誰の人生も何か起きたり起きなかったりで、その隙間にこっそり幸せを見つけるしかない。ラストの解釈は色々だろうけど、これもまた一つの幸せの形であるのかもしれないと感慨深くなった。(30代女性)
高村薫「半眼訥訥」
高村薫「半眼訥訥」がおすすめの理由
十年以上もの長きに渡るエッセイを集めた、随筆集といったところでしょうか。何気ない日常を生きているように見えつつ、小説、音楽、家、仕事について常に考える著者の姿勢が伺えました。「のどかだった」「わたくしには分からない」という一見何も考えていないような言葉にも、深い観察から得られた結果である旨が込められていた気がします。(30代男性)
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