水島新司おすすめの漫画ランキング
野球漫画を多く描いており、紫綬褒章も授与されている漫画界の巨匠です。中でも、ドカベンは非常に有名で、故郷の新潟にはドカベンキャラクターの銅像が立てられているくらいです。野球が好きな方、スポーツ漫画が好きな方は特に楽しめる漫画家だと思います。水島新司さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。
第5位.水島新司「あぶさん」
水島新司「あぶさん」がおすすめの理由
酒好きのプロ野球選手、あぶさんこと景浦安武を主人公とした漫画です。あぶさんの特徴としては、実在のプロ野球選手が数多く登場することです。ドカベンも同じですが、オリジナルキャラクターよりも実在の人物の方が多いくらいです。景浦はホークス一筋で37年も現役を続けた強打者で、長打力は高いものの集中力や守備力には欠けるため南海時代は主に代打で活躍します。後にレギュラーで外野手として活躍するようになり、1991年から3年連続三冠王、1994年には当時の王貞治さんの55本を抜く56本塁打の日本記録も達成します。2007年には打率4割も達成しますが、徐々に怪我や長年の疲労蓄積により引退を考えるようになっていき、2009年に現役を引退します。この引退のニュースは現実にも影響を与え、新聞の社会面にも記事が載るほどでした。62歳まで現役を続けたり、晩年になるほど活躍度が上がるなど現実離れした描写も多いですが、現実のプロ野球の成績を反映させたりという描写も多いので現実とリンクして楽しむことも出来ました。漫画でありながら現実世界にも大きな影響を与えた作品です。
第4位.水島新司「一球さん」
水島新司「一球さん」がおすすめの理由
野球はド素人だが、忍者の子孫で身体能力は抜群に高い真田一球という主人公の物語です。巨人学園という甲子園にも出場する名門野球部に一球が突如入部することになり、最初はド素人だと馬鹿にしていた他の野球部員達も一球の身体能力を見て態度が変わっていくという流れになっています。一球は最初は素人でしたが、人の動きを真似するのが得意な上、肩力や脚力などが優れておりすぐに野球が上達していきます。野球の常識を無視した様々な作戦やプレイを考えながら活躍する一球の姿が特徴の作品で、正に忍者のような動きを見せることもあるのが面白い点です。最後には元々いた野球部メンバーのほとんどが辞めてしまい、監督の豆タンこと岩風も辞任して一球に監督権選手を託してしまいます。ド素人だった一球が素人集団を率いて甲子園に乗り込むという無茶な展開ですが、そこでも型破りの方法で活躍するあたりがみどころです。本作は男どアホウ甲子園の続編であり、一球の育ての親左文字や、巨人学園の監督豆タンなど共通の登場人物が何人かいます。また、一球の出場する夏の甲子園では、男どアホウ甲子園の主人公藤村甲子園の弟で双子の藤村兄弟が登場します。
第3位.水島新司「球道くん」
水島新司「球道くん」がおすすめの理由
主人公中西球道の人生を描いた作品で、生まれた時から高校野球で活躍するまで、様々な苦労を味わいながらも成長していく物語です。球道は生まれた後に母親がノイローゼで失踪し、プロ野球選手だった父親も不摂生がたたり命を落としてしまいます。引き取ってくれたのは父親が入院していた病院の看護師愛子とノンプロ野球選手だった中西大介で大介は後にプロ野球選手となることから、球道は産みの親も育ての親もプロ野球選手という家庭で育ちます。球道の特徴は、豪速球を武器としたピッチングと長打力を武器としたバッティングで、エースで4番として小学校時代から活躍します。素晴らしい投球が出来る反面その球を捕球できるキャッチャーがなかなかおらず苦労したり、高校では野球部のメンバーが足りずにメンバー探しに苦労したり、良い仲間に恵まれても父親の仕事の影響で転校をしたりと苦労が多いです。しかし、どんな時でも最後には乗り越える強い精神力を持った球道の姿に感動させられる作品です。中西球道は大甲子園やドカベンのプロ野球編以降のシリーズにも登場し、最速163kmの豪速球を武器に活躍する姿が描かれています。
第2位.水島新司「男どアホウ甲子園」
水島新司「男どアホウ甲子園」がおすすめの理由
阪神ファンの祖父により甲子園と名付けられた、藤村甲子園を主人公とした作品です。祖父は甲子園球場の職員をしており、孫が生まれたら誰が何と言おうと甲子園と名付けると決めており、甲子園の両親の反対を押し切り無理やり甲子園と名付けてしまいます。甲子園は祖父の影響を受け野球好きとしてスクスク育ち、中学・高校とエースとして活躍するようになります。甲子園の特徴は、ストレートへのこだわりの強さで、どんな相手にも全球ストレート勝負をします。壁にぶち当たったり、何度も打ち込まれたりした際にはストレートを磨くための特訓をしてさらに速く伸びのある球を身につけていき、決して変化球は投げようとしません。恋女房の豆タンと共に数々のライバルをストレートだけで打ち負かしていく所に最大の魅力がある作品です。豆タンが大学進学の為に野球を辞めようとした際、甲子園も豆タンを追って東大受験し仲間達の協力により何とか合格したのは凄いと思いました。普通、カンニングするにしてもブロックサインでは答えなど伝わらないと思いますが、それでも合格したのは甲子園自身の実力なのかも知れません。最後はプロ入り後に165kmというとんでもないストレートを投げた後、肩を壊して引退してしまいますが、現実に大谷選手のような165kmの球を投げる日本人が出てきたのは驚きです。
第1位.水島新司「ドカベン」
水島新司「ドカベン」がおすすめの理由
日本の野球漫画界に打ち立てた金字塔であり、水島新司先生の代表作です。主人公山田太郎の中学時代から高校時代までを描いたのがドカベン、その後もサブタイトルが付きながらプロ野球編やオールスターズ編など続編が発表され、トータルで205巻という2018年に完結した時点では、シリーズ累計で最も巻数の多い作品となっています。ドカベンの面白さは、魅力的なキャラクターが多いことにあります。主人公の山田太郎はずんぐりむっくりな体型であまり容姿に優れているとは言えませんが野球の実力は抜群で、打力と捕手としての守備力はナンバーワンです。真面目で人柄もよく敵味方関係なく尊敬されている人物です。岩鬼は山田の中学からの同級生ですが、言動はめちゃくちゃで野球でも真ん中の球が打てないため、普段はあまり活躍しませんがここぞと言う時に様々な工夫で活躍します。実は繊細な一面もあり、家庭環境も複雑だったなど、エピソードが非常に多いキャラクターです。ハッパをくわえているのが有名で、このハッパにも大切なエピソードが存在しています。殿馬も山田の中学からの同級生で、天才肌のピアニストでしたが人数不足の野球部に誘われ野球を始めます。野球に関しても天才的で、走攻守に優れた選手として活躍します。ピアノの曲をモチーフにした秘打を繰り出すことがあり、大事な場面での活躍が多いキャラクターでもあります。他にもエース里中、微笑などの明訓の仲間や様々なライバル達が出てきますので、その対決や一人一人のエピソードに魅力がある作品です。