ファンが選ぶ!フジファブリックおすすめの曲ランキング10
アップ系もバラードもどちらも変化球な歌詞が私の心にささる。独特なリズム感のメロディーが不思議と一度聞いたら頭から離れなくなる。ボーカルの志村が亡くなってからも一貫してフジファブリックらしさが楽曲の底には残っていて良い。
第10位.フジファブリック「PLAYER」
全編に優しさを漂わせたバラード。その出会いは、いつだったか、どこだったのか、平凡な日常の中で「過ぎていく日々に押され」過去のものとなっていく。それでも、どんな時であっても、あいも変わらずに側にいるよ、と伝える歌詞。とても大事な出会いが過去のものとなるほど、長い時間を共に過ごしている二人をイメージできる。「いつの日か歳をとって」も、「歌えなくなったとして」も、「どこまでもこの想いは」と繋がる歌詞は相手に対する包み込むような優しさに溢れている。変わらぬ想いを抱き続けたいというPRAYER(祈り)。自分もそうありたいと思う一曲であり、大切に想う人と一緒に聞きたいとも思う一曲。
第9位.フジファブリック「Green Bird」
フジファブリックの曲の中では、真っ直ぐな思いが胸を打つ、異色のバラードだ。「あっけないさよなら」に「思い出のカケラだけ」が残った状態の「僕」。「あなたを形成ってるそのすべて」が焼き付いて離れない、その言葉から、「あっけないさよなら」がただの別れではなく、二度と会うことの出来ない別れをも想起させる。そして「あなた」に望むことは、「愛だとか恋だとか」難しいことではなく、ただ僕のそばで微笑んでくれること。「これっぽっちもウソなんかない」心を注いだ相手を、「現状を受け入れたんだろう」と諭す自分がいる一方で、「いつの日か」また何処かでとの思いを捨て切れない自分との葛藤を歌い上げている。別れを引きずる男とは思えないカッコいいイントロも必聴。
第8位.フジファブリック「破顔」
「破顔」とは、顔を綻ばせて笑うこと。新作の壮大なバラードで、明日への期待感を高めるナンバーだ。「会いたい人に会えたかな」、「なりたい人になれたかな」と自問しながらも、「ただ息をする今日という日が何より素晴らしいこと」だと自覚して、前に進んでいく。「遮るものなど何もない」、「さぁ行こう」と結ばれる、清々しいほどの希望に満ちた歌詞。その後に続くメロディーもテンポ良く高揚感を伝えていく。「破顔」とは、いつもの顔の造作を崩すことの意もある。「ただ息をする今日」を、いつもと違う希望を持って歩んで行こう、きっと誰もがそんな気持ちになる一曲ではないだろうか。
第7位.フジファブリック「赤黄色の金木犀」
イントロが流れ始めただけで、一人歩く街角の情景が浮かんでくる。気づけば年末になってしまいそうな10月、「残りの月にする事」を「決めて歩くスピードを上げた」僕は、別れた誰かに伝えたい何かを胸に秘めている。それが何なのかは歌詞では触れられない。この曲は、忙しなく過ごすリアリストとしての自分と、過去の誰かに伝えたい何かがあるロマンチストの自分との葛藤を描いたものではないだろうか。「感傷的にはなり切れず」と言うものの、「いつの間にか地面に映った影が伸びて分からなく」なるまで、つまり夜になってしまうまで、どこか胸に引っかかる思いを蘇らせ、ざわつかせる金木犀の香り。不思議な共感を生む一曲だ。
第6位.フジファブリック「桜の季節」
桜と言えば春、春と言えば出会いと別れの季節。この曲は、春の別れを主題としたナンバーだ。例によって、登場人物の具体的な関係性は不明だが、「桜の季節」が過ぎれば「遠くの街」に行ってしまう誰か、に向けた歌詞となっている。そんな誰か、に別れる前に「手紙をしたためよう」と思うのもフジファブリックらしい。しかもその内容は「作り話に花を咲かせ」たものなのだから、尚更彼ららしい。しかしながら、その「作り話」は、本当は一緒に作りたかった思い出なのではないかと私は思うのだ。だからこそ「僕」は自ら書いたその手紙を「読み返しては感動している」のだろう。曲が終局を迎えるにつれ、「僕」は何かを「心に決めたよ」と宣言する。そこに如何なる決意を見るのか、舞い散る桜の季節の中で聞いて欲しい一曲。
第5位.フジファブリック「LIFE」
新生フジファブリックの代表曲と言っていいのでは。LIFEにはそれだけの存在感がある。何と言っても、不思議なPVに仕上がっているからだ。唐突に始まる銃撃戦、巻き込まれるフジファブリックの金澤。曲とどうリンクしてるいるのかと訝る人もいるだろう。しかしながら、歌詞を見ていくと、それぞれの解釈ができていくのではないだろうか。人生とは、傷つけるつもりがなくても人を傷つけたり、逆に一方的に傷つけられたりしてしまうもの。それが私の解釈だ。ただ、この曲を聴けば、思い通りにならない人生でも、だからこそ不意に素敵な瞬間に巡り合う。特別なことはない、だけどきっとそんな今も、振り返りたくなるそんな一瞬にいつかなっていくはず、そしてそんな過去に手を振りながら「今日も続いてく」。人生ってそういうことなのかもと思わせてくれる、素敵な一曲だ。
第4位.フジファブリック「銀河」
味わい深いバラード系の曲ではなく、こういった曲こそフジファブリックの真骨頂と言える。駆け抜けるようなテンポと、珍妙な疾走感のあるリズムで、この曲は一度聞いたら忘れない曲になる。風変わりなダンスが披露されるPVが話題となったので、ご存知の方もいるだろう。そのダンスに負けず劣らず、歌詞も不思議な世界が広がっている。関係性もわからない2人が、「真夜中二時過ぎ」に「街を逃げ出した」ところから始まるこの曲、最後まで逃避行する様が描かれており、その理由や行き先は全くもって不明なまま。それでも不思議なのは、何やら「銀河」感を漂わせる曲に仕上がっているところ。きっと気づけば、口ずさんでいるはずだ。「タッタッタッタラッタラッタッタッ」と。
第3位.フジファブリック「若者のすべて」
テレビドラマの挿入歌にも使用されたことで、耳にしたことがある人も多いはず。夏の終わりを告げる花火を見上げながら、過去に一緒に見た人を想う。2人の間に何があったのか、何を「会ったら言えるか」と考えているのか、具体的に触れないところがフジファブリックらしい歌詞だ。歌詞の中でも特に印象深いのが、クライマックス、再会した2人が、花火が終われば何か変わるだろうかと「同じ空を見上げている」という部分。2人が今まさに「同じ空」を見上げている、そう、かつてのあの時と「同じ空」を。互いの気持ちをストレートに言えない、華やかであるはずのお祭りの花火を、感傷的に見上げている甘酸っぱさ。まさに、「若者のすべて」が詰まっている曲ではないだろうか。
第2位.フジファブリック「手紙」
旧友に宛てた手紙、をイメージさせる歌詞を歌い上げるバラードである一曲。「さよならさえも言えずに」人は人と別れ、いつしかそれは思い出になってしまう。そして、別れた後の暮らしにも「いつか慣れていく」。一見すると、人は別れの中に生きている、という切ない歌詞のようだが、違う。変わる生活の中で、別れゆく友は、変わらない思い出として輝き続ける存在だと感じさせられる。互いに夢を抱きながら、歩き続けていくのだ。「旅路はこれからもずっと続きそうな夕暮れ」の中で。新生フジファブリックから、「茜色の夕日」を見ていた志村に宛てた「手紙」、そう感じてしまうのは私だけではないはず。
第1位.フジファブリック「茜色の夕日」
志村ボーカルのフジファブリック、その代表曲と言えばまず思い浮かぶのがこの曲。ノスタルジックなメロディーのイントロから始まり、呟くようなメロディーに続いていく。歌詞の中では、「どうしようもない悲しいこと」が何なのか、具体的には触れていない。けれどもそれは、過去のことであって今では変えようがないこと、それと同時に「忘れることはできない」こと、忘れてしまってはいけないことなのだと感じられる。誰しも、夕暮れを見て、ふと感傷的な気分になることが不思議とあるはず。この曲を聴くと、夕暮れが誘う寂寞の中に引き込まれていく。