【2019年】浅田次郎おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】浅田次郎おすすめの本ランキングTOP7

長編小説を読むことが多いのですが、上巻・下巻に分かれたものや5冊を超えるタイトル違いのシリーズのものなど様々あります。どの小説も読み終えるまで飽きることがなく展開していきます。時代背景や国なども様々で、過去においての不幸な出来事を単なる歴史書として伝えるのではなく現代の私たちにわかりやすく伝えてくれます。私は単なる歴史好きなのですが、言葉の一つ一つに愛情がある浅田さんの小説が大好きです。浅田次郎さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.浅田次郎「シェエラザード」

浅田次郎「シェエラザード」がおすすめの理由

第二次世界大戦中に沈んだとされる貨客船「阿波丸事件」を題材にした物語です。当時は、貨客船など軍事用以外の輸送船は攻撃しないという協定が結ばれていたにも関わらず、アメリカの魚雷によって攻撃され沈められ、2000人以上の人が亡くなったとされている事件(過去)と、その沈んだままになっている船を引き上げるという計画が持ち上がり、引き上げに関わる人々が次々と不審死していく(現代)を結ぶ時代を超えた壮大な物語です。過去と現代を行き来しながらの展開は、読んでいる者を飽きさせることなく、物語へぐいぐいと引き込まれていき、上巻・下巻とも一気に読み進んだと記憶しています。第二次世界大戦中という悲惨な時代に起きた事件を現代の戦争を知らない私たちに知らせるとともに、ミステリーの要素を含んだ作品にしている浅田氏の手腕が素晴らしいと思います。

 

 

第6位.浅田次郎「王妃の館」

浅田次郎「王妃の館」がおすすめの理由

倒産寸前の旅行会社が、パリへと旅行する「高級プラン」と「格安プラン」の2つのツアーを企画し、わざとダブルブッキングさせ、ばれないようにツアーをするという何とも無謀で破天荒なコメディタッチの物語です。また、滞在するホテルは、ルイ14世の亡霊が出てきて、スランプ中の作家と会話をするなどありえないような設定です。映画化された際には水谷豊がスランプ中の作家を個性的でコミカルに演じたり、2017年には宝塚歌劇団でミュージカル・コメディとして上演されるなど超話題作です。ブッキングがバレないか読み手の私たちがハラハラドキドキし、亡霊が出てきたときには「そんなバカな」とつぶやいてみたりと、楽しむ要素がいっぱいで、何度も繰り返し読みたくなる作品です。現代の人と人との関係が希薄になる中、作品の中では人情にも溢れていて、心温まるシーンがいくつも出てきます。コメディタッチではありますが、感動する名場面もあるので、ぜひ多くの人に読んで欲しい作品です。

 

 

第5位.浅田次郎「日輪の遺産」

浅田次郎「日輪の遺産」がおすすめの理由

第二次世界大戦の終盤、日本軍がマッカーサーから奪取した巨額の財宝を山林に隠すというミッションがあり、お国のためなら、天皇陛下のためならばと、女子生徒たちが人柱として死するという現代では考えられないことが題材となった悲しい物語です。読み進めて行くたびに涙が止まりませんでした。この作品はフィクションだったと記憶していますが、約80年前の日本人ならば日本の名に恥じないようにと教育され、ある種の洗脳を受けた悲惨な時代だったなら、ありえたことなのかもしれないと思うと恐ろしくてなりません。現代の女子高生や女子大生に是非に読んで欲しい作品です。同じ年代の女子生徒たちが自らの命を犠牲とした時代があったことを知って欲しいと思います。そして、自分の命も周りにいる友人の命も大切にして欲しいと願いながらこの作品を選びました。

 

 

第4位.浅田次郎「蒼穹の昴シリーズ『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』『マンチュリアン・リポート』『天子蒙塵』」

浅田次郎「蒼穹の昴シリーズ『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』『マンチュリアン・リポート』『天子蒙塵』」がおすすめの理由

このシリーズは、田舎の貧しい家の小さな男の子が清国の西太后に最も信頼される側近へとのし上がり、西太后が死するまでを描いた『蒼穹の昴』、光緒帝の側室が暗殺され、誰が殺したのかを探る物語『珍妃の井戸』、清国を滅ぼし、中華民国を建国させるに至った馬賊・張作霖の物語『中原の虹』、中華民国を建国させた馬賊・張作霖を暗殺したのは誰かを綴った「満洲報告書」で明かされた真実を描いた『マンチュリアン・リポート』、満州国の皇帝で知られる溥儀と張作霖の息子・張学良が描かれた『天子蒙塵』で構成されている。西太后は「鬼女」と評されるほど怖い存在だったと記憶していましたが、このシリーズを読み進めて行くうちに、心が広く、先々のことまで見通す眼を持った、まさに国母にふさわしい人物であったのだなと思いました。また、この作品で登場する西太后や張作霖が現代の中国にいたならば、どんな国になったのだろうと考えてしまいました。日本と中国の対立が続いている現在に、この作品を通してお互いの過去を知り、お互いに歩み寄ることができないかと思い選びました。

 

 

第3位.浅田次郎「天切り松 闇がたり」

浅田次郎「天切り松 闇がたり」がおすすめの理由

現代の留置場で大正時代を駆け抜けた義賊が年若い罪を犯した男たちや警察官に自分が生きてきた粋で義理人情が厚い出来事を江戸弁でカッコよく語る盗人一家の物語です。盗人とは言うものの、愛嬌があるというか、本当に粋でカッコよく、決して貧乏人には手を出さない、現代のルパン三世のような感じで一気読みしてしまいます。江戸弁の語り口も素敵で大阪生まれの私は憧れをも抱きました。この作品の1作目を読んでいるときに、ドラマ化するならこの人がいいなぁと考えていたのが中村勘三郎さんでした。その後読み進めていくと、何作目だったか、解説のところで同じ事を書いている方がいて、「同じことを思う人がいるんだ」と思ったことを記憶しています。ただ、残念ながらその時には亡くなられていましたが。この作品は、ぜひドラマ化して、多くの日本人に粋な生き方として紹介して欲しいと願っています。

 

 

第2位.浅田次郎「終わらざる夏」

浅田次郎「終わらざる夏」がおすすめの理由

太平洋戦争末期、本来なら40代後半の老齢になっていて召集されないはずだった男性と、4回目の召集となる男性、医学生の3人に召集令状が届きます。いずれも北海道北部の美しい占守島へ行くことになりました。そして、赴任した島で1945年8月15日に終戦を伝える玉音放送を聞きます。しかしそこから戦いは始まったのです。終戦の玉音放送を聞いた3日後、ソ連軍に攻められたのです。島民は最後の力を振り絞って戦い抜きました。終戦後に攻めてくるとは、何と卑怯なやり方なのでしょうか。憤りを覚えると同時に、島の人々が年齢・性別にかかわらず、自分にできることすべてを出し切って戦い抜いた日本人がいたことを誇りに思います。この先も戦争などを起こしてはいけないということをこの作品を通して、今生きている日本人、そして世界中の人々に呼び掛けていると思いました。

 

 

第1位.浅田次郎「『壬生義士伝』『輪違屋糸里』『一刀斎夢録』」

浅田次郎「『壬生義士伝』『輪違屋糸里』『一刀斎夢録』」がおすすめの理由

この作品は3部作となっています。1作目の『壬生義士伝』は、土方歳三、近藤勇、斎藤一など有名な隊士たちではなく、藩の子供たちに読み書きを教える先生が家族を養うために南部盛岡藩を脱藩し新選組へ入隊を果たした無名の隊士・吉村貫一郎を主人公にしたところが面白いです。南部なまりで語られる部分は、何とも優しい響きがあり読む人を和ませます。また、この作品は2019年に宝塚歌劇団で上演されるそうで、地味で悲しい主人公をどのように表現するのかすごく興味があります。2作目は土方歳三を愛する京都島原の糸里天神を主人公にした『輪違屋糸里』で、新選組隊士たちは、各々遊郭に馴染みの女性がおり夜な夜な通っています。その中で、ある日芹沢鴨に切られた花魁・音羽太夫が妹分の糸里天神へ「だれも恨むな。ご恩だけ胸に刻んで生きていく」ように言い残して死んでしまいます。また、糸里は土方歳三を思いつつも別の新選組隊士と恋仲となっていきます。自分で選ぶことの難しい時代の悲しくも筋の通った生き方が心に染みました。3作目『一刀斎夢録』は、若い将校が剣道の試合を前に先輩から斎藤一のことを聞き、会いに行くところからスタートします。斎藤一はその若い将校相手に新選組の末期を夜な夜な語ります。人生の曇らない生き方、筋を通した生き方が心に響きました。今、この現代にこのような生き方をする人がいるでしょうか。印象的な言葉は「今日の力は今日のうちに使い果たせ。そうすれば明日にはまた新たな力が湧く」です。自分自身のこれまでの生き方を振り返らせてくれるお手本となる作品です。

 

 

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