【2019年】宮本輝おすすめの本ランキングTOP7

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【2019年】宮本輝おすすめの本ランキングTOP7

人の心の美しいところ、醜いところを余すことなく書かれていて、それなのに、ぎりぎりまで無駄がそがれている。とてもストイックな文章は、読者に様々なことを問いかけてくるようです。読んだ後、手にしているこの本が間違いなく世界で一番好きだと思え、そして逆に不安になるほどです。彼の新しい本を読むと、今、手にしているこの本が一番ではなくなってしまうかもしれない、と。宮本輝さんのおすすめの作品をランキング形式でご紹介します。

 

 

第7位.宮本輝「焚火の終わり」

宮本輝「焚火の終わり」がおすすめの理由

タブー。そうとしか言い表せない事実や感情があちこちに敷き詰められている。学生の頃、これを読んで、思わず親にこれを見られたら怒られるのではないかとびくびくしたことを思い出す。文章は淡々とタブーについてかかれている。それなのに、どうしてこんなに心が落ち着かない気持ちになるのだろうか。それはひとえに、この物語を構成する文章の魅力にあるのだと思う。無駄の一切ない力強い文章が、淡々とタブーに触れることで、余計に禁忌を意識してしまうのだ。ひそやかで激しい主人公たちの作る熱にあてられている気持ちになり、読んでいる間は、そわそわとしてしまう。本当に火にくべられたような気持ちになってしまう。しかしタブーにばかり触れてしまったが、主人公たちの心の移り行くさまは、とても引き込まれてしまうほど魅力的だ。読後、魂を抜かれたような気持ちになってしまう、魅力的で、そしてその静かな熱さが危険な本。

 

 

第6位.宮本輝「蛍川」

宮本輝「蛍川」がおすすめの理由

高校時代の教科書に掲載されていた蛍川は、わたしにとって初めての宮本輝作品だ。教科書には一部のみが載っていたため、小説を書店で購入したのだが、やはり教科書に載っているラストの部分のすばらしさを何度読んでも実感する。読み返す度に、最後の情景が頭に浮かぶ。無駄の一切ない、とても力強い文章が、最後の情景からわたしを離してくれない。ちなみにわたしは、このラストの情景のような場面に遭遇したことは一度もない。それなのに、この本を読み終えた直後は、まるで見てきたかのようにその情景は鮮やかにわたしの胸にとよみがえってくるし、草の匂いや、気温すらも体験したような不思議な気持ちになる。きっとこれが、文章で人を世界に引き込むという事なのだろうとそう思う。こんな恐ろしいまでに素晴らしい文章と出会えたことにただただ感謝する。

 

 

第5位.宮本輝「森のなかの海」

宮本輝「森のなかの海」がおすすめの理由

死、再生、そして成長、旅立ち、さらに次代へ…―――。森がそうであるように、人の人生もそれらの繰り返しなのだろうと、読んでいるうちに思える。誰もが何かに、誰かに影響されながら苦しみ、立ち直り、そして成長し、次にと進んでいく。読み進めていくうちに、まるで森の木の一本となって、主人公や他の皆を見ているような、そんな気持ちになる。ちなみに、著者の「オレンジの壺」と同じくこの本にも小さな謎はいくつもある。当然、これも解決されていないけれど、それはそれで気にならない。解決できる秘密だけが全てではないことも、そしてそれらを無理に暴くことが無粋だと、もう大人ならば解っているだろうと、そういわれている気もするが、読み直す度に、この謎が解けていたらよかったのにな、と心のどこかで毎回思ってしまう。つまりは、毎回新鮮な気持ちで、一文一文に向き合える本なのだろう。

 

 

第4位.宮本輝「オレンジの壺」

宮本輝「オレンジの壺」がおすすめの理由

この本には謎が出てくる。謎は出てくるけれど、ちっとも解決しない。誰かにこれを勧める際、「謎は解決していないではないか」と言われることは覚悟しないといけない。しかし、謎は解決されないのに、本当に何一つ謎は解決されていないというのに、どうしてこの話はとても綺麗で、そしてこんなにも心がひかれるのだろうか。わたしにはその答えが出ない。現在と過去、そして真実と虚飾がミルフィーユのように重なって、謎が深くなっては話に厚みを持たせている。そして繰り返すが、とんでもないことに、この謎は解決しないのだ。いくつが謎はあるが、解決していない。いっそのこと後味が悪いのではないかと思えるのに、しかし本当にそうかといえば答えは否だ。主人公がいった言葉のように、納得すらしてしまう。そして何より、この複雑な重なりがとても面白い。

 

 

第3位.宮本輝「冬の約束」

宮本輝「冬の約束」がおすすめの理由

誰が主人公なのか解らない話であり、だからこそ同時に誰もが主人公なのだと解る話だった。本作では誰もが人生の中に、様々な物語を潜ませているため、一人一人の心の中が深く書かれていく。そのため、主人公は誰(どちら)なのだろうとすら思ってしまう。そして、ここに出てくる恋はとても静かだった。ここに出てくる情は、燃え上がるような恋ではない。けれど、まだ未熟な恋がゆっくりと熟れていく過程や、恋と言い切るには恐らく躊躇いの生まれる情が静かに音もなく広がっていくさまが描かれている。話のあちこちにちりばめられている約束というキーワードが重なって、実った恋もあれば、途切れた思いもあった。しかし、読み終わった後に、読んでいる自分の心がとても静かになっていることに気付く。もう一度静かに、なお深く読みたいと強く思える作品だ。

 

 

第2位.宮本輝「優駿」

宮本輝「優駿」がおすすめの理由

この本のメインテーマは競馬が関わって生きている。しかし、競馬がメインというのとはまたが違う。競馬という言葉に、いくつもいくつもの人生が重なっている。何人もの悲しみと喜び、失意、興奮、絶望、希望―――。それがテーマだと思う。競走馬はもちろん、調教師、ジョッキー、生産者、オーナーと、馬に関わる全ての人生を物語として、そしてそれらをもとにして物語は進んでいく。生まれたばかりの仔馬がダービーに出るまでの立った数年間、物語はよどむことなく、むしろ馬がターフを走るようにと力強く、そして素早く進んでいく。必然として登場人物は多いのだが、それが少しも苦にはならない。この本を読んで、魂が震えるという経験を初めてした。終盤のたった一文で、涙が滂沱の如くこぼれた。とても感動した。身震いすらした。これほど素晴らしい本にはもう、二度と出会えないに違いないとすら思えた。

 

 

第1位.宮本輝「ドナウの旅人」

宮本輝「ドナウの旅人」がおすすめの理由

母と子の対立、そしてそれぞれの恋人たち。更に彼らと触れ合っていく人たち。自分たちの中にある躊躇い、憎しみ、もどかしさ、そしてそれらを全て包括して許すという成長が素晴らしい。旅を続ける毎日という、まるで現実感のない生活なのに、彼らは旅を進めるごとに親子になり、また家族に戻っていく。親子を再構築していっては、強いものにと変えていく。そして新しい家族を作る。旅と人生が重なっては、また別れ、そしてまた重なる過程で、一瞬一瞬がとても大切なものだと、読んでいるうちに気付いていく。彼らが旅の果てに手にしたものがなんであるか、一言では決して言い表せないことが、また素晴らしいと思う。雄大で長い川の流れと同じように、人の人生がどれほど偉大なのか実感しては、感動を覚える。この本に出会えて、わたしは本当によかった。読むたびにそう思える。

 

 

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