ウディ・アレン監督おすすめの映画ランキングTOP5

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ウディ・アレン監督おすすめの映画ランキングTOP5

衣装、ロケーションがおしゃれで、アイロニカルな脚本とセリフ、毎回さらりと深いテーマを入れていて、気取らない天才だなと思います。この歳になっても精力的に作品を取り続けているところもすごいです。キャスティングがいつもナイス。

 

 

第5位.ウディ・アレン「ブルージャスミン」

ウディ・アレン「ブルージャスミン」がおすすめの理由

いつも神々しいケイトブランシェットが、こんなにも無様でイタくて泥臭くなっていく人を演じているのが面白いです。近年のウディアレンの作品ではあまりないタイプのお話だと思います。いつもの突飛なSFというかファンタジー要素はなく、扱っている事自体はなかなかシリアスです。アメリカの金融危機を連想させる夫の詐欺行為。ウォール街の妻がみんなこんなふうだとは思わないけれど、劇中では頭からっぽというか、表面的な資本主義、成金主義をかなり皮肉に描いています。無知ということの罪深さを考えさせられました。世の中には「だって分からないんだもん」で許されることは一つもないんだという厳しい現実のメッセージ。周りを見下し人の気持ちなど考えたこともないような態度。そういう風に生きてきたから、今更変えられないよというのは、ただの甘えでしかない。どんなに被害者であろうと、この多面的な世界では常に人を思いやる心がないと生きていけない気がしました。なかなかズーンとなる、大人な作品です。

 

 

第4位.ウディ・アレン「おいしい生活」

ウディ・アレン「おいしい生活」がおすすめの理由

メイが作るクッキーがやたらと美味しそうに見えて、料理映画でもないのにとてもクッキーが食べたくなります。理解できない趣味志向が、なってみたら自分も同じことをしていたという話。落書きのような絵に大金を払ったり、動物の剥製を飾ったり、お金持ちはなぜあんな趣味の悪いものを持つんだとバカにしていたけれど、そのものがどうというより、お金持ちでなければ手に入れられないという事実に価値を見出した主人公。それってもはや物質主義ともちがう、浪費主義だなと思いました。そしてお金がなくなって衰退していく。お金じゃ幸せになれない、そして傍からどう見えていようと幸せとは本人がそう感じているかが全て。人は恵まれた環境にいればそこでの新しい価値観や理想が生まれ、また貧しい暮らしのなかでもなにかの価値を見出すし、人間とはどこまでも求め続け満足することはないんだろうと思いました。個人的にはクッキー屋で食べていけるってめちゃくちゃハッピーであそこでもう上がりな気がしたけども。

 

 

第3位.ウディ・アレン「ローマでアモーレ」

ウディ・アレン「ローマでアモーレ」がおすすめの理由

少しづつおいしいタパスみたいな4つのストーリーが味わえます。お風呂では大歌手になるという誰でも共感できるあるあるを本格的に建設したら、というくだらなさ。しかしそこから生じたコンサートホールの歌唱シーンで、まさかの感動とカタルシスに包まれました。またはある日突然有名人になったおじさんの、ないものねだりの話。結局有名なときのほうが、困っちゃうよぉ。って嬉しい悲鳴のように見えて切ない話でした。きらきらして見えるもの、実体はなんであれ、時のものになるっていうことは、人の本能としてあらがえないなにかがあるのかもしれないですね。草食系男子が2人の女の子の間で揺れて倒されるまでに、ジミニークリケット的な存在がユーモアをそえて楽しかったですが、元々の彼女がグレタガーウィグが演じててすごく素敵だから、女友達との隠密がとても腹立たしく、「部屋ではできない、車でなら。」の実際なんのロジックも立っていないけど配慮があるように相手に思わせるセリフなんかがすごくリアルな心理描写でした。そしてペネロペ。彼女のためにこのシナリオを書いたと言うほど、もうピッチピチです。往年のイタリア女優のような、濃厚なフェロモンをまといつつも、すごくキュート。この一編についてはストーリーというよりはペネロペを見て楽しむものだなというものでした。

 

 

第2位.ウディ・アレン「マッチポイント」

ウディ・アレン「マッチポイント」がおすすめの理由

マッチポイントというタイトルの意味がラストで分かります。なにがハッピーエンドなのか、どこで歯車が狂ったか。ネットに当たったボールがどちらに落ちるかは誰にもわからない。運でしかない。運とは?主人公は様々な運に恵まれて、成功を駆け上っていきます。だけど満足そうではない。与えられた幸運では満たされないのか、人は破滅の道をしばしば選んでしまう。だけどなにが破滅なのか、なにが幸せなのか。とても重層的なテーマを含んでいて、観たあとに思うところがいくつもあって、気持ちがあわあわとしてしまいました。ラストの展開はパトリシアハイスミスのリプリーを思い出しました。表面上は思い通りになったけど、まるで望み通りではないというような。成り行きというにはあまりに極端な選択に行き着いてしまったけど、どこかで思い直せたかといえば、気持ち的には選んできた選択肢がいつもそのときの精一杯で。鑑賞後にとりあえず感じたことは、感情や欲に耳を貸すと非常に危ういことになるということでした。しっかりしろよと外からつっこむことは簡単ですが、これが自分だったらと思うと、終始逃げ場のない、空きだらけのようで全然空きのないストーリーだと思います。スカーレットヨハンソンのエロさ、魅力爆発です。彼女ありきの、この究極の翻弄され様。

 

 

第1位.ウディ・アレン「ミッドナイトインパリ」

ウディ・アレン「ミッドナイトインパリ」がおすすめの理由

オープニングのパリの街並みの映像が、観光の目線(あきらかに日本人と思われる観光客が歩いている)で撮られていて、とても美しい、住んで地に足のついているような街ではないですよという示しから始まります。真夜中の鐘がなると20年代にタイムスリップし、夢の中の話みたいだなと思いました。街自体も美しいんですが、とても印象的だったのが劇中の衣装です。主人公夫婦と知人夫婦の4人が登場するときのそれぞれの衣装の色彩のバランスがとてもキレイです。ヴェルサイユ宮殿やモネの美術館など、それぞれの場所の色に調和したカラーリングが見事でした。主人公の奥さん役のレイチェルマクアダムスが着ているものが、いつもカジュアルだけどちょっとセクシーな感じて、タクシーのトランクに腰をかがめて荷物を積み込むシーンで正面からスキニーデニムを履いたおしりを撮っていて、明らかにこのショットのための衣装だなと思いました。そしていいおしりです。実在の人物を演じる俳優たちは、本当に似ていてよく集めたなと感心しました。ヘミングウェイ役のコリーストール、髪があるとすごくかっこいいです。一番強烈なのはダリ、エイドリアンブロディの一番のはまり役だと思います。パリに実在する存在として出てくる女の子がレアセドゥで、ものすごくかわいいです。カーラブルーニのフランス訛りの英語もとてもキュートでした。「どの時代にいようと、過去は良くみえる、今を生きるとはそういうものだよ」というメッセージは、たまに現実逃避したくなる気持ちを、否定も肯定もせず、そういうものさと言ってくれているような気がして、観終わった後少しあたたかい気持ちになる映画でした。

 

 

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