東村アキコおすすめの漫画ランキング
東村アキコさんは少女漫画、青年漫画、エッセイと色々描いている漫画家さんです。その全てがギャグがキレキレで面白いのですが、特に自分の体験を元に描かれたエッセイ漫画は秀逸です。沢山作品を描かれていてどんどん新刊が出るのも最高です。東村アキコさんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。
第5位.東村アキコ「きせかえユカちゃん」
東村アキコ「きせかえユカちゃん」がおすすめの理由
東村アキコさんが初めて連載したコミックです。オシャレが大好きな小学生の女の子達が大人を振り回していく、というコンセプトのもと始まった漫画なのですが、途中から東村アキコさんのギャグセンスの良さが爆発し、オシャレ漫画か、ギャグ漫画かよく分からなくなっているカオス感が笑えます。主人公のユカは小6のオシャレが大好きな女の子です。親友のみどりちゃんの親は古着店を経営しているので毎朝洋服を着替え、小学生離れしたオシャレをして学校に出かけます。だからタイトルが「きせかえユカちゃん」になっています。担任の先生は未婚のバブル世代を引きずっているあだ名は「貞子」先生。この先生のツッコミがいつも面白いです。主人公は小学生なので、恋愛についてはあまり広げていないのですが(ユカちゃんを好きな男の子は当時します)この貞子先生や、ユカちゃんのお姉ちゃんの大人の恋愛事情は読みごたえがあります。また、初期だったこともあり、オマケページも多く楽しめる要素が沢山あります。また、あとがきで描いていたエッセイが受け「エッセイ漫画家」として注目された作品でもあります。
第4位.東村アキコ「ひまわりっ〜健一レジェンド〜」
東村アキコ「ひまわりっ〜健一レジェンド〜」がおすすめの理由
「きせかえユカちゃん」のあとがきで自身の父、健一の行動がいちいち可笑しいというエッセイを描いていた東村アキコさん。自虐ネタで本編より父、健一のあとがきの方が人気があると書いていましたが、まさかのそのあとがきを漫画にしてしまった、「ひまわりっ〜健一レジェンド〜」です。掲載されていた雑誌はモーニングなので男性でも楽しんで読むことが出来ます。こちらの漫画も最初の方は父、健一の奇行が面白おかしく描かれています。就職先が父、健一と同じところだったという実話からこの物語は始まります。美大に入れたのになんにも役に立ちませんわ!美大幾らかかったと思ってるんだ!と急に職場でキレ出したり、東村アキコ先生が薄いマニキュアを塗っただけで慌てる健一、クリスマスケーキを斜めにして買ってきてしまう健一…と本当に実話?と疑ってしまうくらい面白い行動をしてくれます。こちらの作品も途中から方向性が変わっていき、三国志オタクの濃いキャラが登場したり、恋のライバルキャラも憎めない女の子だったりとめちゃくちゃで東村アキコは大丈夫なのか?とニヤニヤ心配しながら読むことができます。
第3位.東村アキコ「主に泣いています」
東村アキコ「主に泣いています」がおすすめの理由
こちらの「主に泣いています」も掲載誌はモーニングです。こちらはエッセイではなく、オリジナルの作品になっています。といっても主人公の男の子は美大生で、同じく美大卒の東村アキコ先生の経験から描かれていると思います。 こちらの作品は菜々緒さんとKAT-TUNの中丸くんでドラマ化もされました。主人公の泉は誰もが認める絶世の美女です。しかし、美女すぎて周りの男の人達が狂ってしまいます。殺傷事件が起こるレベルで狂うので、泉はいつもコスプレをしています。そのコスプレが面白い。泉は絵画教室のモデルなのですがそんなの度外視で、水木しげるのキャラのコスプレをしたり、ストーカーの男には怪しい宗教の教祖のモノマネ、男の人に会ったら泰葉さんの歌を歌ったりします。基本はギャグですが泉と絵画教室の先生はデキています。でも不倫なんですね。泉のモデルのおかげで先生の作品が売れ、いい暮らしが出来ている先生の奥さん、ゆっこは複雑な心境なのですが、それを全てギャグとして消化しているのは本当に凄いし、ゆっこというキャラが本当にぶっ飛んでいて登場するだけでワクワクしてしまいます。
第2位.東村アキコ「ママはテンパリスト」
東村アキコ「ママはテンパリスト」がおすすめの理由
「ママはテンパリスト」は東村アキコさんが出産した経験を描いたエッセイになります。息子のごっちゃんの面白い行動を描いてくれています。アシスタントさんがページを埋めるためにごっちゃんの話を描いてくれたページがあるのですが、全然面白くないんですよ。やはり東村アキコさんにはエッセイ漫画、ギャグ漫画のプロです。基本はごっちゃんの子供あるあるおもしろ話です。電車の中で読むと吹き出してしまうので家で読むことをおすすめします。「ママ、悪い子産んじゃったね!」「ママの豚のまんじゅう売りが!」「(お漏らしをして)大盛りしちゃってすみません」など笑えるごっちゃんワードが沢山です。他にも担当の方、編集長もキャラが濃くサブキャラも面白いです。担当の人が巨大なしいたけを送ってきたり、間違えて乾燥剤を飲んでしまう編集長、すぐコラボという編集長…そう、コラボで思い出しました。同じエッセイ漫画家の伊藤理佐さんをお招きする話も面白かったです。私は伊藤理佐さんも好きなので東村アキコが描いた伊藤理佐を読むことが出来て大満足でした。
第1位.東村アキコ「かくかくしかじか」
東村アキコ「かくかくしかじか」がおすすめの理由
漫画大賞を取った「かくかくしかじか」です。こちらも実体験を踏まえたエッセイ本ですが、いつものエッセイ本と違い「恩師の死」がメインテーマになっていまして、ちょっと泣けてしまいます。東村アキコさんは今まで色々な人をいじってきたのですが、この恩師についてはほぼ触れて来なかったのですが、その理由はこの「かくかくしかじか」を読めば分かります。色々思い出してしまうのが怖くて描けなかったのでしょう。話のはじまりは、アキコが高3で美大受験しようと考えているところから始まります。自意識過剰なアキコは余裕で合格と思っていたのに、恩師である先生の絵画教室に初めて行ったら「はいこれ全然ダメです」と竹刀を持ったコワモテの先生が登場します。スパルタの先生で「とにかく描け」とアキコを追い詰めますが、優しさ、不器用さが、魅力的な先生なんですね。先生のおかげで美大にも合格しましたし。でも、大学生になってからは先生のスパルタが暑苦しく感じてしまい、距離を置くように。更に先生には理解の出来ない「漫画家になる」というアキコの発言で二人の距離は遠くなります。しかし、先生に癌が見つかり…という内容です。間違いなくエッセイの傑作です。