【2019年】セス・フリードおすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】セス・フリードおすすめの本ランキングTOP7

セス・フリードは1983年にアメリカのオハイオ州に生まれた若手作家です。2014年にデビューしましたが、どの作品にも彼特有のユーモアと奇妙な味わいがあります。現代の幻想文学のようなストーリーが絶妙です。セス・フリードさんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.セス・フリード「フロスト・マウンテン・ピクニックの虐殺」

セス・フリード「フロスト・マウンテン・ピクニックの虐殺」がおすすめの理由

「フロスト・マウンテン」というところで毎年おこなわれているピクニックについて書かれた短編小説です。その「フロスト・マウンテン・ピクニック」を、村のひとたちはとても楽しみにしています。そのピクニックは毎年1回開催されるのですが、村の中でもっとも大きなイベントとなっています。子どもたちだけでなく、大人たちでさえそのピクニックを心から楽しみにしていて、ピクニックが近づくといてもたってもいられなくなります。けれど、その「フロスト・マウンテン・ピクニック」では、毎年のように謎の大虐殺がおこるのです。子どもも大人も関係なく、毎年大量の人々がそこで殺されてしまいます。犯人は大きな組織のようですが、実態はまったくわかりません。その虐殺がおこる度に人々はそのピクニックを嫌悪します。けれどもなぜか、毎年ピクニックへ行ってしまう人々を描いた奇妙な小説です。

 

 

第6位.セス・フリード「ロウカ発見」

ロウカ発見

セス・フリード「ロウカ発見」がおすすめの理由

まず、「ロウカ」というのはとある研究チームのひとびとが発見した古代人のミイラのようなものの名前です。その研究チームは、ある雪山からその「ロウカ」を発見しました。研究チームの彼らは、「ロウカ」の研究に没頭します。まるで「ロウカ」の持っている不思議な古代の魅力に取りつかれたように、チームのひとびとは仕事にはげみます。そして、仕事だけでなく彼らはプライベートまで充実し、研究チームの中で恋まで生まれます。けれど、おなじ雪山で「ロウカ」とは別のミイラが発見されたことにより事態は一変してしまいます。そのミイラは、まるで「ロウカ」とは真逆の恐ろしいオーラを持っていたかのように、研究チームはもちろんマスコミのやる気まで奪い去っていくのです。セス・フリードの奇妙だけれどもリアリティのあるストーリーが面白い作品です。

 

 

第5位.セス・フリード「微小生物集―若き科学者のための新種生物案内」

微小生物集―若き科学者のための新種生物案内

セス・フリード「微小生物集―若き科学者のための新種生物案内」がおすすめの理由

この「微小生物集―若き科学者のための新種生物案内」は、セス・フリードによる創作の短編小説です。けれど、まるで本当に科学者を育成するために作られた生物のテキストのような構成になっているというなんともセス・フリードらしい作品です。実際には存在しない新種の微小生物の形態や生活スタイル、特徴などをつぶさに説明しています。登場するのは、全部で15の微小生物たちです。「ドーソン」という生物にはじまり、「エルドリット」、「バートレット」、「ハリファイト」、「ペリジャイト」など本当にいるのではなかろうか…と思わせてくれるような微小生物たちです。短編小説という形態をとっておきながら、まるで本物の図鑑のような作品を作ってしまうあたりが、セス・フリード・ファンにはたまらない短編小説だと思います。何が現実で何が空想なのかわからないところが面白いです。

 

 

第4位.セス・フリード「諦めて死ね」

諦めて死ね

セス・フリード「諦めて死ね」がおすすめの理由

セス・フリードによる超短編小説です。たった3ページにも満たないような短い作品なのですが、セス・フリードのおもしろさがしっかりと凝縮された小説です。ストーリーは主人公である「僕」のひとり語りとして構成されています。「僕」はまず最初に、自分の父の死について話し始めます。「僕」の語り口調は、かなり淡々としています。まるで自分の父親を愛しておらず、どちらかというと死ぬのが当たり前だったといわんばかりの雰囲気で話しているところが興味深いです。次に、「僕」はみずからの母親の死についても同じように語り始めます。「僕」の母親も父親とおなじように、不可解で奇妙な最期を迎えているようです。けれど、「僕」という一人称が語っていることなので、それが本当のことなのかどうかはわかりません。セス・フリードの面白いところのひとつは、このような「信頼できない語り手」です。

 

 

第3位.セス・フリード「大いなる不満」

セス・フリード「大いなる不満」がおすすめの理由

セス・フリードの短編小説であり、彼の代表作でもある作品です。ストーリーに出てくるのは、エデンの園にいる猫や、オウム、ペンギンやモルモット、ライオン、子羊、クジャク、象、ダニ、ロバ、キリンです。こうして書いていてもわかるように、不思議なストーリーです。ストーリーというよりも、まるでストーリーというものそれ自体はあまり重要ではないような気もしてきます。どちらかというと幻想的な詩のような雰囲気のある作品です。けれど、幻想的と言えど、美しいだけの作品ではありません。「ダニ」が出てくることからもわかるように、気持ち悪さや奇妙さ、不条理さなどが感じられる作品です。これといった起承転結はありません。ただただエデンの園の様子が描かれているだけです。この小説は好き嫌いがものすごくはっきりとわかれると思います。そこが魅力です。

 

 

第2位.セス・フリード「ハーレムでの生活」

ハーレムでの生活

セス・フリード「ハーレムでの生活」がおすすめの理由

セス・フリードの短編小説です。セス・フリードの短編小説の中では、珍しくストーリーがわかりやすくてはっきりとしている方ではないかと思います。そのため、セス・フリードを読んだことのない方や、こういった不条理な小説世界にあまり馴染みのない方にはとっつきやすいという点でおすすめできる作品だと思います。タイトルどおり「ハーレムでの生活」をある男がつづっているという構成になっています。男の風貌は醜いという特徴を持っています。その男がある王様のためのハーレムの中で生活しているのです。ハーレムにいるのは、その男以外はすべて女性です。しかもとびきりの美女たちばかりがおおぜいいるという状況です。不可解で奇妙なそのハーレムで男が経験した話を追体験できる小説です。セス・フリードや幻想文学の入り口にはおすすめできる作品です。

 

 

第1位.セス・フリード「格子縞の僕たち」

格子縞の僕たち

セス・フリード「格子縞の僕たち」がおすすめの理由

セス・フリードの短編小説です。彼の短編小説の中で、私にとってはもっとも印象的な作品です。小説を読んでいる間じゅう、まるで映画を観ているように映像がつぎつぎに頭の中にイメージされるような作品でした。ちなみにセス・フリードの短編小説の多くがそうであるように、この小説もとても不条理でシュールで、恐ろしいと思います。登場するのは、猿と人間たちです。猿は研究かなにかに使われているようです。人間たちの仕事は、その猿をカプセルの中に入れるだけという単純なものです。その仕事をしている人間たちの行動と感情、そしてその仕事のあいだにおこったことが淡々とつづられているというストーリーです。読んでいて、いつの間にか自分も猿たちの中にいるような不安な気持ちになってくる小説でした。この小説を読んでから、しばらく動物園の猿をみるとこの話を思い出しました。

 

 

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