- 純文学・純小説おすすめ
- 1.夏目漱石「こころ」
- 2.村田沙耶香「コンビニ人間」
- 3.三島由紀夫「金閣寺」
- 4.宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
- 5.太宰治「人間失格」
- 6.パウロ・コエーリョ「11分間」
- 7.金城一紀「GО」
- 8.梶井基次郎「Kの昇天」
- 9.川上未映子「あこがれ」
- 10.島本理生「イノセント」
- 11.夏樹静子「ガラスの絆」
- 12.佐藤泰志「きみの鳥はうたえる」
- 13.小川糸「キラキラ共和国」
- 14.前田司郎「グレート生活アドベンチャー」
- 15.ジョン・L・キャスティ「ケンブリッジ・クインテット」
- 16.西加奈子「さくら」
- 17.鈴木るりか「さよなら、田中さん」
- 18.辻仁成「サヨナライツカ」
- 19.ダグラス・クープランド「ジェネレーションX-加速された文化のための物語たち」
- 20.加藤シゲアキ「チュベローズで待ってる」
- 21.小谷野敦「ヌエのいた家」
- 22.エンリーケ・ビラ=マタス「バートルビーと仲間たち」
- 23.桐野夏生「ハピネス」
- 24.エンリーケ・ビラ=マタス「パリに終わりはこない」
- 25.パウロ・コエーリョ「ベロニカは死ぬことにした」
- 26.小林信彦「ぼくたちの好きな戦争」
- 27.町田康「ホサナ」
- 28.森礼子「モッキングバードのいる町」
- 29.有川浩「レインツリーの国」
- 30.ガブリエル・ガルシア=マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」
- 31.遠藤周作「わたしが・棄てた・女」
- 32.カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
- 33.渡辺淳一「阿寒に果つ」
- 34.前田司郎「愛でもない青春でもない旅立たない」
- 35.アイリス・マードック「愛の機械」
- 36.百田尚樹「永遠の0」
- 37.江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」
- 38.小野寺勇「遠い囁き」
- 39.吉田修一「横道世之介」
- 40.佐藤泰志「黄金の服」
- 41.三島由紀夫「仮面の告白」
- 42.中村航「夏休み」
- 43.又吉直樹「火花」
- 44.福永武彦「海市」
- 45.大沼紀子「空ちゃんの幸せな食卓」
- 46.江國香織「犬とハモニカ」
- 47.名鳥佐和子「江ノ島ねこもり食堂」
- 48.本谷有希子「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集」
- 49.ジェーン・オースチン「高慢と偏見」
- 50.二宮敦人「最後の医者は桜を見上げて君を想う」
- 51.谷崎潤一郎「細雪」
- 52.柴崎竜人「三軒茶屋星座館」
- 53.谷崎潤一郎「刺青」
- 54.白石一文「私という運命について」
- 55.東野圭吾「手紙」
- 56.色川武大「小説 阿佐田哲也」
- 57.小川糸「食堂かたつむり」
- 58.遠藤周作「深い河」
- 59.町田康「真実真正日記」
- 60.ダグラス・クープランド「神は日本を憎んでる」
- 61.江國香織「神様のボート」
- 62.川島誠「神様のみなしご」
- 63.イザベル・アジェンデ「精霊たちの家」
- 64.コレット「青い麦」
- 65.桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
- 66.中上健次「千年の愉楽」
- 67.寺田寅彦「団栗」
- 68.中原昌也「知的生き方教室」
- 69.三島由紀夫「潮騒」
- 70.町田康「珍妙な峠」
- 71.浅田次郎「天切り松闇がたり 第5巻 ライムライト」
- 72.小林信彦「唐獅子株式会社」
- 73.山岡荘八「徳川家康」
- 74.小林エリカ「彼女は鏡の中を覗き込む」
- 75.佐藤愛子「悲しき恋の物語」
- 76.中原昌也「悲惨すぎる家なき子の死」
- 77.石田衣良「美丘」
- 78.宇江佐真理「富子すきすき」
- 79.カズオ・イシグロ「浮世の画家」
- 80.朝倉宏景「風が吹いたり、花が散ったり」
- 81.マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」
- 82.森絵都「風に舞い上がるビニールシート」
- 83.恩田陸「蜜蜂と遠雷」
- 84.小林信彦「夢の街その他の街」
- 85.筒井康隆「夢の木坂分岐点」
- 86.中原昌也「名もなき孤児たちの墓」
- 87.島崎 藤村「夜明け前」
- 88.武者小路実篤「友情」
- 89.クラーク「幼年期の終わり」
- 90.宮下奈都「羊と鋼の森」
- 91.白石一文「翼」
- 92.宇江佐真理「雷桜」
- 93.瀬尾まいこ「卵の緒」
- 94.宇江佐真理「涙堂 琴女癸酉日記」
- 95.浅田次郎「薔薇盗人」
純文学・純小説おすすめ
1.夏目漱石「こころ」
純文学・純小説夏目漱石「こころ」がおすすめの理由
タイトルから興味があり、気になって読んでみると雰囲気や表現が好みで好きになった。先生と主人公である僕との会話や、3構成中の3部目の、先生が僕に宛てた手紙で綴られる先生の過去など、展開も結末も壮絶だが繊細で引きこまれた。(20代女性)
高校の国語の教科書に載っていて知りました。教科書には第2章しか掲載がなかったので全体が気になり、大学生になって本を買いました。見どころはやはり、「先生の遺書」。遺書を書いた先生の人生を追体験しているようなリアルさにどんどん引き込まれていきます。純文学とはこんなにも面白いのかと感動しました(退屈なイメージばかり持っていたので)。決して後味の良い話ではないですが、読む時の自分の心情、年齢、立場によって小説の内容の捉え方にも違いが出てきて不思議な感覚です。何度でも読み返したくなる作品だと思います。(20代女性)
主人公Kの目線で話が始まるのですが、一気に話の展開が変わる瞬間がたまりません。 出てくる人物は少なく、視点はころころ変わりますが、比較的読みやすいと思われます。 人間らしいどろどろした展開もあるので、読んですっきりするとは一概には言えませんが、読み応えのある小説です。(20代女性)
2.村田沙耶香「コンビニ人間」
純文学・純小説村田沙耶香「コンビニ人間」がおすすめの理由
他人に害をおよぼしていなくとも「普通」ではないと、直さないといけない。 このお話しほど、不気味ではないにしても、自分が思っていたこと、感じていたことは、 これだったかもしれないと思いました。 大人になり、社会人になった今、「普通」を理解しているつもりで、そうしてきていると 思っているが、「普通」であることに縛られているだろう。普通であることを人にも求める ことは、押し付けで傲慢なのだろうか。多分そうなのかもしれない。 「普通」でいることに自信をなくしてしまいそうになります。(50代男性)
第155回芥川賞受賞作です。ということは純文学なのですが、硬くてむつかしい文学、などではなく、めっぽうおもしろいのです。 感情とか情緒に欠ける主人公がコンビニでアルバイトとして働き始め、初めて人間として生きるのですが、長年のうちに社会との齟齬が大きくなっていく、という物語です。 これもまた現代という時代のひとつの側面を切り取っているのでしょう。(60代男性)
3.三島由紀夫「金閣寺」
純文学・純小説三島由紀夫「金閣寺」がおすすめの理由
三島由紀夫の作品はいろいろみていますが、その中でも金閣寺での人間の関係性などの描写が斬新で考えさせられる内容なのでおすすめです。三島由紀夫ワールドを感じることができるので、他の作品も見たくなると思います。(30代男性)
20世紀に実際に起きた金閣寺放火事件をもとにし、昭和の文豪三島由紀夫が豪華絢爛な文体で描いた作品です。美とは何か、などの根源的な問題を考えさせてくれ、その絢爛な文体、美しい日本語に息を飲む作品です。深いテーマとことばの美しさを突き付けられる小説で、とてもおすすめです。(20代男性)
4.宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
純文学・純小説宮沢賢治「銀河鉄道の夜」がおすすめの理由
誰もが知っている話ですが、実際に読んだ人となると少し絞られてくるかと思います。言葉が現代では馴染みのないもので、そこで挫折する人も多いのでしょう。童話というには手厳しいですが、銀河の描写がきらきらとしていてとても美しく、展開も思わず涙してしまうものです。 作者の信仰、宗教観を踏まえて読むととても深く味わえる、未完にして傑作の作品です。(10代女性)
その小説が好きな人が多いからです。こう書くと不純ですが、好きな人が多いことはそれだけファンがいるということです。銀河鉄道の夜の中で象徴的な存在である列車、天の川といった単語やまるで小説の流れをそのまま匂わせるような展開のマンガや音楽があります。そういったオマージュが多いこと、それに気づいて楽しいと思えることがこの小説を読んでいてよかったと思う理由です。ストーリーの内容も奥深いので、大切な友人には必ず勧めています。(20代女性)
5.太宰治「人間失格」
純文学・純小説太宰治「人間失格」がおすすめの理由
太宰治といえば、一般的に自殺した人とか暗いとかそんなイメージです。『人間失格』なんて遺書にも等しくそんな暗い小説読めないと思っている人多いと思います。しかし太宰、心中事件等女性がらみの事件が絶えなかった人でもあります。そう、モテたんです。 本書で描かれている主人公「葉ちゃん」(=太宰が自身を投影)も非常にモテてます。困ったような笑顔といつもバカをやって笑わせてくれる、でもどこか蔭があって…。モテる気がしませんか(笑)。また、本書の大きな特徴として文章が読者に語りかけるような文体で書かれているため、読んでいると次第に自分だけに「告白」をされているような気分になってきてしまいます。 話も人柄も悲しいのに、どこか惹かれて目を離さずにはいられない、そんな小説です。(20代女性)
いわずと知れた有名古典。「人生に絶望した」描写が有名となっています。しかし、主人公は多くの女性に求愛される美男子で、親の金で使用人付きの一人暮らしをしているという環境にあることを加味して考えれば、違う見方もできることでしょう。(30代男性)
6.パウロ・コエーリョ「11分間」
純文学・純小説パウロ・コエーリョ「11分間」がおすすめの理由
ブラジルの豊かな自然に囲まれている田舎町で育ったヒロインが、スイスの歓楽街で売春婦へと身を落としていく様子を描き切っていました。運命的な出会いによって、愛することの苦しみだけではなく喜びに気付いていく姿が感動的でした。(30代男性)
7.金城一紀「GО」
純文学・純小説金城一紀「GО」がおすすめの理由
マンションに住んでいて、「大家にいつ出ていくの?」と聞かれると嫌だよね。「在日の人は日本からいつ出ていくの?」という発言は、控えたほうが良い。在日と日本人の青春を描いた作品。政治が混乱している今こそ読んで欲しい。(30代女性)
8.梶井基次郎「Kの昇天」
純文学・純小説梶井基次郎「Kの昇天」がおすすめの理由
全体的に薄暗い雰囲気の中、風景の描写やキーポイントとなる光と影の描写がとても綺麗です。不思議な死生観を感じさせる作品で、Kの死を独特な思想の下、論理的に解説しているためリアリティがあり、何度でも読み返したくなる作品です。(10代女性)
9.川上未映子「あこがれ」
純文学・純小説川上未映子「あこがれ」がおすすめの理由
小学六年生の男子生徒・女子生徒の心の機微を描いた作品です。傷つけられたこと、傷つけたこと、学校と家庭という小さな社会で巻き起こる難解な出来事たちを自分なりに咀嚼して生きていこうともがいている姿に自然に涙が出ました。幼いころの記憶にいまも苦しめられている人、忘れかけていた気持ちを思い出したい人に読んでもらいたいです。(30代女性)
10.島本理生「イノセント」
純文学・純小説島本理生「イノセント」がおすすめの理由
ビジネスの世界で成功した経営者とカソリックの聖職者の、対照的なふたりの男性の生きざまが映し出されていきます。決して交わることのなかった運命が、ひとりの美しい女性を通して交錯していく様子が印象深かったです。(30代男性)
11.夏樹静子「ガラスの絆」
純文学・純小説夏樹静子「ガラスの絆」がおすすめの理由
人工授精によって生まれた少年の信之と、彼を見守っていく母親の絆が感動的なストーリーになります。試験管によって誕生させられた生命に課せられた宿命を通して、親子の揺るぎない繋がりについて考えさせられました。(30代男性)
12.佐藤泰志「きみの鳥はうたえる」
純文学・純小説佐藤泰志「きみの鳥はうたえる」がおすすめの理由
本屋でアルバイトを続けている主人公と、同居人の無職の青年の気だるい日常生活を描いている作品になります。ある日突然にふたりのあいだにひとりの女性が侵入していくことによって訪れる、破滅的なラストには胸が痛みました。(30代男性)
13.小川糸「キラキラ共和国」
純文学・純小説小川糸「キラキラ共和国」がおすすめの理由
この作品は「ツバキ文具店」の続編です。先代の文具店(代筆屋)を継いだ鳩子(ぽっぽちゃん)の仕事での成長が描かれている前作に続き、今回は鳩子のプライベートの変化がメインです。結婚、母になる?是非、女性に読んで頂きたい作品です。たくさん涙しました。そして、温かい気持ちになりました。(40代女性)
14.前田司郎「グレート生活アドベンチャー」
純文学・純小説前田司郎「グレート生活アドベンチャー」がおすすめの理由
無職の青年が彼女の家に転がり込んでいき、テレビゲームやマンガの執筆活動に明け暮れる日々が映し出されていく1冊になります。怠惰な毎日の繰り返しの中でも、亡くなった妹と悲しみを引きずる両親のために主人公が固めた決意には心温まるものがありました。(30代男性)
15.ジョン・L・キャスティ「ケンブリッジ・クインテット」
純文学・純小説ジョン・L・キャスティ「ケンブリッジ・クインテット」がおすすめの理由
哲学者ウィトゲンシュタインや暗号解読で有名なチューリングをはじめとする、1940年代のイギリスを代表する5人の知識人のディナーの風景が映し出されていきます。人工知能の可能性を通して、人間の尊厳について想いを巡らせるシーンが圧巻でした。(30代男性)
16.西加奈子「さくら」
純文学・純小説西加奈子「さくら」がおすすめの理由
何気ない日常が描かれているように感じますが、読み進めていくうちに西加奈子さんの独特な世界に引き込まれていき、読み終えたときにはたくさんの感情が溢れてきて、大きな愛が込められているように感じました。感動もできて、心があたたまる、本当におすすめの一冊です。(30代女性)
17.鈴木るりか「さよなら、田中さん」
純文学・純小説鈴木るりか「さよなら、田中さん」がおすすめの理由
「スーパー中学生、現る」ということで話題になった一冊。連作短編集となっており最後の一話に全てが集約されていました。途中までは笑える楽しい話なのですが、最後はジーンとくる話になっています。作者は小学生のころから「文学賞」をとっており、あふれる才能を感じさせます。これから先がとても楽しみではありますが、無理のないように本を作っていってほしいなと思いました。(30代男性)
18.辻仁成「サヨナライツカ」
純文学・純小説辻仁成「サヨナライツカ」がおすすめの理由
なんといっても、設定が素晴らしい。舞台は東南アジアのリゾート地で主人公が一瞬にして惹かれる女性が住んでいるのも高級リゾートホテルという非現実的シチュエーションで起きる、純愛ストーリー。実際は浮気になるのだけど、それがいけない事だと、あまり感じさせない2人の愛の深さ、辻仁成の表現力の高さに脱帽です。最後までドキドキが止まりません。(40代女性)
19.ダグラス・クープランド「ジェネレーションX-加速された文化のための物語たち」
純文学・純小説ダグラス・クープランド「ジェネレーションX-加速された文化のための物語たち」がおすすめの理由
都会での生活に疲れ切ってしまった3人の若い男女の、砂漠の中にあるバンガローでの共同生活が奇妙な味わいのストーリーになります。物質的な豊かさに捉われている社会に対して痛烈なメッセージが込められていて、新しい生き方について考えさせられました。(30代男性)
20.加藤シゲアキ「チュベローズで待ってる」
純文学・純小説加藤シゲアキ「チュベローズで待ってる」がおすすめの理由
現役のジャニーズのアイドルの方が書いた小説なのですが、まさかそのような方が書いている小説には思えないような素晴らしい作品だからです。 本当にプロの作家の方が書いたとしか思えないような素晴らしい小説です。(20代女性)
21.小谷野敦「ヌエのいた家」
純文学・純小説小谷野敦「ヌエのいた家」がおすすめの理由
突然の母親の死がきっかけになって徐々に生まれていく、父親と息子の葛藤を描いている1冊になります。死の直前まで父を憎み続けていく主人公の姿を通して、時代とともに変わっていく家族のあり方について考えさせられました。(30代男性)
22.エンリーケ・ビラ=マタス「バートルビーと仲間たち」
純文学・純小説エンリーケ・ビラ=マタス「バートルビーと仲間たち」がおすすめの理由
小説家に憧れながらも事務所でのルーティンワークに追われる主人公が、「バートルビー症候群」に陥った作家の足跡をたどる奇妙な味わいのストーリーになります。書くことの苦しみの果てに見えてくる、創作活動の喜びが感動的でした。(30代男性)
23.桐野夏生「ハピネス」
純文学・純小説桐野夏生「ハピネス」がおすすめの理由
今どきのタワーマンションに住む、幼稚園のママたちの話ですが、とてもリアルに描かれているので、興味深く読めます。子育て中のママさんなら誰でも心当たりのあるママ友との関係性、見栄やプライド、子どもを含めた付き合い、不倫、夫との関係など、共感できることと、驚くことが交互に出てきて面白いです。(40代女性)
24.エンリーケ・ビラ=マタス「パリに終わりはこない」
純文学・純小説エンリーケ・ビラ=マタス「パリに終わりはこない」がおすすめの理由
パリに下宿しながら小説家を目指す、ひとりの野心あふれる青年の姿が印象的なストーリーになります。何者でもなかった若き日の著者自身の想いとともに、同じ時代を生きた仲間たちへのレクイエムには胸を打たれました。(30代男性)
25.パウロ・コエーリョ「ベロニカは死ぬことにした」
純文学・純小説パウロ・コエーリョ「ベロニカは死ぬことにした」がおすすめの理由
スロベニアの首都リュブリャナを舞台に設定して、自らの生命を断とうとした女性の姿が映し出されている作品になります。閉鎖的な病院の中で奇妙な入院患者たちと交流を深めていくうちに、生きる意味を見出すヒロインが感動的でした。(30代男性)
26.小林信彦「ぼくたちの好きな戦争」
純文学・純小説小林信彦「ぼくたちの好きな戦争」がおすすめの理由
第二次世界大戦の悲劇を、喜劇的な想像力を駆使して描いている奇妙な味わいのストーリーになります。著者自身の戦争体験を盛り込んでいきながら、平凡な市民が戦争へと暴走していく様子がリアリティー溢れていました。(30代男性)
27.町田康「ホサナ」
純文学・純小説町田康「ホサナ」がおすすめの理由
愛犬家たちが集まってくるバーベキュー大会に参加した主人公が、不条理な世界へと引きずり込まれていく様子が印象深かったです。インスタ映えや人気ブロガーをはじめとする、今の時代にもてはやされる風潮へ痛烈な皮肉が込められていました。(30代男性)
28.森礼子「モッキングバードのいる町」
純文学・純小説森礼子「モッキングバードのいる町」がおすすめの理由
アメリカの軍人と結婚して異国の地で暮らしている、日本人の女性の寄る辺のなさが映し出されていく作品になります。世界中の誰もが持っている心の中の孤独と、痛みや哀しみを分かち合うことで生まれていく一体感が感動的でした。(30代男性)
29.有川浩「レインツリーの国」
純文学・純小説有川浩「レインツリーの国」がおすすめの理由
人気小説、『図書館戦争』の中で出てきた架空の小説を、新しく恋愛小説として書き下ろした作品です。 『図書館戦争』とは違い、アクションも危機迫るシーンもありません。 ですが、主人公の伸行と、観音性難聴を患っている利香の、健聴者と障害者という垣根を取り払い、想いを通じあわせるまでの柔らかなやりとりは、きっと心を打つと思います。(20代女性)
30.ガブリエル・ガルシア=マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」
純文学・純小説ガブリエル・ガルシア=マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」がおすすめの理由
社会的な地位や財産を持ちながらも、もうひとつの夜の顔を持って生きてきたひとりの男の数奇な運命を描き切っていました。純真無垢な14歳の少女に振り回されていく主人公の姿が、滑稽でもあり哀愁が漂っていました。(30代男性)
31.遠藤周作「わたしが・棄てた・女」
純文学・純小説遠藤周作「わたしが・棄てた・女」がおすすめの理由
文章自体は古いものの、わが身を削って奉仕する女の馬鹿さ・哀れさは現代に通じるものがあります。読んでいて主人公に苛々する方もいるでしょうが、人間の愚かさや愛しさがきちんと描かれている、虚無感溢れる名作であると思います。(20代女性)
32.カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
純文学・純小説カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」がおすすめの理由
ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作の一つです。臓器提供だけを目的にある施設で育てられた子供達という特異な設定が、ノスタルジックでいびつな独特の世界観を作り上げており、いつのまにか主人公たちの苦悩や希望、たどり着く未来に感情的に引き込まれてしまいます。(30代女性)
33.渡辺淳一「阿寒に果つ」
純文学・純小説渡辺淳一「阿寒に果つ」がおすすめの理由
渡辺淳一はどろどろとした男と女を書く小説家だと思っている人にこそ読んでほしい作品。著者本人と若くして自ら命を絶った天才少女画家との恋をモデルに、年齢こそ少女ではあるが、すでに女である登場人物の小悪魔的魅力と精神的な脆さ、思春期特有の厭世的感情が、北海道という舞台で、淡々とそして美しく描かれている。(20代女性)
34.前田司郎「愛でもない青春でもない旅立たない」
純文学・純小説前田司郎「愛でもない青春でもない旅立たない」がおすすめの理由
アルバイトに励みキャンパスライフをなんとなく送ってきた青年が味わう、奇妙な喪失感を描いている作品になります。日常生活の風景と繰り返し見る夢の中のイメージが交互に映し出されていき、不思議な感動が湧いてきました。(30代男性)
35.アイリス・マードック「愛の機械」
純文学・純小説アイリス・マードック「愛の機械」がおすすめの理由
アイルランドの小説家が描いている、ひとりの女性を巡るふたりの男たちの奇妙な人間模様が印象的なストーリーになります。不確かな関係性を見つめていくことによって、人間そのものの存在に迫っていくところが面白かったです。(30代男性)
36.百田尚樹「永遠の0」
純文学・純小説百田尚樹「永遠の0」がおすすめの理由
記者である姉とともに零戦乗りであった祖父について調べることになります。作品自体は、インタビュー形式で行われるのですが、祖父のイメージが一人一人全く違うんですね。天才と言われたり、逃亡者と言われたり、その謎を知るには読み進めないと進まない。これに引き込まれた結果、読了後には、人の重厚さ戦争の悲惨さ全てが体験できる。素晴らしい本だと思います。(40代男性)
37.江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」
純文学・純小説江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」がおすすめの理由
家族、恋人など同じ生活環境を共有しているのに、個体としての生活や価値観が違ってそれがすれ違いや引き寄せ合う元になっているという丁寧で繊細な描写がおすすめです。特に表題作ではそれが顕著に表れているので特に女性向けておすすめしたいです。(20代女性)
38.小野寺勇「遠い囁き」
純文学・純小説小野寺勇「遠い囁き」がおすすめの理由
おおむね内気になりがちな若い時分の男性が出会う女性の明るさと厳しさ、 そして強く生きざる得ない現実が、さらさらとした輝きの中に描かれてい ます。年を重ねて思い返すあるいは思い続けている記憶は、とても瑞々しく、 自らの記憶として抱きしめたくなる自分とよく似た他人の遣り切れない お話しです。(50代男性)
39.吉田修一「横道世之介」
純文学・純小説吉田修一「横道世之介」がおすすめの理由
映画化にもなった作品です。バブル時代の青春が描かれている作品です。私はバブルに生まれたので当時物心がなくてわかりませんが、どこか懐かしい気持ちになるような作品です。こんな大学時代が過ごせたらなとほんわか思う作品です。2回3回読み返すと味がわかるような気がします。(20代女性)
40.佐藤泰志「黄金の服」
純文学・純小説佐藤泰志「黄金の服」がおすすめの理由
短くも美しい夏に包まれた大学町を舞台に設定して、若さを持て余す男女が織りなす人間模様が印象的なストーリーになります。スペインの詩人であるガルシア・ロルカの言葉からとったタイトルには忘れがたいものがありました。(30代男性)
41.三島由紀夫「仮面の告白」
純文学・純小説三島由紀夫「仮面の告白」がおすすめの理由
ものすごく美にこだわり抜いた作品です. さらに三島由紀夫という文学作家は幼少期から青年時代にどのような影響を受けて金閣寺など美しい文学小説を書くことができたのかを知ることができる,三島由紀夫入門の書として読むことができます.(20代男性)
42.中村航「夏休み」
純文学・純小説中村航「夏休み」がおすすめの理由
中村さんの作品は独特の世界観があり、どの作品も面白いのですが、この夏休みはとりわけいい意味で力の入っていない、くだらない、それでいてどこか爽快感があるいい作品だと思います。あまり深く考えずに物語の世界を味わう感じでよんでみるといいと思います。(40代男性)
43.又吉直樹「火花」
純文学・純小説又吉直樹「火花」がおすすめの理由
お笑い芸人の又吉直樹さんが書いた小説。芸人の生き様や、夢に向かって走ることのつらさ、挑戦など様々な角度からえがかれており、非常に感動を呼ぶ小説。また本物の芸人が書いていることでリアリティを感じさせる。読んだ後に芸人に対しての印象がガラッと変わる。(20代男性)
44.福永武彦「海市」
純文学・純小説福永武彦「海市」がおすすめの理由
人生に疲れ切ったひとりの画家が、幻の女性を追い求めていく姿が映し出されている作品になります。西伊豆の穏やかに流れる時間と海辺の風景が美しさ溢れ、再び芸術に向き合っていく主人公の姿には胸を打たれました。(30代男性)
45.大沼紀子「空ちゃんの幸せな食卓」
純文学・純小説大沼紀子「空ちゃんの幸せな食卓」がおすすめの理由
血のつながりのないひとりの母親とふたりの娘の、奇妙な共同生活の風景が映し出されている作品になります。他人同士が同じテーブルを囲んで一緒になって食事をしている様子には、新しいタイプの家族の在り方について考えさせられました。(30代男性)
46.江國香織「犬とハモニカ」
純文学・純小説江國香織「犬とハモニカ」がおすすめの理由
血縁関係があっても、寄り添って生活をていた恋人でも、自分と他人は違う個体であるから、中の孤独や寂しさを埋めることはできないのだと思い知らされる作品集です。特に、源氏物語を現代風にアレンジした「夕顔」、同性愛者の二人旅を描いた「アレンテージョ」がおすすめです。(20代女性)
47.名鳥佐和子「江ノ島ねこもり食堂」
純文学・純小説名鳥佐和子「江ノ島ねこもり食堂」がおすすめの理由
猫との繋がりを通して、母とは違う、自分の生き方をすると固く誓っていても、母あるいは祖母から受け継がれていくものが目に見えない形で存在しているんだということを改めて教えてくれます。きっと動物には何かが見えているのだと感じてしまいます。(50代男性)
48.本谷有希子「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集」
純文学・純小説本谷有希子「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集」がおすすめの理由
現在では劇作家として数多くの戯曲を執筆しながら活躍を続けている著者の、若き日の短編小説が3編収められている作品集です。他者とのコミュニケーションに悩む若者たちの姿と、それぞれの新しい旅立ちには心温まるものがありました。(30代男性)
49.ジェーン・オースチン「高慢と偏見」
純文学・純小説ジェーン・オースチン「高慢と偏見」がおすすめの理由
高慢と偏見は、英文学史に燦然と輝く名作です。主人公エリザベスとMr.ダーシー、姉ジェーンとMr.ビングリーの恋愛を中心とした物語ですが、イチャイチャラブラブの物語ではなく、18世紀のイギリスの世相や、英国人らしい皮肉やユーモアが織り交ぜられた上質な物語です。ちょっとした変わり者は出てきますが、これといった悪人も殺人事件もない平和な物語でありながら、読む者をぐいぐい引き寄せる力があります。映画やドラマにも何度もなっているのは、こんな風に思っているのが私だけではないからでしょう。(50代女性)
50.二宮敦人「最後の医者は桜を見上げて君を想う」
純文学・純小説二宮敦人「最後の医者は桜を見上げて君を想う」がおすすめの理由
医療系のありきたりな本だと思って買ったが読み終わった後はなんともいえない感情になりただただ涙が止まらなかった。とても読みやすいのに死とは何か、自分が生きているということを考えさせられる本だった。ここまで泣ける本に初めて出会ったのでオススメしたい。(10代女性)
51.谷崎潤一郎「細雪」
純文学・純小説谷崎潤一郎「細雪」がおすすめの理由
4人姉妹の物語ですが長女を除く3人の姉妹の織り成す事今現代に通ずる物あり 少々長いですが読み応え有り次女の生き様三女の生き様四女の生き様が独特に なっており各人の生き様が正に自分に当てはまるような錯覚で四女の最後の・・・・・(50代男性)
52.柴崎竜人「三軒茶屋星座館」
純文学・純小説柴崎竜人「三軒茶屋星座館」がおすすめの理由
三軒茶屋にあるプラネタリウムバーに集う仲間たちの物語。仲間に起こる様々な出来事を主人公の和真の星座解説であるギリシャ神話とリンクさせながら物語が展開していきます。物語のなかで起こる出来事は、つらい出来事だったり、重い出来事も多くあるのですが、ギリシャ神話が語られることにより、良い意味で緩衝剤となっていて気持ちよく読める作品です。(40代男性)
53.谷崎潤一郎「刺青」
純文学・純小説谷崎潤一郎「刺青」がおすすめの理由
官能的なお話を書くことで有名な谷崎のデビュー作です。本作品は脚フェチ、あと女に支配される男という図が印象的で、谷崎らしいです。谷崎の他作品よりと比べて、強烈なフェティシズム描写が描かれているわけではないので、谷崎興味あるけどまだ読んでいない!という方にはおすすめかなと思います。後半での女の変貌は非常に鮮やかです、ぜひ着目してみてください。(20代女性)
54.白石一文「私という運命について」
純文学・純小説白石一文「私という運命について」がおすすめの理由
20代から40代にかけての女性が抱える、多くの苦難を生々しく描いており、自分が普段触れない世界に衝撃を受けたから。男性であれば、一度は専業主婦になることができる女性を羨ましく思ったことがあるはず。しかし、その過程で女性が諦めることを強いられる多くの選択肢についてはあまり知られていない。この小説は、彼女たちの諦めや後悔に焦点を当てた作品である。(20代男性)
55.東野圭吾「手紙」
純文学・純小説東野圭吾「手紙」がおすすめの理由
強盗殺人犯の兄を持つ弟が就職、恋愛など人生を生きていくなかで世間から差別を受け傷つきながらもたくましく生きていく。就職先の社長から、あなたが世間から差別を受けるのはあたりまえのことである。お兄さんは、弟が差別を受けることになることをわかっていなければいけなかった。と言う。弟は家族を守るために兄との縁を切って結婚をする。弟の苦労を知らずに気楽に刑務所から手紙を弟宛に送っていたが、その苦労を知らされ兄は手紙を出すのをやめる。お笑い芸人になった弟は刑務所に慰問に行き、縁を切った兄のことを思いながら相方と漫才をする。兄は涙を流し拝みながら漫才を見ている。 弟は世間に差別を受けることを理不尽に思っていたが、差別を受けるのは仕方ないことなのだとわかってから、たくましく生きていく姿に感動する。(50代女性)
56.色川武大「小説 阿佐田哲也」
純文学・純小説色川武大「小説 阿佐田哲也」がおすすめの理由
小説家として社会的に成功した色川武大が、「阿佐田哲也」の架空の名前を使って生きてきた時代の思い出を描いている作品になります。ギャンブラーとしての破天荒な物語とともに、過去の自分との決別が感動的でした。(30代男性)
57.小川糸「食堂かたつむり」
純文学・純小説小川糸「食堂かたつむり」がおすすめの理由
信じていた恋人に裏切られて精神的にも肉体的にも傷付いたヒロインの、新たな旅立ちが心温まるストーリーになります。山間の故郷で小さな食堂を始めながら、1日1組のお客さんをおもてなしする様子が感動的でした。(30代男性)
58.遠藤周作「深い河」
純文学・純小説遠藤周作「深い河」がおすすめの理由
この遠藤周作の深い河という小説が、何故に、お勧めしたいか理由を述べますと、自分が、若いころ20代の頃に特に、人生について考えていた時期が有りました。当時は、現在のように、細かく神経を使わず、また、様々な格差もそれほど感じない、また、今なんかよりも、気楽に、なんとなくで生きていけていた、そんな時代だっただと思います。それでも、生きていく事の意義を疑問に思っていた時が有りました。その時に出会った本がこの本です。ストーリーは、それぞれの大きな悩みを持ち続けている日本人の5人が、それぞれの理由でインドへの旅行を決意し、ツアーに参加して、聖なるガンジス川によって、5人は、それぞれに、人生の何かを感じることが出来るといった内容だと思います。自分も仏教の国の日本人として生まれ、しかし、現代の日本社会は、多くの西洋文化、キリスト教の影響を受けた多くの存在に囲まれて、憧れが有りで、喜怒哀楽の中、悩みながら生活しております。従いまして、この小説のテーマで有ろう、「キリスト教と日本人」の内容、考え方に、非常に共感をして、自分の人生において、向上の方への大きな影響を受けたから、お勧めしたかったのです。(40代男性)
59.町田康「真実真正日記」
純文学・純小説町田康「真実真正日記」がおすすめの理由
嘘を発表し続けることに疲れ切ってしまった小説家が、真実のみを書き記していく奇妙な味わいのストーリーになります。現実と妄想のはざまに落ちていき、不条理な世界へと迷い込んでしまう主人公の姿が印象深かったです。(30代男性)
60.ダグラス・クープランド「神は日本を憎んでる」
純文学・純小説ダグラス・クープランド「神は日本を憎んでる」がおすすめの理由
埼玉県にある田舎の高校を卒業した後に毎日を無意味無気力状態で送っている、主人公の冴えない日常生活が映し出されている作品になります。カルト教団に入信する女の子や地下鉄サリン事件で傷ついた人たちなど、世紀末の日本が抱えていた問題がリアルに浮かび上がっているのが良かったです。(30代男性)
61.江國香織「神様のボート」
純文学・純小説江國香織「神様のボート」がおすすめの理由
この作家さんの作品は基本的に全ておすすめ出来るのですが、その中でもこの作品は特におすすめできます。物語に大きな展開はありません。淡々と進んでいく感じです。しかしその文章の透明感が物凄いんです。読み終わった後の心地よさは何とも形容しがたいです。いつまで経っても色あせる事の無い作品だと思います。(30代男性)
62.川島誠「神様のみなしご」
純文学・純小説川島誠「神様のみなしご」がおすすめの理由
美しい海辺の町に立地する養護院「愛生園」を舞台に設定して、訳ありの子供たちのそれぞれのバックグラウンドを深く掘り下げていきます。親の虐待や無関心にさらされた子供たちの痛切な思いとともに、自らの意思で旅立っていく決意が伝わってきました。(30代男性)
63.イザベル・アジェンデ「精霊たちの家」
純文学・純小説イザベル・アジェンデ「精霊たちの家」がおすすめの理由
19世紀から20世紀のチリを舞台に設定して、祖母・母・娘の3世代にわたる壮大なスケールのストーリーになります。先住民族への虐殺や軍事政権下でのクーデターや弾圧など、南アメリカ大陸が抱えている問題点や矛盾について考えさせられました。(30代男性)
64.コレット「青い麦」
純文学・純小説コレット「青い麦」がおすすめの理由
美しさ溢れる海辺の別荘地を舞台に設定して、16歳のフィルと年上の女性であるダルレー夫人の恋愛模様を描いている作品になります。夏の終わりとともに別れを経験した少年が、青年へと成長していく姿が印象深かったです。(30代男性)
65.桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」
純文学・純小説桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」がおすすめの理由
実際の日本の過去と本の中の幻想が絡めあってできた物語。 途中で自分が謎に思ったの一文が後で謎の伏線になっており一つ一つの文章を読むのに気が抜けない。 最後に今までわからなかった部分が一気に解けたときの爽快感は今までに感じたことがないもの(10代男性)
66.中上健次「千年の愉楽」
純文学・純小説中上健次「千年の愉楽」がおすすめの理由
和歌山県熊野にある路地を舞台に設定して、美しくも呪われた血を引く中本の男たちの生きざまが映し出されている本です。産婆として数多くの人間をこの世に送り出してきたオリョウノオバの目を通して、今の時代の差別や偏見について考えさせられました。(30代男性)
67.寺田寅彦「団栗」
純文学・純小説寺田寅彦「団栗」がおすすめの理由
夏目漱石と交友のあった作家、という印象を持っている方も少数かもしれないちょっとマイナーな作家かもしれません。 少女妻、夏子と筆者の儚い新婚生活を実体験を素に描いた作品です。夏子が結核を患うところから始まるこの小説は、結果は悲しくともどこか暖かいです。それは夏子の少し間の抜けたおっとりした性格と、逆にぶっきらぼうな夫のでこぼこした関係だったり。また文章全体には夫から妻への深い愛が強く感じられます。 短いながらも切なく、心温まって時に笑える、そんな短編小説です。(20代女性)
68.中原昌也「知的生き方教室」
純文学・純小説中原昌也「知的生き方教室」がおすすめの理由
社会に対する不満を抱えている人たちや、今の時代の流れに生きづらさを感じている若者たちの姿を描き切っていました。登場人物たちの口から発せられる延々とした愚直が、いつしかこの本を執筆中の著者自身に重なっていくところが面白かったです。(30代男性)
69.三島由紀夫「潮騒」
純文学・純小説三島由紀夫「潮騒」がおすすめの理由
古い言葉で書かれている作品が好きだからです。 昔の純愛小説ならではの描写が特徴的ですが、難解なところはほとんど無く、現代の若者にも読みやすいと思います。 また、三島由紀夫の作品のなかでも、潮騒はあまり長くないので読みやすいです。(20代女性)
70.町田康「珍妙な峠」
純文学・純小説町田康「珍妙な峠」がおすすめの理由
貧しさに鬱屈とした想いを抱えている主人公が、ある日突然にホームパーティーを開くことから始まっていく奇妙な味わいのストーリーになります。どこにも存在しない峠をさまよい歩く男の姿を通して、お金と時間に縛られた現代人の宿命が伝わってきました。(30代男性)
71.浅田次郎「天切り松闇がたり 第5巻 ライムライト」
純文学・純小説浅田次郎「天切り松闇がたり 第5巻 ライムライト」がおすすめの理由
「天切り松シリーズ」の最新刊です。「天切り松」の語る「目細の安吉一家」の物語です。 それぞれのメンバーの逸話が語られます。題名になっている「ライムライト」は、「チャーリー・チャップリン」の暗殺を防ぐために活躍する「百面相の書生常」の話です。 歌舞伎俳優の「18代目中村勘三郎」が、「天切り松」を演じたことがあります。その姿が目に浮かびます。「天切り松」の語り口が名調子で、ひきつけられます。(60代女性)
72.小林信彦「唐獅子株式会社」
純文学・純小説小林信彦「唐獅子株式会社」がおすすめの理由
関西最大級の反社会的勢力に所属している主人公が、ある日突然の大親分の命令で社内報を作らされる様子がユーモアセンスたっぷりなストーリーになります。1970年代の世相や流行が反映されていて、熱しやすく冷めやすい風潮を鋭く捉えていました。(30代男性)
73.山岡荘八「徳川家康」
純文学・純小説山岡荘八「徳川家康」がおすすめの理由
全26巻の大迫力小説です。幼少から晩年まで、徳川家康のすべてを知るには最適の作品ではないでしょうか。「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」家康の人間性を表わすこの歌を心底から実感できる、時代を超えてもリアリティのある作品です。(40代男性)
74.小林エリカ「彼女は鏡の中を覗き込む」
純文学・純小説小林エリカ「彼女は鏡の中を覗き込む」がおすすめの理由
人間の記憶と想像力をテーマにしている、4つの作品が収められている著者の第1短篇集になります。原子力や核兵器をはじめとする想像力の暴走を描きつつ、母から娘へと受け継がれていく確かな思いも伝わってきました。(30代男性)
75.佐藤愛子「悲しき恋の物語」
純文学・純小説佐藤愛子「悲しき恋の物語」がおすすめの理由
山間の温泉街や下町の工場などを舞台に設定して、7つの男女の恋愛模様を描いている作品になります。出会いと別れを繰り返していきながらも、自分らしさを決して失うことのない女性たちの生きざまが美しさ溢れていました。(30代男性)
76.中原昌也「悲惨すぎる家なき子の死」
純文学・純小説中原昌也「悲惨すぎる家なき子の死」がおすすめの理由
7つの断片的なストーリーが収められている短編小説になります。社会のシステムや今の時代の流れに恨みつらみを延々と述べていき、ついには自分自身が小説を書き続けていくことまで否定してしまうところに驚かされました。(30代男性)
77.石田衣良「美丘」
純文学・純小説石田衣良「美丘」がおすすめの理由
吉高由里子主演でドラマ化された作品ですが、ドラマと原作では内容がかなり違います。不治の病で命の期限が迫りながらも天真爛漫に我が道を生きる女子大生の美丘と、そんな美丘に振り回されながらも美丘を最期まで支え見守り続けた同級生の太一との恋愛模様を描いたストーリーがメインですが、所々に命の大切さや、病の恐ろしさを作品を通じて教えてくれるので、読んでいて全く飽きない作品です。(20代男性)
78.宇江佐真理「富子すきすき」
純文学・純小説宇江佐真理「富子すきすき」がおすすめの理由
時代小説の短編集です。本の題名になってる「富子すきすき」は、「忠臣蔵」の「吉良上野介」の妻「富子」が、主人公です。 「富子」にとっては、優しい夫だったのに、なぜこんなことになってしまったのか?と、理解しがたい事件なのです。この事件で「富子」の息子も孫も、不遇のうちに亡くなってしまいます。今までになかった視点から「忠臣蔵」を描いています。 他の短編も、江戸時代の人情の機微を描き出している、心に残る良い作品です。(60代女性)
79.カズオ・イシグロ「浮世の画家」
純文学・純小説カズオ・イシグロ「浮世の画家」がおすすめの理由
戦前、戦中、戦後を通して家族、師匠や弟子、社会について、著名か画家である主人公の回想にて語られます。主人公の回想なので、矛盾や他人には批判的であった行動について自分が行ったときは正当化したりしています。人間の自己愛を感じる作品でした。(20代女性)
80.朝倉宏景「風が吹いたり、花が散ったり」
純文学・純小説朝倉宏景「風が吹いたり、花が散ったり」がおすすめの理由
盲人ランナーの伴走者というあまりなじみのないテーマが取り上げられているが、過去の過ちで挫折を味わった少年が、ひょんな事から盲人の少女と出会い伴走者となって様々な過去を清算しつつ、人間として成長していく過程が良く描かれています。読み終わった後に自分も頑張って行こうと力をもらえる作品です。(40代男性)
81.マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」
純文学・純小説マーガレット・ミッチェル「風と共に去りぬ」がおすすめの理由
言わずと知れた名作ですが、読破したという人はなかなかいないのではないでしょうか。また、映画版もありますが、映画では時間の都合上、この作品の醍醐味である心理描写や人間関係がだいぶおろそかになってしまっているような気がします。この小説がオススメな理由はまさにその心理描写と人間関係です。発表されたのは何十年も前だし、作品の舞台は100年以上前なのに、女性の社会的状況はあまり変わっていないような気がします。その中での女性たちのいろいろなタイプの立ち振る舞いは現代でも参考になるし考えさせられると思います。(20代女性)
82.森絵都「風に舞い上がるビニールシート」
純文学・純小説森絵都「風に舞い上がるビニールシート」がおすすめの理由
表題作の短編小説が大変良作だと思いました。主人公は難民を支援する仕事の関係で外国人の夫と出会い結婚をしますが、価値観や考え方の違いからすれ違いが生まれ、亀裂が生じます。そして、物語の終盤で夫が難民キャンプで命を落としたことを知ったときの、主人公の夫への愛憎混じって複雑な、しかしもう取り戻せない存在の大切さを噛みしめるように紡がれる短文に、強く心を打たれる作品です。(20代女性)
83.恩田陸「蜜蜂と遠雷」
純文学・純小説恩田陸「蜜蜂と遠雷」がおすすめの理由
最近の小説の中では、ダントツに面白かったのではないでしょうか。 各キャラの生い立ちや想い、そして人生が、音楽という共通のものを通して描かれていました。 小説なのに音が聞こえてきそうで、この小説にでてくる人物の演奏を聴きたくなってしまいます。(20代男性)
84.小林信彦「夢の街その他の街」
純文学・純小説小林信彦「夢の街その他の街」がおすすめの理由
「みずすましの街」や「八月の視野」をはじめとする、幼い頃の戦争体験や生まれ育った実家の和菓子屋さんをモデルにした3つの短編小説が収められています。時代とともに移りゆく街並みの中でも、変わることのない人々の思いには心温まるものがありました。(30代男性)
85.筒井康隆「夢の木坂分岐点」
純文学・純小説筒井康隆「夢の木坂分岐点」がおすすめの理由
サラリーマンと小説家の間で揺れ動くひとりの男が、奇妙な世界へと迷い込んでいく姿が映し出されていく本です。心理学やサイコドラマなどの斬新な発想を駆使して、ひとりの人間が人生の中で持っている無限の可能性が伝わってきました。(30代男性)
86.中原昌也「名もなき孤児たちの墓」
純文学・純小説中原昌也「名もなき孤児たちの墓」がおすすめの理由
主人公の一人称のスタイルで語られている、断片的な16本の短編小説が収められている作品になります。自らに降りかかってくる理不尽な出来事ややり場のない怒りを通して、多くの笑いと僅かな慰めが伝わってきました。(30代男性)
87.島崎 藤村「夜明け前」
純文学・純小説島崎 藤村「夜明け前」がおすすめの理由
丁度江戸時代と明治時代の狭間で田舎の人間模様が描かれているえ~こんな事をしていたのかと云う新鮮な事の発見当時の世相が反映されていて興味深い 非常に長い小説で当時の時代背景伺える読んでいてダレますが最後まで読むと非常な達成感有り(50代男性)
88.武者小路実篤「友情」
純文学・純小説武者小路実篤「友情」がおすすめの理由
現代人からすれば昔の作品なのに、話す口調も古めかしいのに、不思議と親近感が湧いてしまうお話。主人公の恋と友情を絡めた三角関係のお話なのですが、心理描写が秀逸でリアル。主人公の妄想力と拗らせ感は滑稽でもありますが、読めば現代まで受け継がれている魅力もわかります。(30代女性)
89.クラーク「幼年期の終わり」
純文学・純小説クラーク「幼年期の終わり」がおすすめの理由
とても昔に書かれた小説ですが、今でもなお通じる面白さがあります。ものすごく突飛で受け入れがたい事象が起こりますが、すべてのことにきちんと設定が練られている作品です。なぜオーバーロードは姿を現さないのか、なんのために地球に来たのか、地球はどうなるのか……と、ひとつ解決するごとに気になる事が表れ、ページを進ませます。今の情勢の日本に通ずるものも少なからずあると思います。(20代女性)
90.宮下奈都「羊と鋼の森」
純文学・純小説宮下奈都「羊と鋼の森」がおすすめの理由
タイトルからどんな小説なのか全く連想できませんが高校生のだった主人公が目標を見つけ、ひたむきに進んでいく姿勢、周りに左右されず自分との戦いで悩みながらも目標に近づこうと努力している姿がとても心に響きます。読み終えたあと、なんだか自分の中のバランスが整ったかのような感覚におちいりました。(40代女性)
91.白石一文「翼」
純文学・純小説白石一文「翼」がおすすめの理由
周りから変わっていると思われている作中のメインキャラクターの一途な愛に心が打たれた。自分のことがどうでもよくなるくらい人を好きになった経験があるひとに響く一冊。報われない恋愛ではあるが、それ故に愛おしく切ないラブストーリーになっている。(20代男性)
92.宇江佐真理「雷桜」
純文学・純小説宇江佐真理「雷桜」がおすすめの理由
映画化された作品の原作です。時代小説が苦手な人や初めての人でも読みやすいのでおすすめです。乳飲み子のころに何者かにさらわれてしまった女の子が成長して登場しますが、せつない恋愛物語としてとてもきれいなお話なので心があらわれます。(40代女性)
93.瀬尾まいこ「卵の緒」
純文学・純小説瀬尾まいこ「卵の緒」がおすすめの理由
余命わずかである夫を愛し、血の繋がらない子どもに惜しみなく愛情を注ぐ母親の姿が瑞々しく描かれています。子どもは血縁関係こそが家族の証であると思い、自分のへその緒を見せてほしいと母親にせがむのですが、血のつながりよりも大切なものがあることを教えてくれる作品です。(20代女性)
94.宇江佐真理「涙堂 琴女癸酉日記」
純文学・純小説宇江佐真理「涙堂 琴女癸酉日記」がおすすめの理由
襲われて斬られて亡くなった夫の同心「高岡靱負」なぜ殺されてしまったかを探る娘たちの夫の同心、与力たち。その動きが物語の、主な流れです。 末の息子で、絵師になった「賀太郎」のもとで暮らす「琴」の思いを記した日記が、江戸の市井の日々の暮らしを活写しています。 時代小説の名手が描き出す、連作短編集です。(60代女性)
95.浅田次郎「薔薇盗人」
純文学・純小説浅田次郎「薔薇盗人」がおすすめの理由
短編集だが、バラエティに富んでおり、どれも面白く、一気に読めてしまう。中には全編会話のみで構成された作品もあり、また物語の語り口、短編ならではの魅力が詰まっている。特に【死に賃】や【あじさい心中】、【奈落】などは読み始めた途端にその世界へ引き込まれてしまう。(30代男性)
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